トンガは大洋州に残る唯一の王国です。主要4島のうちもっとも大きな島が、首都ヌクアロファがあるトンガタプ島ですが、それでも東西40km、南北30kmほどの小さな島。
大洋州はトンガが初めてだったので、小さな市場も物資の量も、住んでいる時は「まあこんなもんか、十分、十分」なんて思っていました。
トンガの次に赴任したフィジーの首都スバに行ってようやく、「あれ?トンガってけっこう不自由していたのかな」と気がついた次第。
両国の位置関係は次のとおりです。どちらも南半球で日本とは季節が逆。トンガの方が南に緯度が高い分、冬 (8月) は涼しかったです。気温が20℃を下回る日も。
下の図で両国の大きさを比較しました。あらためて見ると、トンガって小さいな。フィジーもそこまで大きくはないのだけれど。
ではその狭い島の隅々まで人が住んでいたかというと、まったくそんなことはなくて、町と言えるのはヌクアロファだけ、あとは畑が広がっていました。島には高い山も川もありません。総人口は当時も今も10万人強、トンガタプ島に7割、ヌクアロファに3万人弱。
トンガタプでは中央市場のタラマフマーケット (Map) で野菜などを買い、港のフェリー乗り場の横にあったフィッシュマーケットで魚を買っていました。港周辺はそれなりに開発が進んだので、当時の場所とはもう違うかもしれません。Googleマップでは具体的な場所がわかりませんでした。ぜんぜん違う場所に移転したのかな。
■タラマフマーケット
前日に投稿したフィジーのマーケット (⇒コチラ) にくらべたら、だいぶ小さいです。野菜・果物もかなり少なめ。でも、トマト・タマネギ・ニンジン・キャベツといった基本的なものはあったので、とくに困りはしませんでした。
屋内施設の2階は伝統的な織物や土産物が並んでいました。旅行で来たら勢いであれもこれも買ってしまいそうですが、住んでしまうとそこは冷静になって、正直お土産はほとんど買わなかったかなあ。
主食である芋類はバラエティーに富んでいました。ここだけは大洋州の大国フィジーを凌駕していましたよ。ヤムイモ・タロイモ・キャッサバだったら、自分はヤムイモが一番好きです。蒸し焼きだけでなく、とろろ芋にして食べていました。
海岸通りにもお芋の露店がたくさん。トンガ人はとにかく食べる量が多いですから、一度にカゴ2つも3つも買っていくのをよく見ました。
■フィッシュマーケット
この場所は今どうなったのかな。当時は狭いながらも新鮮な魚がそれなりに並んでいました。漁船 (船外機をつけた小型ボート) で漁に出るわけですが、燃料代もかかりますから、魚の値段は安くはなかったです。たぶんそれは今も。
ニュージーランドから輸入した冷凍マトンやコンビーフ缶詰の方がコスパは良く、それらを食べるようになってから、トンガ人の肥満化が急激に進んだのだそう。昔は同じ見た目でも筋骨隆々、今は脂肪過多で糖尿病が国民病になってしまいました。
貝類がけっこう充実していたような。白いハマグリっぽい貝はよく買っていました。「食べてもいいの?!」みたいなデカい貝もよく見ました。
ウニも最初の頃は見るたび目が輝きましたが、わりとアタリ・ハズレがあって、ハズレの方が多いかなあと思い始めて、パタリと買うのをやめてしまいました。
タコもよく売っていました。時には干物も。魚の干物、というか塩漬けかな、数は多くなかったですが、だいたいいつも売っていたと思います。
あとはロブスターですね。これは高級食材。海ブドウや珍しいところではイソギンチャクも、トンガ人は好んで食べていました。
時々ウミガメも売っていました。一定サイズ以上のものは売買可能で、一度買って食べましたが、赤身でしっかりしたお肉でした。
■ババウ島のマーケット
世界中からヨットが寄港する天然の良港ネイアフにあるファーマーマーケット (Map)。売られているものはトンガタプとあまり変わりませんが、カペ (ジャイアントタロ) はババウで初めて見ました。島の特産品はバニラ。この形 (最後の写真) は初めて手にしました。