もともと甘いものが好きなので、週に何回かはコンビニに立ち寄りいろいろなスイーツを楽しんでいます。
本当に、日本のコンビニは最高です。和菓子も洋菓子もあるし、何を食べてもほとんどハズレがありません。
そんな状況にまったく不満はありませんが、ときどき思うのが、歯に染みるほどの激甘スイーツって、今の日本にはなかなかないなあと。
いつの間にか甘さ控えめがスタンダードになった日本。スイーツを食べているのに「甘くなくて (甘すぎなくて) 美味しい」なんてコメントがテレビでもあふれています。
「スイーツは甘ければ甘いほどいい」といった時代は、とおの昔に過ぎ去ったということなのでしょうか。
思えばアラブのスイーツは甘かったなあと、懐かしく思い出します。ウズベキスタンで食べたトルコ系スイーツも、しっかり甘くてなんだか嬉しくなりました。
アラビックスイーツ
アラブ地域は歴史的に砂糖・蜂蜜の交易が盛んで、「とにかく甘い」 のが最大の特徴です。シロップを染み込ませるお菓子が多く、保存性も高まります。
ナッツ類をよく使い、ピスタチオ・アーモンド・クルミなどが豊富。生地に練り込む、トッピングする、層に挟むなど使い方も多様です。
地域に根づく「香りの文化」を反映し、ローズウォーター ・オレンジブロッサムウォーター・カルダモンなど香り食材をよく使います。
クッキーやケーキ類の土台にはセモリナ粉・小麦粉・バターなどを使用。とくにラマダン明けのイードでは特有の菓子が家庭で大量に作られます。
■バクラバ
アラブ・トルコ・ギリシャで広く見られる、薄いパイ生地を多重に重ね、ピスタチオやクルミを挟み、蜂蜜・シロップをかけたスイーツ。
■クナーファ
極細の小麦麺やセモリナ生地を使い、中にチーズを入れて焼いた甘いスイーツ。熱々で食べるのが特徴。
■マアムール
イードの定番菓子で、デーツ・クルミ・ピスタチオなどを詰めた型押しクッキー。
■ウムアリ
薄いパイ生地やパン・ナッツ・レーズンなどをミルク・クリーム・砂糖と一緒にオーブンで焼き上げたもの。クリーミーな味わい。
■ムハッラビーヤ
ミルクと米粉またはコーンスターチで作るアラブのミルクプリン。ローズウォーターの香りが特徴。
以上がアラブの代表的なスイーツで、自分もよく食べました (でも写真がない)。ウズベキスタンで食べたトルコ系スイーツがほぼ同じものなので、写真はそちらで。
サウジアラビア時代にリヤドのモロッコレストランで食べたスイーツをいくつか紹介します。これも典型的なアラブのスイーツ。もちろん激甘。以下、過去記事から抜粋。
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■シェバキヤ
デザート盛り合わせ写真の真ん中にある茶色いクネクネしたお菓子。アラビア語を忠実に発音するとシャバキーヤ。「網状の」という意味どおりのクネクネした形です。
ゴマの香ばしさとハチミツの濃厚な甘い香りに加え、爽やかな花の芳香が感じられました。
柔らかめのかりんとうといった食感でかなり甘いのですが、香りが良いので 「これ何の匂いだっけ?」 と考えつつ食べていたらあっという間に3個なくなってしまいました。
しかしさすがにこの量はお店では食べきれず、シェバキヤの他に2、3個食べた他は包んでもらいテイクアウトしました。
ナッツの粉を砂糖で練ったような焼き菓子が多く、甘かったですが渋茶と一緒に美味しくいただきました。
甘い粉を固めたお菓子 (マアムール) もありましたが、表を別生地で包んでいるので、リヤドの極めて乾燥した環境でも中身のしっとり感が損なわれていませんでした。

■ムハンシャ
モロッコ方言でヘビの意味 (アラビア語では他にもサアバーン、ハイヤ、アフアー、ハナシュ)。形を見れば一目瞭然ですね。
お店で食べた時は中身はココナッツかなと思いましたが、家に戻ってネットで調べてみたら、アーモンドの粉を砂糖や香辛料と一緒に練ったものだそうです。
細長いヒモ状で外はパイ生地。蚊取り線香のように巻いて油で揚げた後、ハチミツにひたしてアーモンドをふりかければ出来上がり。これも花の香りが効いていました。
食感はネットリして重くかなり甘いのですが、アーモンドとハチミツと花の香りにそそられて一気に半分食べてしまいました。結局そこでギブアップしましたが。

