A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ウズベキスタンの蕎麦の香り

これまで数え切れないほど日本蕎麦を食べてきました。しかし正直に言うと、蕎麦の香りをはっきり感じながら食べたことはありません。

香りが良いと言われる新蕎麦を食べても、心の中ではいつも「うーん・・・?」と疑問符が。

ならば蕎麦がきを食べようと、新蕎麦の蕎麦がきをいただきましたが、やはりここでも「あれ・・・?」と芳しくない反応。

率直に言って香りはわかりませんでした。言い訳させてもらうと、かかっている鰹節とネギの香りが強すぎました。味自体は甘くてもっちりしていて美味しかったですが。

自分は日本蕎麦の香りは一生わからないのかなと、絶望にも似た気持ちになったものです。かろうじて、濃いめの蕎麦湯なら。

そんな自分ですが、ウズベキスタンでは違ったんですよね。ウズベキスタンは蕎麦の実「グレチカ」を、お米感覚で食べる習慣があります。

ある日、社食で蕎麦の実を食べた時のこと。それは明らかに嗅いだことのある香り、蕎麦湯で感じた香りでした。しかし遥かに強い。

これぞ蕎麦の香りだと、目を見開きました。口に入れるとさらに香りが広がります。俄然、食欲がそそられました。

なんでこの香りが日本では感じられないのだろう。ウズベキスタンでは何度もグレチカを食べながら、ずっと頭の片隅に引っかかっていました。

ちなみに、グレチカをレストランで食べるなら「ビフシュテークス」がおすすめ。グレチカ (蕎麦の実)、グルチ (お米)、ピューレ (マッシュポテト) の上にカツレツ (ハンバーグ) と目玉焼きが載り、グレイビーソースがたっぷりかかった安くて美味しい料理です。

疑問を抱きつつ帰国し、また日本蕎麦をすすりながら「蕎麦の香りって・・・?」と首を傾げる日々が続きました。

しかしある日、とあるテレビ番組で蕎麦屋の店主が言っていました。「とくに細い蕎麦は香りなんてしない、喉越しだけ」

この一言は衝撃でした。そして納得。そうか、そうだったんだ。自分の感覚はあながち間違ってはいなかったのかも。

むしろ「新蕎麦の香りが~」などとしたり顔で言っている人の方が、大げさなのかもしれません。静岡ローカルのテレビで紹介されたお店にもいくつか行きましたけれど。

とは言いつつも、何かこのあたり深堀りする方法はないものかと考えました。そして思いついたのが、蕎麦の実の取り寄せ。もう直接食べようと。

ひとつは長野県産。しかし実が白いのが気になります。ウズベキスタンで食べたグレチカは茶色い薄皮がありました。スーパーでも売られていたのは茶色いもの。

きっとこの薄皮があるかないかが香りの強さに関係ありそうと考え、もうひとつ、ロシア産 (シベリア産) の茶色い (薄皮付きと思われる) 蕎麦の実も。

注文からほどなく両方とも届きました。さっそく香りを嗅いでみると、シベリア蕎麦はまさにウズベキスタンのグレチカの香りでした。香ばしく、若干クセありの匂い。

少し緑がかった白い実の長野蕎麦は、うーん、香りはかすかにあるような、ないような。本当にもう嗅覚が終わってるかも、自分。。。

それぞれ8分間茹でていただきましたが、自分は薄皮付きのシベリア蕎麦が好みでした。この香り、大好きです。(※注:次はシベリア7分、長野9分で茹でるつもり)

食味も懐かしい。食感があっさりめなのはウズベキスタンと同じ。塩でいただきましたが、いくらでもパクパクいけます。

長野蕎麦も味は良かったです。噛むと少し粘り気と甘みが出て、先日いただいた新蕎麦を思い出しました。

でも、蕎麦独特の香りはよくわかりませんでした。むしろ甘い香りと言った方がいいかも。こちらを好む人は多いでしょうね。

日本では薄皮を取り除いた白い実が一般的なんでしょうね。どちらが良い悪いではありませんが、日本産でもないのかな、薄皮付き。

なにはともあれ、蕎麦の香り問題、ようやく長年の疑問が解けそうです。次は薄皮込みの蕎麦粉 (挽きぐるみ) を食べてみよう、きっと香りがわかるはず。

実を言うと、お店でそうした蕎麦の食べ比べはしたこともありました(そして全然よくわかりませんでした)。今度は気持ちを新たに挑んでみます。