迷子の警察音楽隊
文化交流のためエジプトからイスラエルを訪れたアレキサンドリア警察音楽隊。空港に出迎えがいなかったため自分たちでバスに乗り会場の町を目指しますが、ひと文字違いの田舎町に降り立ってしまいます。アラビア語にはP音がなくPはBで表記・発音することから誤解が生じたんですね。
ホテルもないその町で起きたユダヤ人とアラブ人の一晩だけの交流を、淡々としかしユーモアとペーソスにあふれた演出で描いています。事件もドラマも大きな変化も何も起こりませんが、人生のほろ苦さや人恋しさがひしひしと伝わってくる珠玉の作品。
エジプト映画ではなく実はイスラエル映画。セリフはエジプト方言ですが、久しぶりに聞いたらわりといいなと思ってしまいました。
ガーダ 〜パレスチナの詩〜
DVDで「ガーダ」を観ました。歌 (詩) が良かったです。本当に。どうせなら、歌 (人々の生活)、イスラエルとの戦い、そしてガーダと、三部作くらいにわけた方がもっと伝わったんじゃないでしょうか。もったいない。
キャラメル
レバノン映画にして女性映画の傑作。コメディータッチながら人生のほろ苦さ、恋愛の切なさがひしひしと伝わってきます。観終わった後はほんのりハッピーな気分に。
レバノンなまりのアラビア語が心地良いので、アラビア語を聞いてみたい方は是非。音楽も秀逸。繰り返し観たくなる一本です。
シリアの花嫁
うーん、この映画はちょっと…。アラブ人の描き方に悪意がありすぎる。イスラエル映画といっても「迷子の警察音楽隊」は良かったのに。
ヒヤーム・アッバースの凛とした美しさは一見の価値ありですが、「キャラメル」のナディーン・ラバキーの匂い立つような色香を見た後だったので、ずいぶんかすんで見えてしまいました。