「Cat a Wabb」は2015年のタイのロマンチックコメディ映画です。インターンとしてCM制作会社に入ったメイヨーと、ハンサムな助監督モーの恋愛模様を、猫を使ったCM撮影とドタバタコメディを通じて描いた作品。
ストーリーは陳腐でキャラクターは薄っぺらく、コメディパートも (自分の感覚では) なかなか笑いにつながらず、真面目に批評すれば映画の出来としては100点満点中30点くらいかなと思います。
なので、これはただひたすら、メイヨーを演じる Pimchanok Luevisadpaibul (Baifern) を鑑賞すべき映画であり、その点においては十分及第点です。ゆるいソバージュ (毛量多め) もBaifernにしては珍しい髪型。
あとはCMに使われる猫たち。CMクライアントの日系企業社長 (ヤクザ) が、彼ご自慢の愛猫をCMに使うよう注文するのですが、どの猫も頑として演技をしないのが最高です。
爽やかイケメンのモーが裸になって相撲のまわしを締めたり突然ギターで下手な歌を歌いだしたり、また全編にゆるいギャグが散りばめられているので、タイ人の笑いのツボを知るにはいいかもしれません。
残念なのは、せっかくのコメディ映画なのに、Baifernがコメディエンヌを演じていないこと。コメディパートは周囲の面々が担っています。メイヨーはインターンのくせに最初から仕事そっちのけで、ただモーにデレているだけです。
映画中、最大の事件はヤクザの猫の逃亡。申し訳程度にモーの元カノも登場しますが、いずれもまったくハラハラすることもなく、予定調和のまま猫のCMは完成するし、二人の恋も成就した感じで終わります。
文句ばかり書きましたが、頭を空っぽにしてタイコメディを楽しみたいならアリですし、Baifernファンにはありがたい映画です。あと猫好きにも。日本人が終始小バカにされていることには目をつぶりましょう。