セブセブ(フィジー入村の儀式)
トンガにも、「家主に呼ばれるまで垣根を超えてはならぬ」という伝統的なルールがありました。よその家の庭に勝手に入って玄関をノック、なんてことはかなり失礼なんだそうです。
ここフィジーには、さらに厳しい掟があります。それは、「よそ者が勝手に村に入ってはいけない」というもの。ちょっと町を外れれば、人口数百人の村がまだまだたくさんあるフィジー。そういった村を訪問するときは、最初にきちんとした入村の儀式が必要になります。この儀式をセブセブと言います。
村を訪問する者は、事前に連絡することはもちろん、当日は手土産としてカバを持参します。村人に出迎えてもらったら、カバを村長に手渡し、訪問の目的を手短に述べます。
村長は歓迎の意を示すとともに、カバを飲むようすすめてきますから、みんなでカバを飲みながらひとしきり会話に花を咲かせます。こうして訪問者は村のファミリーとなリ、入村を許可されるわけです。
これは政府の仕事で村を訪問するときも同じ。早く仕事を終えたいのにと思ってもそこは我慢。カバを5杯、6杯と飲みながら、フィジーの伝統を受け入れていくのもまた心地良いものです。
※事前に洗うと言っても泥のついた木の根っこだし、同じボウルを使って回し飲みするので衛生的にどうかはまた別の問題・・・。
というわけで、フィジーの村で仕事をするときにカバはつきもの。村のコミュニティーホールに集まってもらい若者ががんばってワークショップをやっている横で、おっちゃん達が嬉しそうにカバを準備しみんなにすすめている光景って、なんとも微笑ましいものです。
フィジー、国名の語源
ふと、日本語の起源をポリネシアの言語に求めようとする説があったことを思い出しました。フジ (富士) の語源はフィジー、などと無茶を言っていたように思いますが、フィジーという単語は近代になってできたものなので、その説は的外れでしょう。
フィジー人が初めてちゃんと西洋人の目にふれヨーロッパに紹介されたのは、キャプテンクックの太平洋航海の時です (1770年代)。クック一行がトンガを訪れた際、フィジー人のことを「勇猛な戦士であり恐ろしい食人族、そして太平洋でもっとも優れた船大工」と評したのです。
フィジー人は彼らの故郷を「ヴィティ (Viti)」と呼んでいましたが (現在のメインアイランド、ヴィティ・レブ島)、トンガ人はそれを「フィスィ (Fisi)」と発音していました。さらにクックはフィスィを「フィジー (Fiji)」と発音し、それがヨーロッパに広まったというわけです。
ヴィティそのものの由来は諸説ありますが、最初に入植した人々が一面のジャングルを切り開いていったことから、「木を切る作業=Viti」という説が有力だそうです。地名に歴史あり。おもしろいですね。
フィジー博物館
スバのサーストンガーデンにあるフィジー博物館に行ってきました。規模は小さいながら、なかなか興味深い展示品がちらほら。
シンガトカで発見された紀元前の人骨、ラピタ土器の破片、太平洋を股にかけた双胴船の数々、カメダキョーダイみたいな木像。船の帆はタオバラと同じですね。感動。
本日一番気に入ったのは、なんといってもハリセンボンの兜 (ヘルメット)。これはカッコイイ! ぜひさかなくんにかぶってもらいたい。
ハイビスカス・フェスティバル 2013
フィジー最大のにぎわいを見せると言われるハイビスカス・フェスティバルが始まりました。日曜の夜、お祭りの興奮、夜店、そぞろ歩き、非日常空間。それにしても異常に高速な観覧車でした。
椰子の葉を編みこんで
南太平洋では、人々の生活に椰子の木が欠かせません。ココナッツはもちろん、木の幹も、ギザギザの葉っぱも貴重な資源です。
写真はハイビスカス・フェスティバルの準備風景。みんな黙々と葉っぱを編みこんでいます。これは何になるのかな。かご、敷物、それともパーティション?
