ワット・トリートッサテープ (Wat Tri Thotsathep) はラーマ4世の時代に建てられた第三級王室寺院です。建設にあたっていた王子2名が相次いで (1862年、1867年) 亡くなり、最後はラーマ4世自身が完成にこぎつけました。3名のリレーで作られたことから名前に "Tri" が入っているのだそうです。
このお寺、最初は近くを散歩していたときに偶然見つけ立ち寄りましたが、お堂のある敷地には入れず。その後も近くを通るたび立ち寄ってみましたが、いつも鍵がかかっていて入れませんでした。行くたびお葬式をやっていたので、式がある時は入れないのかなくらいに思っていましたが、今回、4回めにしてようやくお堂の中を見学することができました。
そして、お堂に一歩入って驚きました。タイ政府認定ナショナルアーティストであるチャカパン氏 (Chakrabhand Posayakrit) により描かれたお堂の壁画はなかなかの衝撃作。タイのお寺の壁画は聖(天界の仏など)から俗(当時の社会風俗など)まで多種多様ですが、ここがとりわけすごいのは、異形のものの造形と生々しい地獄の描写、そして執拗とも言える圧倒的な描き込み量。
地獄絵図は子供が見たら寝るとき思い出して夜泣きしそうなレベル。ただ、たしかにグロいけれど、意外とポップで色鮮やかなためつい見入ってしまうのも確か。生首が流れる川のおぞましくも美しい様は必見。どんなストーリーかわかりませんが、外国人を含む群衆も描かれていて、それがまた緻密で生き生きとしていて素晴らしかったです。傑作。
※コチラにもう少し壁画を載せてあります。