A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

デーツ食べくらべ(編集再録)

12月2日は「デー (December) ツ (2) の日」だそうです。オタフクソースの材料にデーツが使われているということはだいぶ前に聞いていましたが、そのオタフクソース株式会社が記念日を制定し、2020年に日本記念日協会により認定されたそうです。

自分は中東・イスラム圏に長くいたので、デーツはこれまでたくさん食べてきました。日本にいる時は現地で買ったものを細々と食いつないでいましたが、昨今は日本でも輸入食品や自然食品のお店でわりと普通に見かけるように。

次の写真は先月、サウジアラビア時代の知人に会った際いただいたデーツ。東京で買ってきたそうですが、自分が一番好きなアジュワ (Ajwa) という品種でした。甘さも強いですが、とても滋味深い甘さなんですよね。

デーツとアラビア遊牧民

デーツ (Date Palm/ナツメヤシ) はアラビア遊牧民にとってなくてはならない植物です。デーツの木は20~30mまで成長し、8年目から実をつけはじめ、30年で成木になります。寿命は100年程度。1房に200~1000個の実をつけ、1本の木で年間200kg以上の実を産出するものもあります。

果肉の部分には、約58%の糖分とそれぞれ2%の脂肪、タンパク質、ミネラルが含まれます。大切な栄養素はほとんど含まれていると言われているように、昔のベドウィンはデーツとミルク (ヒツジorラクダ) さえあれば生きていけたそうです。栄養満点なので、産後の肥立ちにも良いのだとか。

また、デーツの葉と葉柄はかごや枝編み細工、バッグやマットの材料となります。繊維からはロープがつくられたり、コーヒーポットの注ぎ口に詰めてフィルターの代わりにもなります。アラビア遊牧民はデーツがあったからこそ、砂漠地域でずっと暮らしてこれたのです。

サウジアラビアの美味しいデーツ8種

中東・イスラム圏ばかりでなく、欧米やアジアなど世界市場に広く出回るようになったデーツ。"Taste Ttlas" に「サウジアラビア原産でもっとも美味しいデーツ8種」という投稿がありました。

自分もこれまでいろいろな品種を食べていますが、各デーツの説明を読んでみると、その味の描写が、やはりなかなか大変そうだなと。どれも基本は「甘い」ですからね。

以下、英文を翻訳してみました。次にデーツを買う時の参考になれば。さすがにサウジアラビアに行く人は少ないでしょうが、先に書いたように今はアジュワが東京で買えるんですから、本当にいい世の中になったものです。

アジュワ (Ajwa)
メディナの伝統的な品種。色は濃い茶色からほぼ黒色。食感はやや乾燥していて柔らかく、噛み応えがあり、フレーバーはプルーンに似ていてシナモン、キャラメル、蜂蜜の香りを伴う甘い味。

アルバカヤ (Al-Bakaya)
高く堂々とした姿で知られる希少なナツメヤシ。実は傷みやすく、扱いが難しい。独特の風味と高い甘味で知られる。

サファウィ (Safawi)
メディナの伝統的な品種。しわの寄ったデーツは深い黒色で、大きさは中程度から大粒まで。 食感は柔らかく、しっとり・もっちりしていて、味は甘い。

ハラス (Khalas)
中東、特にアラビア湾岸諸国で高く評価されている高級デーツ。独特の甘い風味と濃厚でクリーミーな食感で知られる。中くらいの大きさで、熟すと黄金色から濃い茶色までさまざまな色になる。果肉は柔らかくしっとりしているため、そのまま食べるだけでなく、デザートや伝統的な料理に利用される。

サガイー (Sagai)
アラビア半島原産の伝統的な品種。特にサウジアラビアで人気がある。ツートンカラーの先端は金色で乾燥しており、茶色い部分は柔らかい。乾燥部分はカリカリした食感で、ほんのり甘い。