大人にあれこれ言われながら、子どもたちが葉っぱの編み方を教わっていました。なんだか微笑ましい光景でした。こうして次世代に伝わっていくんですね。
フィジー独立記念日
10月10日はフィジーがイギリスから独立した独立記念日。首都スバではアルバートパークで記念式典が催されました。町中にフィジーの国旗をふる人や国旗をフェイスペイントする子どもたちが大勢いて、にぎやかな一日となりました。
ディーワーリー
ディーワーリー(Diwali)は、インドのヒンドゥー教の新年のお祝いです。別名「光のフェスティバル」。10月末から11月初めのインド歴の第七番目の月の初めの日になり、この日は新月と重なります。
ヒンドゥー教の女神ラクシュミーをお祝いする日であり、その昔、ジャイナ教の開祖マハーヴィーラが究極の悟りを開いた日だとも言われます。正式には5日間続くそうですが、これが彼らにとっての新年なんだそうです。
フィジーは国民の3割から4割がインド系。フィジー文化に染まることなく、インドの文化・言語・生活習慣を保っています。うちの職場にも純フィジー人のスタッフとインド系フィジー人が半々くらいでいます。
ディーワーリーの夜、職場のインド系フィジー人スタッフに招待され、ディーワーリーの雰囲気を楽しんできました。ディーワーリーに花火はつきものだそうで、この日も中庭で花火をしました。もちろん周辺でもみんな花火。花火の質が悪いようで、打ち上げ花火が上に飛ばず、周囲で見ていた我々にパパパパン!と飛んできた時はあせりました。周りの何人かシャツを焦がしていました。
お腹いっぱいいただいた野菜カレーはどれも美味しかったです。甘いスイーツもディーワーリーの楽しみのひとつ。赤いのは激甘でした。
フィジーの結婚式
年明け早々、フィジー人の結婚式に招待され行ってきました。3部構成の2部から出席した自分も悪いのですが、招待状持参て言われていたのに、会場についたら別に誰がチェックするでもなく、というか案内図とか受付けとか、そんなのは一切なく、なんとなくそれっぽい集団にもぐりこんでみたところ、ほどなくして花嫁本人を見つけたので、そこが正しい場所だと知ったわけです。
会場はスバから車で1時間のパシフィックハーバー。ホテルを貸し切りという豪華な結婚式、なのかどうかよくわかりませんが、フィジーならではの、「あなたどこかの村人でしょ?」みたいな人もたくさんウロウロしている、フィジー独特のゆるーい雰囲気の結婚式でした。
300~400人くらい集まっていたでしょうか。当然、会場には入りきらず、自分も含めてほとんどの人は外でブラブラしながら、もぎたてフレッシュなココナッツをちびちび飲みながら食事の時間を待っていました。その時点ですでに2時間おしだったので、やっぱり暗くなる前に帰ろうかなと思い、結局食事はとらずに帰ってきました。
それにしてもなんでしょう、あのほんわかハッピーな雰囲気。誰一人時間を気にせず、誰が来ようとみんなウエルカム。段取りなんてあってないようなもの。ダンスの子どもたちは衣装のまま長時間スタンバイしていたし、食事を用意するホテル側も特に急かす素振りはありませんでした。
女性はみんな着飾っていましたが、花嫁の父親なんてほとんど普段着だったので、言われるまでまったく気が付きませんでした。日本の結婚式とは大違いです。どっちが良いとか悪いではないですけどね。
途中、父親から贈る言葉みたいなパートもあって、もちろん全部フィジー語でまったくわかりませんでしたが、なんとなく気持ちが伝わってきました。こういうのは万国共通ですね。ブタの丸焼きもあったし、タパクロスもあって、ポリネシアっぽいなあと思った南国の結婚式でした。
フィジーのタパクロス
フィジーやトンガなど大洋州で広く親しまれているタパクロス。トンガでは未だに生活の一部にタパクロス作りがあり、いろいろな場所でよく見かけました。
フィジーではそんな光景を日頃目にする機会がないのがやや残念ですが、町のマーケットに行けば当たり前のようにたくさんのタパクロスが売られています。
トンガよりはデザインも複雑なような気がします。やっぱりなんかひとつ買おうかな。まあ買ってどうするってことなんですが。
ハイビスカス・フェスティバル 2014
先週、ハイビスカス・フェスティバルが終わりました。フィジー人にとっては季節の変わり目、冬の終わりといった趣のお祭りなのかなとも思います。まあ今も全然寒くはありませんが。
これからまた暑くなるなー。結局今年も高速観覧車には乗らなかったなー。今年はシャワルマ売っていて美味しかったなー。あいかわらずミス・ハイビスカスはパシフィックな感じだったなー。
などといろんな感慨を持ちつつ、またひとつ、フィジーで体験できることが終わりました。
インドの奇祭?!
8月末のこと。南太平洋大学の前がやけに渋滞していました。なんだろうと思っていたら、インドの儀式っぽい感じの集団が行進していたのでした。
追い越し際にチラリと見ると、行列の中ほどには何やら体中に細い金属を刺しているような人々も。これは苦行を模した珍しい奇祭に違いないと、少し先に車を止めて、急いで行列の方にもどりました。
写真をパチリ、パチリ。あれ?なんかおかしい・・・?目を凝らして見ると、あ!串刺しになっているんじゃなくて、スプーン!しかもテープで貼り付けている・・・。
それまでちょっと興奮していたのに、このゆるさに一気に脱力。まあこれはこれで面白かったですけどね。なんのイベントだったかは聞きそびれました。
フィジー独立記念日
10月10日は Fiji Day でした。自分も見るのは1年ぶり。アルバートパークで恒例のパレード。みんなフィジー国旗の水色を着て、独立記念日を楽しんでいました。
ディーワーリー
フィジー滞在中、2回目のディーワーリー。あいかわらず住宅街でバンバン花火を打ち上げていました。夜、ナショナルスタッフの家を2軒はしごしてカレーとインド菓子をご馳走になりました。レストランのカレーよりこうして家庭で作ってもらったものの方がはるかに美味しいんですよね。行ってよかった。途中どしゃ降りになったけど。