A Dog's World 

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タイバーン×BNK48(タイ映画)

「タイバーン×BNK48 (Thibaan x BNK48)」は2020年1月に公開されたタイのコメディ映画です。BNK48から8人 (モバイル、ナムヌン、ケーオ、ヌーイ、プーペ、ターワン、カイムック、ナムサイ) が本人役で登場。この映画ではBNK48は彼女たちだけという設定のようです。だいぶ人数を絞っていますが、さらにこの中でも目立っていたのは新曲を任されるモバイル、伴奏で先生を助けるケーオ、そしてまとめ役のヌーイくらいだったかなと。

実はもともとあったイサーン (タイ東北部) を舞台にしたロマンチックコメディ映画「タイバーン・ザ・シリーズ」の世界観にBNK48が入って作られたコラボ作品で、このシリーズを知っているとより楽しめる感じ。というか知らないとハテナマークが浮かぶこと必至です。なんであの間寛平さんみたいなオカッパ頭の青年とあんな美人たちがカップルや友人 (以上恋人未満) なんだと思って観ていましたが、後でそういう地続きのストーリーラインがあることを知って一応納得。

物語は、BNK48の次の曲をルークトゥンやモーラム (タイの大衆歌謡、民謡、田舎歌) のような曲調にするため、秘密裏にメンバー8人をイサーンのシーサケート県の田舎町に送るところから始まります。同行するのはバンコク在住のイサーン出身ソングライター (オカマ先生)、現地で面倒を見るのはオカマ先生の地元の友人 (オカッパ頭)。田舎の環境に面食らいながらも、レッスン生活をスタートするメンバーたち。

最初はオカマ先生の言うことが理解できないメンバーたちでしたが、それもだんだんわかるようになり、田舎の良さにも気づいていきます。オカッパ頭の恋人や弟、謎のくじら先生も巻き込んで泣き笑いのにぎやかな生活を続けた結果、新曲も心をこめて歌うことができるようになりました。そして物語は急転、意外な結末を迎えます。AKBグループという意味ではそういうのもあり得るなと、変なリアル感がありました。

映画は総じて面白かったです。ことさら美しい田園風景ではない、ごく普通の、何もない田舎の感じが良かった。映画はタイ人にもウケたと聞きますが (イサーン方言の面白さもあったのかなと、自分はそのニュアンスはわかりませんでしたが)、何より映画の挿入歌 "ドーディドン (Doddidong)" がYouTubeでものすごい数で視聴されています。発表から1年経った現在の視聴回数はなんと1億4000万回。3年前の恋チュン/タイ語版 (1億8000万回視聴) はさすがにモンスター楽曲なので異例としても、それを除けば他のBNK表題曲とは桁違いの人気です。

でも、映画の中でドーディドンは完成された楽曲としては披露されていません。というかルークトゥンのさわりとしてオカマ先生が口ずさんだくらいで、その時もメンバーはぜんぜんついてこれず。また、BNK48の新曲として作られた "心の底から (From the heart of this young woman)" という歌も、YouTubeで視聴できます (実際には2曲ともタイ語のタイトルのみ)。ドーディドンがこてこてのタイ歌謡、心の底からはしっとりしたバラードです。こちらもいい曲。

自分は本作を観るまでドーディドンの楽曲の良さがまったくわからなかったのですが、今となってはくり返し聴く毎日です。なぜこの路線 (タイオリジナル) で表題曲を出さないのかと、グループの戦略に不満をおぼえるほど (いま最新の表題曲がワロタピーポー/タイ語版・・・)。AKBのコピーもいいですが (メンバーもそれに憧れてアイドルになったのだと思うし)、今後は是非こういうのもやってほしいです。

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なお、BNK48メンバーだとこれまで映画の出演作を観たチャープラン (ホームステイ) とオーン (App War) くらいしか顔をはっきり認識していませんでしたが、今作で活躍した3人もちゃんとわかるようになりました。でもサポートで出ていた女優の方が演技も顔もよかったかなとか思ってしまったり。タイバンー・ザ・シリーズから出ているその女優が下の2人 (右肩:Thanwaporn Nasombat/ケーオ役、左肩:Siriamol Onkoon/ワーン役)。本当になぜこのオカッパ頭 (Nattawut Sanyabut/ロート役) がこんなにモテモテなのか。。

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