A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

タイ vs. ベトナム:ハーブの使い方の違い

ベトナム料理を食べるようになって、あらためてタイ料理のことを思い出す時間が多くなりました。とくにハーブ。

どちらも東南アジアを代表する「ハーブ大国」ですが、実際の使い方にはかなり違いがあります。

基本的な違い

タイ料理:香りを料理に練り込む
・ハーブそのものが料理の味の中心になることが多い
・香りの強いハーブやスパイスを積極的に加熱調理する
・「複雑で力強い香り」を作る
・カレーや炒め物にも大量に使用

ベトナム料理:香りを後から添える
・ハーブは料理本体を引き立てる脇役的存在
・生のまま食卓に出し、食べる人が調整する
・「爽やかさや清涼感」を加える
・スープや米麺料理と一緒に食べることが多い

タイ料理の特徴

代表例はトムヤムクンやグリーンカレーなど、よく使われるハーブは:
・タクライ (レモングラス)
・バイマックルー (コブミカンの葉)
・カー (タイ生姜)
・ガパオ (ホーリーバジル)
・ホーラバー (タイバジル)
・パクチー (コリアンダー)

たとえばトムヤムクンでは、レモングラス・コブミカンの葉・タイ生姜を煮込んで香りをスープに移します。つまりハーブは出汁のような役割も果たしています。

タイハーブの筆頭パクチーは、根っこは鍋料理などのタレ (ナムチム) に使われますが、パクチーの葉自体はでき上がった料理に「あと乗せ」が多いです。

ベトナム料理の特徴

代表例はフォー、ブンチャー、バインセオなど、よく使われるハーブは:
・ザウムイ (コリアンダー/パクチー)
・ザウムイタウ (ノコギリコリアンダー)
・ザウザム (ベトナムコリアンダー)
・フンクエ (タイバジル)
・キンゾイ (青じそ系)
・ティアトー(赤しそ系)
・ザウティラー (ディル) ※特にハノイの魚料理
・ザウズィップカー (rau diếp cá ドクダミ)

特徴的なのは、料理と一緒に大量の生ハーブが別皿で提供されること。フォーなら好みに応じて入れ、バインセオなら葉野菜とともにライスペーパーで包んでいただきます。

意外とパクチーは少ない印象。下の写真のようにパクチーが前面に出ている料理 (というかお店) は珍しい方だと思います。パクチーはもっとムシャムシャ食べたい派です。

まとめ:タイ料理の思い出

上の写真の比較のように。タイ料理は調理人が香りを完成させて提供しますが、ベトナム料理は食べる人がハーブを足して味を完成させる、ということが言えます。

これはベトナム料理の大きな特徴だと思いますし、特にバインセオやブンチャーなどは、むしろハーブを食べるための料理と言っても大げさではありません。

タイの4年間でたくさんハーブを食べたつもりでしたが、ベトナム料理とくらべたら、その種類・量・頻度において、意外と少なかったのかなと思ったり。

ベトナムは常に新鮮な生葉が出てくるので、なおさら食べた気になります。タイ料理は加熱されたものが多かったので、実際にはけっこうな量だったかもしれません。

自分が好きなタイ東北部 (イサーン) 料理は、タイ中部の中華系料理や、タイ南部のマレー系料理にくらべて、もっとずっとベトナム寄りだと思います。

イサーンはタイでもっともハーブをよく使う地域のひとつと言われます。ラープ、トムセープ、ナムトックなどは、ハーブが入っていてこそです。

レモングラスはヤムウンセンなどいろいろな料理に使われていました。中にはレモングラスまみれの料理も (下2枚め:エビとレモングラスのサラダ)。

イサーンの鍋料理チムチュムは、お肉ももちろんですが、野菜とハーブがないと始まらないイメージ。この点、タイスキとは似て非なるもの。

中華系タイ人の食文化から全国に広がったタイスキは、デフォルトではほとんどハーブはつきません (追加注文は可能)。セリはわりと最初からついてきたかも。

ああなんだかまたタイ料理が食べたくなってきた。ハノイにもタイレストランがあるので、今度行ってみようかな。