■クテファ/ジャウハラ
薄い生地を揚げて層状に重ねたデザート。サクサクした層の間にはトーストしたアーモンドパウダーまたは刻みアーモンドと砂糖を混ぜ合わせたものが挟まれ、オレンジブロッサムウォーターで風味付けしたカスタードクリームをかけて提供されます。
上のふたつと同じお店。さんざん激甘スイーツを食べた後だったので、これは意外にも甘さ控えめと思ってしまいました。揚げた薄生地の香ばしく軽い食感と、適度に甘い (激甘すぎず控えめすぎず) のが良かったです。モロッコ菓子の中では一番好きかも。

■フラワーウォーター
後日、気になってスーパーに行きまずローズウォーターを手に取ってクンクンしてみると、あの時嗅いだシェバキヤの匂いとはちょっと違う感じ (フタ越しなのでよくわからない)。
隣にあったオレンジブロッサムウォーターと、せっかくなので初めて見た Kewra (パンダナス) ウォーターと合わせて3本買ってきてあらためて匂いをくらべてみたところ、やはりシェバキヤの香りはオレンジだったろうという結論になりました。
一番安いの (どれも1本130円/レバノン製) を買ってきたせいかあまり上等な匂いはしませんが、寝る前に枕元にまいたりしました。ローズウォーターはアラブではおなじみ。日本でも昭和の時代に薔薇ガムなんてのがありましたが、あの匂いです。
オレンジブロッサムウォーターはその名の通りオレンジの実ではなく花の方の香り。Kewra ウォーターは何日か前に食べたインド料理屋のデザートもこんな匂いでした。お香に少しフルーティーな酸味を加えた感じで、バンコクのお寺を思い出しました。

トルコスイーツ@ウズベキスタン
世界三大料理と称されることもあるトルコ料理 (あとは中華料理とフランス料理)。14世紀から20世紀の初めまで、オスマン帝国として地中海周辺を支配していたため、地域の料理と影響し合い、独特の発展を遂げました。
言語や文化などトルコから影響を受けたウズベキスタンには、トルコレストランがたくさんあります。個人的には、トルコ料理はウズベキスタン料理の上位互換といったイメージを持っていますが、スイーツについても、くらべればどこか洗練されているように感じます。
一方で、トルコスイーツはアラブ料理のスイーツとも共通点があり、「とにかく甘い」というイメージが刷り込まれているため、ウズベキスタンではそれまでまともに食べてきませんでしたが、ある日意を決してあれこれ食べてみることに。
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タシケントのトルコスイーツ専門店「メルハバ」。シロップが染み込んだしっとり甘いパイ「バクラヴァ」がメイン。ひとつ1.5万スム/180円~3.5万スム/420円。高いのはもうプロフやラグマンの値段なので、ついコスパが気になってしまいます。もっとも、日本でもひとつ500円とか800円のケーキを買ったりしますからね。スイーツは仕方ない。
高いだけあって、高級感はあると思います。ピスタチオなど材料のクオリティも高そうだし、甘さもバカみたいに激甘ではありません。何よりその香り。たぶんフラワーウォーター、おそらくオレンジブロッサムウォーターとか使っているのかなと。
アラブのお菓子もちゃんとしたお店だと花の香りがついていたので、頭では高級感を理解できるものの、ただ、甘いお菓子に花の香りって、日本人にはあまり馴染みがないものです。それがイコール美味しいとは、なかなかつながらないんですよね。




タシケントのトルコレストラン「イスタンブール」はスイーツも多彩 (メニュー写真参照)。ここでは「キュネフェ (アラブ風に言うとクナーファ)」をいただきました。熱々の器に載せられ、フォークですくうとビヨーンとチーズがのびる、のびる。
これは美味しかった。外はカリカリ、中トロトロ。でもカロリー爆弾だな、きっと。値段は高めな分 (5万6000スム/672円)、量はたっぷり。ご飯の後のデザートとして、一人で食べ切るのは大変かも。トルココーヒーと一緒にいただきました。



何度かお昼を食べに行ったお店「イスケンデル」で、この時はライスプディング「ストラッチ (スュトラッチ)」をいただきました。アラブのムハッラビーヤに相当するのかな。ひとつ2万スム/240円でボリュームも多いし、ミルク感があって甘さ控えめなので、トルコスイーツの中では個人的に一番好きでした。渋い紅茶と一緒にいただくと絶妙に美味しさアップ。


タシケントを訪れるツーリストに人気のウズベキスタン料理のお店「アンジール」。レジ前でいつもスイーツがたくさん売られています。見た目はトルコスイーツ (バクラヴァ) ですが、ローカライズされもはやウズベクスイーツなのかもしれません。
上記メルハバの本格的なバクラヴァにくらべたら、花の香りとか高級感はなし、甘さはしっかり、値段はだいぶ安め (半額くらい)。なので買いやすく食べやすいと思いました。自分はこれくらいがちょうどいいです。



