1826年、ラーマ3世の治世に建立され、出家中のモンクット王子(後のラーマ4世)によって創始されたタマユット派の総本山、ワット・ボウォンニウェート(Wat Bowonniwet)。規律を厳格に守ることでも知られ、王族の出家修行に利用されることも多く、プーミポン前国王(ラーマ9世)もここで出家修行されました。前国王はここで永眠されているそうです。
第1級王室寺院であり、派手さはありませんが、お堂の装飾やご本尊など高い品格が感じられる佇まいはさすが。ピンと糸が張りつめているような、ちょっとはしゃいじゃいけないような(そもそもお寺ではしゃいではいけませんね)、そんな空気感が境内全体に漂っていました。
1976年10月6日、血の水曜日事件の発端となったのは、クーデターと独裁の果てに亡命を余儀なくされたタノーム元首相がシンガポールで出家し僧侶となって強制帰国し、このお寺に入ったことが原因でした。そういった歴史の闇の部分もほんの少し感じながら、観光気分で来たことを反省しつつ、そそくさとお寺を後にしたのでした。