A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

観音菩薩ホールとタイの尼僧

MRTラートプラーオ (Lat Phrao) 駅の東側、3.5kmほどのところにある観音菩薩ホール(Kuan Im/Gyan Yin Bodhisattva's Hall, チョークチャイ4通り)を訪れた後、ここの由来を調べようとネット検索したところ、タイ仏教界の意外な現状を知ることになりました。

これまで、白衣をまとった剃髪の女性を見たことは何度もありましたが、なぜ男性のように黄衣ではないのか考えたことはなかったし、単純に彼女たちは尼僧だと思っていました。

ところが、実はタイには正式な尼僧(比丘尼)はほとんどいないのだそうです(2019年現在、男性僧侶25万人に対し女性は270人)。そもそも女性を僧侶(比丘尼)と認めるプロセス(受戒)は上座仏教においてはすでに崩壊し、存在しないのだそう。

それに加えタイでは1928年に女性の受戒が禁止されました。なので、上記タイ人女性僧侶はすべて国外で受戒を行った方々だそうです。(女性の受戒行為が禁止であって、尼僧そのものは禁止ではないそう)

白衣の剃髪女性はあくまで熱心な女性修行者/女性出家者(メーチー)という位置づけであって、黄衣をまとうことやお布施の分配を得ることはできませんし、もちろん僧侶ではありません。

そんな中でも、このホール(駆け込み寺)にはシー・クアン・セン(Shi Kuang Seng/Ajahn Yai)比丘尼がいます。タイ人女性(Ms. Varaporn Lertrangsi)ですが1991年に中国浙江省に渡り、普陀山の普済寺で正式に尼僧(比丘尼)となったそうです。

(※この経緯で正しいかちょっと不安、実際に僧侶になった年も不明、タイ初の尼僧は2001年にスリランカに渡ったタンマナンター比丘尼という記事もありました)

ということで、タイ仏教界もなかなか大変だなあと(←小並感)。けっして平坦ではない道のりを歩んでこられた方だからでしょう、このお寺が行う多岐にわたる社会貢献は、タイ国内で大いに評価されているそうです。ここ以外にもあと2ヶ所駆け込み寺と、1ヶ所ヘルスケアセンターを運営しているそう。

まああまり難しいことは考えずとも、単純に屋上からの眺めが気持ちいいので、ぜひ一度訪問をおすすめします。

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