11月21日は数字の語呂合わせから「自然薯の日」としている静岡 (熱海) のお店がありまして、それにちなんでトンガとフィジーでたくさん食べたヤム (ヤムイモ、ヤマノイモ) のお話を (過去記事再録)。
ウフィ(トンガのヤムイモ)1
トンガの主食はお芋。ウフィ (ヤムイモ)、タロ (タロイモ)、クマラ (サツマイモ)、マニオケ (キャッサバ)。個人的にはウフィが一番美味しいと思いますが、タロが大好きな人もいれば、毎日食べるならマニオケが一番と言う人など、好みはやはり人それぞれ。
トンガ農業省のレポートによれば、トンガにはウフィだけでも細かく分ければ130種類もあるそうです。もちろん全部が食べて美味しいわけではなく、食用に適した品種というものがあります。
最近になってようやくウフィを自分で買って食べるようになり、きちんと品種を意識してみるようになりました。そうしてまず食べ比べたのが、ボリとロシ (ロセかも)。結果、ボリが粘度も高く甘みもあって、かなり美味しいと思いました。
今日は、トンガ人が大好きだというカホカホを購入。値段は少し高めですが、とにかく露天のおばちゃんが「ベスト!」を連発するので、弥が上にも期待は高まります。家路を急ぎ、さっそくすりおろし作業にとりかかりました。
実はボリよりもネバネバなんじゃないかと期待していたのですが、いざすりおろしてみると意外に水っぽい。さらにロシとはちがって、とてもなめらかにすりおろせます。そして液状になっても太い糸をひくようなネバネバが。だし醤油、七味、卵を混ぜてちょっと生でひと口。「あ、美味しい・・・」思わず声が出ました。これは明らかに味が違います。
で、いつもの手順にしたがってフライパンで焼きあげ。できあがったパンケーキは甘みが強く、食感も粒状感がなくとてもなめらか。なんといっても冷めても美味しい。これが一番の驚きでした。やはりトンガ人が大好きというだけのことはあります。今日マーケットに並んでいたのはみんな比較的小ぶりだったし、これならなんとか一人でも買えそう。当分カホカホで楽しめそうです。以下、いくつかウフィを簡単にご紹介。
①ボリ
美味しい。トンガ人も好き。粘度が高くとろろに最適。丸っこい形。
②ロシ (ロセ)
あまり美味しくない。水っぽい。ややエグ味あり。トンガ人は好まないが、オーストラリア北部の人たちが好きなので輸出用に栽培している。
③カホカホ
とても美味しい。トンガ人が大好き。王族関連行事の食事には必ずカホカホが使われる。形はいろいろ。
④ウフィレイ
ニウアトプタプでよく栽培されている。
⑤ポア
ゆでた時の香りが独特なので有名。
⑥ソロモネ
美味しい。
⑦キビ
やわらかいのでお年寄りに好まれる。
ウフィ(トンガのヤムイモ)2
トンガ生活も1年が過ぎ、この頃ではきちんと品種を確認してウフィ (ヤムイモ) を買おうと心がけていますが、そう意識してマーケットをのぞいてみると、まぁ、あるわあるわ。まだ食べたことのないウフィが山のように売られています。さながら宝の山ですね。
今の狙いはカウメイレ (ネバネバ強い) とウフィレイ (ニウアトプタプ原産)。今日もマーケットに並んでいましたが、なかなかバラ売りしてくれないので、おいそれと買うわけにはいきません。これが日本のスーパーなら、4分の1くらいで切り売りしてるんでしょうけど。
さて、今日の夕ご飯はトンガ人からもらったパホロ (Paholo)。とても柔らかく、お年寄りに好まれるのだとか。確かにすりおろしはかなり水分豊富。生で食べるとややシャリシャリ感があり、ちょっとグレードは落ちるかなといったところ。
いつものように焼いてみましたが、ひっくり返すとき大失敗 (最後の写真)。やはり柔らかかったです。甘みはほどほど、くせもなく食べやすいので、確かにお年寄りにはいいのかな、なんて思いました。今のところまだカホカホが一番かな。
ウフィレイ
