海外で暮らしていると、日本ではお目にかかれないような食べ物に出会うこともあってそこは嬉しいのですが、逆に日本なら普通に食べられるものがまったく見当たらなくて、ずっとモヤモヤを抱えるなんてことも多々。
モヤモヤの代表例はイスラム圏における豚肉。カタール、サウジアラビア、ヨルダン、エチオピア (半分はキリスト教) では、記憶の限り一度も豚肉を食べませんでした。そもそもどこにもなかったので。
同じイスラム圏でもエジプト、インドネシア、ウズベキスタンは、外国人向けレストラン、一部キリスト教地域、ロシア文化の影響などから、食べようと思えば豚肉が食べられましたし、自分も何度か口にすることがありました。
イスラム圏は羊肉 (とくにラム) が素晴らしく美味しいし、鶏肉・牛肉も普通に食べられるので、豚肉が食べたいなあとたまにはぼんやり考えましたが、禁断症状を感じるほどではありませんでした。
キノコ類も日本ではシメジ・マイタケ・シイタケ・ナメタケなどを頻繁に食べ、それこそ冷蔵庫に常備しています。頻度・量・種類を考えると、自分が海外で食べたキノコは本当に微々たるものです。タイではフクロタケとヒラタケ (オイスターマッシュルーム) をよく食べましたが。
さて、豚肉・キノコと同じく海外ではなかなか食べられないもの、それは魚卵です。国によっては魚卵料理・魚卵加工食品がないわけではありませんが、よく考えたら実は日本て世界的にもトップレベルで魚卵をよく食べる国なんじゃないかなと。
いくら・筋子・たらこ・明太子・数の子・とびこ・からすみ・子持ち昆布・子持ちししゃも・かにの卵・えびの卵・明太子スパ・タラモサラダなどなど、パッと思いつくだけでもこれだけありますし、どれも食べたことがあるものばかりです。
自分がたどってきたルートは中東⇒アフリカ⇒大洋州⇒東南アジア⇒中央アジア。サウジアラビアでは輸入食材のお店で何度かカスピ海産のキャビア (イラン製品) を食べました。当時でもけっこう値が張りましたが、正直いくらより美味しかったかも。

中東と言うか北アフリカ、地中海沿いの国では昔からからすみが作られています。自分はエジプトとチュニジアで買って食べました。これは美味しかったですね。ただ、エジプトのからすみは重金属汚染が云々と言って避ける人も、当時はいました (※20年前)。

魚卵ではありませんが、大洋州では市場でうにが売られていました。値段が安かったので時々買いましたが、日本のようにねっとり甘いものにはなかなか出会えず。生だとあまり美味しくなかったので、うにクリームパスタなんかにしていました。


インドネシアとタイでは、ローカル料理としての魚卵を食べたことはありません。タイは地域によってカイプラー (魚卵) をスープに入れたりしてよく食べるそうですが、自分は出会うことなく終わりました。
両国とも日本食屋がたくさんあったので、食べようと思えばいくらなんかはいつでも食べることができました (自分は未食)。お寿司はすでにポピュラーなファストフードになっていて、バンコクでは屋台でもお寿司がよく売られていました。とびこ軍艦も定番。

タイ人はサーモン大好きですが、とびこもなかなかの人気です。海鮮丼 (@タイ人経営のお寿司屋) にはよく載っていたし、コンビニおにぎりの具、そしてレーのポテトチップスのフレーバーにもなっていました (正確にはコンビニのとびこマヨネーズおにぎり味)。


昨年までいたウズベキスタンは、二重内陸国だし魚ましてや魚卵なんてきっと食べられないだろうと予想しつつ赴任したところ、意外とありました。アムダリヤという大河もあるし、もともとはアラル海で漁業も盛んでしたから (写真:ムイナックの市場の噴水モニュメント、カラカルパクスタンで食べた淡水魚のフライ)。


アラル海を擁するカラカルパクスタンには、ロシア文化に基づく独特の伝統料理がありました。「カルマ (Balyk Karma)」という、魚の白身と小麦またはソルガムのお粥といった料理 (写真)、そして魚卵のカツレツです。



ロシアでは魚のカツレツ (コトレータ) は人気の家庭料理だそう。これをさらに魚卵で作るなんて、なかなかの発想です。味わいはとにかくコッテリ濃厚、食べ応え十分な一品でした。美味しいけれど、調子に乗ってパクパク食べたら痛風になりそうですね。


ロシア語で魚卵をイクラと言います (ウズベク語も)。日本のいくらの語源ですが、ロシアでは鮭の卵だけでなく魚卵全般だそう。キャビアもそうですが魚卵はロシアおよびロシア文化圏ではおなじみの食材です。そんなに安くはなかったけれど、スーパーにもありました。


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そういえば去年、SNSで一瞬「タイ風サーモンサラダ」が流行りましたね。自分でも作ってみましたよ。生サーモン+とびこ+マヨネーズ+シラチャソース。うまうまー。
