これまで自分が各国で食べたカレー料理を、昨年コチラでまとめました。そこにも書きましたが、ウズベキスタン料理にはカレーに相当するものがなかったんですよね。
何を食べても美味しいウズベキスタン料理でしたが、そこだけは不満でした。代わりに、インド料理屋はもちろん、アフガニスタン料理屋でもカレーを楽しみました。
アフガニスタンとウズベキスタンは国境を接しています。インドからアフガンにカレーが伝わったのなら、なぜあとひとつ北まで来なかったのでしょう。残念。
こんな時は最近、ChatGPTによくたずねています。そして、なんだかもっともな回答が返ってきました。
■最交易ルートの違い
アフガニスタンまで「カレー圏」が届いた理由は、アフガニスタンは「インド亜大陸-ペルシャ-中東」を結ぶ要衝であること、ムガル帝国 (インド系イスラム王朝) の影響が強く、インド式スパイス料理が宮廷料理として定着したことがあげられます。インドの料理文化が西へ流れ込む最後の地点がアフガニスタンでした。
ウズベキスタンは別ルートです。ウズベキスタンはシルクロード (東西交易) の中心地で、交易品の主役は絹・馬・金属・穀物であり、香辛料は副次的なものでした。結果、香辛料そのものが料理文化の主役にならなかったわけです。
■食文化の軸の違い
インド〜アフガニスタンの食文化の主軸は「香辛料✕煮込み✕米」、油脂はギーや植物油、香りで味を作る文化です。
ウズベキスタンの主軸は「肉 (羊)✕穀物✕塩」、代表料理はプロフ (ピラフ)・シャシリク (串焼き)・ラグマン (小麦麺) などです。
香辛料はクミン・コリアンダー・黒胡椒がよく使われますが、これらは下味や臭み消しのためで、スパイスは主役ではなくあくまで脇役です。
■宗教・宮廷文化の違い
インド~アフガニスタンは宮廷料理が豪華に。スパイスは「権威・富・医学/アーユルヴェーダ) と結びつきます。
ウズベキスタンを含め中央アジアは「遊牧国家・軍事国家」であり、料理に求められたものは腹持ち・保存性・移動耐性でした。こうした社会に複雑なスパイス調合は不向きとしか言えません。
■気候と保存技術
インド亜大陸は高温多湿のため、香辛料が防腐・防臭に必須でした。くらべてウズベキスタンは、乾燥していて寒暖差も大きいため、乾燥肉・塩蔵が有効でした (香辛料に頼る必要が小さい)。
■まとめ
・アフガニスタン:インド文化圏の最西端
・ウズベキスタン:遊牧✕シルクロード文化圏
香辛料が
・インド:料理の核
・中央アジア:補助
その結果
・カレー文化の断絶線がアフガニスタンとウズベキスタン (中央アジア) の間に生まれた
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タシケントのアフガニスタン料理店でいただいたチキンカレー、マトンカレー、ダルカレー。インドカレーよりスパイス感はあっさりめでした。これはこれで美味しかった。