トンガ最北端の島、ニウアトプタプ原産で、首都のトンガ人にも美味しいと評判のヤムイモ「ウフィレイ」をようやく買うことができました。英語名は Sweet Yam。なんとも期待が高まります。
ワクワクしながらすりおろしてみると、これはもうすぐに違いが分かりました。ネバネバがすごい。すごすぎます。水分が少なく、すりおろし器に貼りつくようです。すりおろすのが大変なほど。
容器にうつそうとしても、へばりついて簡単には出てきません。これまでで一番粘りが強いと思ったボリとはまた次元が違うネバネバ。まるでトリモチ。
これは生でいただくしかありません。もちろん、とろろ蕎麦に決定。ということでできあがったのが写真の一杯。美味しかったです。自然の甘みが感じられました。
なお、とろろには醤油を混ぜていますが、それにしてもちょっと色が赤茶色ですよね。実はすりおろした側から変色していきました。たぶん味に影響はないと思いますが。
レモンとか混ぜたら変色は止まるのかな。次はマグロを買ってきて山かけにしようかな。夢はふくらむ。ちなみに購入はババウのマーケット。ひと山3個で3パアンガ (150円) でした。
フィジーで初とろろ
フィジーの首都スバはトンガとくらべたらかなりの都会です。生活環境も圧倒的にスバのほうが整っています。とくに中央市場の野菜の豊富さは、種類も鮮度も売り場面積もトンガのウン十倍。トンガに勝ち目はありません。
ただし、トンガのほうが圧倒的に優れている点があります。それはウフィ (ヤムイモ、山芋)。なぜかスバのマーケットにはウフィがほとんどありません。ここにあるのはキャッサバとタロイモばかり。どこを見てもキャッサバとタロイモだらけ。
味で言ったらだんぜんウフィのほうが上等、つまり高く売れるはずなのに。ただ、フィジーの土壌では栽培が難しいとか、フィジー人の嗜好に合わないとか、きっと理由はあるのでしょう。季節もあるのかも。トンガは一年中あったように思いますが。
今日もマーケットをていねいに見て回って、見つけたウフィは2種類のみ。紫のは1人、もう1種類も5人くらいがあつかっているだけという少なさ。トンガのマーケットではざっと見渡しただけで常に5、6種類のウフィがあったのに。トンガですっかりウフィ好きになった身としては、はなはだ寂しいかぎりです。すごく楽しみにして赴任したのになあ。ともあれ、今日はフィジーで初めてウフィを買いました (下の写真のもの)。夕方、日本から持ってきたおろし器でスリスリ。実はこの白っぽいウフィ、トンガにはなかったように思います。むしろ日本のスーパーで売っているものに近いですね、見た目は。すりおろしてみると、とにかくその粘りときたら!しかも舌触りがとってもなめらか。これ、喉ごしは柔らかいお餅です、まるで。
手にした感じはすごくみずみずしかったので、すったらちょっと水っぽいかなと不安がありましたが、そんなことは全然! ちょっと甘みにかけるきらいがありますが、渋みもえぐみもなくとても食べやすい。これは火を通しても美味しいと思います。明日はお好み焼きにしよう。
フィジーのヤムイモ食べくらべ
先日スバのマーケットに行って、やっぱりフィジーのウフィ(ヤムイモ=山芋)も美味しいことがわかったので、今週はさらにディープに食べくらべ。
まず、これまでと違って、今日は今までで一番たくさんウフィを見ました。あ、ウフィ (Ufi) と言っていますがこれはトンガ語ですね。フィジー語ではウビ (Uvi)。今日は市場をぐるっと歩きまわって、なんと4種類のヤムイモを見つけました。もちろんすべて購入。
写真、向かって左からウビ・タニエラ(Taniela)、ウビ・ロカロカ(Lokaloka)、ウビ・ティボリ(Tivoli)、ウビ・ロバ(Rova)。おいしそー!テンションあがるー! ちなみに普通はひと山5フィジードル(260円)くらいで売っていますが無理やりバラ売りしてもらいました。トンガより大きさも値段もかなり下ですね。さてさてお味の方は。
