ベトナム料理はどれも美味しいのですが、カレーっぽいものがありません。最近ずっとカレーのことを考えていたら、久しぶりにラクサが食べたくなりました。
探してみるとハノイにもいくつかお店があります。たまたまアパートの近くにシンガポール料理店 (SING Resto: Map) があったので、とりあえずそこに行ってみることに。

メニューはオールベトナム語でしたが、まあラクサは "Laksa" だろうと隅々チェック、しかし残念ながら見当たらず、代わりにトムヤムヌードルをオーダー。
あとはお粥も。店員さんは親切で、こちらがベトナム語がからっきしなのを察知して、すかさずスマホを取り出しGoogle翻訳でコミュニケーションを図ってくれました。
ただ、翻訳結果をハングルにしていたので、「ニャッバン (Nhật Bản/日本)」と何度か伝えてみたのですが、最後まで通じずハングルのままでした。
自分の発音も悪かっただろうし、向こうも一度思い込んだら、たとえ現地語 (っぽい単語) を耳にしたとしても、意味は入ってこないでしょうね。経験上よくあることです。
まあトムヤムヌードルとお粥はちゃんと来たので問題なし。想定外だったのは、鉄鍋でグツグツ煮えたぎったおかずがお粥に付いてきたこと。
メニュー写真はお粥単体でしか載っていなかったので、会話がすれ違ううちにこれも頼むことになったんだろうなと、半ば諦めモード (お粥にはデフォルトな気も)。
でも逆に、この未知なる遭遇に期待しながら、マジマジと鉄鍋を観察。すると・・・「ん?これは!?」
そう、これ、どう見てもカエルだったんです。東南アジアではよくある食材ですし、フレンチでも使われます。
その昔、中東時代にフレンチレストランでお洒落なカエルソテーを食べて以来、久しぶりに目にしました。
タイで一度カエルのバクテーを頼もうとしたことがありましたが、その時は在庫がなく諦めたので、ある意味待望のカエルでした。(⇒関連過去記事)



トムヤムヌードルのお肉も同じでした。トムヤムクン (クン=海老) ではなく、トムヤム蛙だなと考えると、ふと「トムヤムケロ」を思い出しました (⇒コチラ)。
ちゃんと看板を読めば (単語の意味を調べれば)、自明の理でした。Cháo Ếch (チャオ・エック) のチャオはお粥と知っていましたが、エックがカエルです。
カエル粥はシンガポールで定番の人気メニューだそうです。カエルを甘辛い醤油や生姜・葱で土鍋煮込みにし、白粥に合わせて食べるローカルグルメ。
ハノイでも市場で生きたカエルを売っていますから、こちらでは普通に食べられている食材です。家庭で調理するものなのか、こうしたカエルを買うのは業者なのかは不明。

ふだん薄味のベトナム料理ばかり食べているので、お酒が効いた濃いめの甘辛い醤油味のお肉は、殊の外美味しかったです。
カエルのお肉は臭みもなくシコシコ食感。とくにもも肉は鶏肉の上位互換の趣がありました。骨から外してお肉だけ食べたら、誰もカエルとは思わない上品な味わいです。
ただし、トムヤムヌードルに入っていた皮を揚げたやつは、イメージ先行で正直ちょっと抵抗感がありました。
鮭の皮を揚げたのは好きだし、カエルの皮もカリカリの時はまだいけましたが、しばらくスープを吸ってプルプルになってくると、つい心理的バリアーが発動。
期待していたラクサは食べられなかったですが、トムヤム自体久しぶりだったので、お粥ともども美味しくいただきました。
帰りにレジで支払いをする時、よく見たらカエルの人形がたくさん置いてありましたから、そういうお店なんだというシグナルは、ちゃんと発信されていたわけです。


思いもよらず口にしたカエル、結果的にカエルの美味しさをあらためて知ることができたのは、大きな収穫でした。