■タニエラ:1個5ドル
見た目は黒っぽくてずんぐりで頭の方も平べったい。頭にチョロチョロっと根っこをつけてよく売られています。中身は白くややきめが粗い。水分がとんで引きしまっている感じだけれど、もともとそういう種類なのかたまたま買ったコレが古いのかはわかりません。
すりおろすとじわじわと茶色くなりますがそんなに急ではありません。水分は少なめで粘り気はバツグン。とろろの味は野趣に富んでいて、4つの中では一番山芋らしかった。揚げパンにするとますます山芋らしさが味わえます。ソースでもおしょう油でもイケる感じ。
■ロカロカ:1個3ドル
見た目は普通。実はいろんな形があるのでパッと見てロカロカだとわからないこともありそうです。しかし中身は衝撃のムラサキ!!しかもこの超鮮やかな紫色は空気に触れてもぜんぜん変色せずずっときれいな色を保っています。なのでとろろがまた衝撃的なビジュアル。
粘り気も十分あって、なんだか不思議な気分で口に入れると、4つの中では明らかに甘い。サツマイモの甘さみたい。なかなか美味しいです。揚げパンにしても美味しかったな。でも生のほうが "らしさ" は味わえるかも。人生で一度は食べたいですね、紫色のとろろ!
■ティボリ:1個2ドル
見た目は全体にたくさんヒゲがついてます。スバのマーケットではたぶんティボリが一番売られていて、ティボリだけはちゃんとティボリと値札に書かれているので、フィジー人の好物なのかもしれません。すりおろすと他のにくらべたらやや水っぽいのですが、粘り気は十分。
たまたまなのかこの種類の特徴なのかわかりませんが、とろろで食べたらいい意味で少し青っぽくて、クルミのような風味がありました。美味しい。変色せず白いままなのもいいですね。揚げパンにしてもなかなか美味しかった。どんな食べ方でもバランスいいと思います。次も買うならこれかな。
■ロバ:1個2ドル
見た目が白っぽくて日本で売っている山芋に近いです。だいぶ太いですけど。ちなみに持って帰ってくる途中で袋が切れて地面に落ちポキッと折れてしまいました (涙)。芋なのに簡単に折れるところは、それだけ中身もシャキシャキ感があるということ。
とろろにするとやや水っぽいけれどやはり粘り気は十分。少し変色しますが舌触りは一番なめらかで、味はクセがなく上品。その分山芋の野趣はうすいとも言えますが、とても食べやすいです。揚げパンにしてもソースよりおしょう油が合います。和風な味。日本人ならこれを選べば正解。ちなみに、揚げパンの作り方は、とろろに天ぷら粉をまぜて揚げるだけ。長めに揚げるとまさにパンのようですが、早めに取り出すと外はカリッ、中はモッチリ。今回はあえて下味はつけずに、ソースとおしょう油でいただきました。大満足。
フィジーでヤムイモ三昧
スバのマーケットで買ったウビ (ヤムイモ) 4種。1回では到底食べきれず、前日に続いてまた今日もヤムイモ祭。もうお腹いっぱいです。
■二色とろろ丼
ロカロカ (紫) のとろろはやはり見た目のインパクトがすごいですね。色を損なわないよう、田丸屋のわさび塩で味付けしました。上にちょこんとわさびを乗せてみたところ、ん?紫と緑?ハッ!エヴァ!ATフィールドも突破される衝撃のビジュアル。
もうひとつのとろっとしたのはロバ。こちらは蕎麦つゆで味付け。口当たりは特になめらかで、主張し過ぎない上品さが持ち味です。ちりめん山椒がまたぴったりでした。
■ウビ天とろろ丼
とろろの方は粘り気が強く味も濃厚なタニエラを蕎麦つゆで味付けし、ちりめん山椒をまぜました。ロバよりも味わいが深く、食べごたえ十分。天ぷら (揚げパン風) はロバを使いました。天ぷら粉を水でといて、同量のとろろをまぜまぜ。カラッと揚げると外側はサクッ、中はモッチリ。ソースをつけてがっつりいただきました。あー、満腹。