フドゥリー (Khudri)
サウジアラビア原産の伝統的な品種。他の品種より安価で、色は濃い茶色、皮にしわのある円筒形。 サイズは中型から大粒まで。食感は噛み応えがあり、風味はキャラメルの風味を伴う適度な甘さ。

マブルーム (Mabroom)
サウジアラビア原産の伝統的な品種。形は細長く、薄赤から赤銅色の皮を持ち、粘りのあるキャンディーのような食感。冷蔵庫から出してすぐではなく、常温で楽しむのがおすすめ。ほんのり甘く滑らかで心地よい味わいで、トフィーの香りが長く残る。

スッカリー (Sukkary)
カシームの伝統的な品種。デーツの中でも最も甘く柔らかい品種のひとつで、口の中でとろけるような柔らかさと言われることが多い。色は黄金色で、味は甘くてジューシー。ドライタイプにも。

サウジアラビアのデーツ食べくらべ

リヤドに住んでいた時、満を持してデーツの食べくらべをしました。サウジアラビアはデーツの本場だけあって、スーパーでも様々な品種がお手頃価格で売られています。

近所のカルフールで、店頭に並んでいたものをすべて買ってきました。ラマダン中だったので普段より品揃えは豊富だったかもしれません。

買ったのはパック詰めされた完熟デーツ5種と (スッカリーは写真撮り忘れ)、箱詰めされた乾燥デーツ4種。

さあどんな味だろうと興味深く食べ始めましたが、当たり前ですが基本は「甘い」のひと言に尽きます。

いざその味を表現しようと思うと、自分の感性とボキャブラリーではなかなか違いを言い表せません。

味は確かに違うのですが、それを人に伝えるとなるととても難しい作業だということを、この時は痛感しました。

まずは完熟デーツから。
ハラス (720円/kg)

黒いハチミツのような味。こめかみがしびれるほど強烈な甘さ。柔らかい。小粒。

スッカリー (540円/kg)
輪郭がはっきりした甘味。相当甘いがフルーティーで後味が軽くすっきりした甘さ。白くてカリカリになったところがとくにおいしい。

セガイー (360円/kg)
黒糖のようなおだやかな甘さ。やや固め。もっさりしていて粘度は高い。深い滋味。

フドゥリー (300円/kg)
上記にくらべたらだいぶ甘さ控えめ。プリンのカラメルみたいな味。苦いとまではいかないが、そんな後味あり。

レズィーズィー (300円/kg)
フドゥリーに甘味とさらなる苦み、そしてわずかながら柑橘系の風味を足したような味。この中では一番小粒。

続いて乾燥デーツ。
スッカリー (360円/35粒)
乾燥とはいえ堅めの羊羹くらいのほどよい堅さ。完熟ものより甘さ控えめだが、強くすっきりした甘さは健在。ほとんどの粒に白くてカリカリになった部分があるのが嬉しい。

ルシュディーヤ (360円/40粒)
色が赤く細長い。乾燥度高し。甘さほどほど。イタリア系ハーブというかやや薬っぽいような風味は他のデーツにはない特徴。

ナブテ・アリー (360円/35粒)
乾燥度が高く、表面は石かと思うほど固い。噛んでいるとねっとりした甘さが広がる。後味はスッキリ。

ロザーン (360円/42粒)
丸い小粒。舌にピリッと感じる刺激的な甘さ。味はいいが乾燥した表皮がパリパリしていて口当たりが悪い。

以上、デーツ食べくらべでした。一度に50粒くらい食べたので、すっかり顔がほてりました。この中で一番好みの味は、月並みですがやはりスッカリーですね。サウジ人にも一番人気。

もちろん他にも1キロ3000円以上するデーツなどまだまだ種類はたくさんあります (アジュワなどはさすがにスーパーにはない)。高級デーツ食べくらべはまたいつの日か。

生デーツ@バンコク

フルーツ天国タイ。バンコクには生デーツもありました。普通、デーツはとても渋く、完熟しないととても食べられないのですが、特定の品種に限り生でも甘くて美味しいものがあります (例:スッカリー)。

中東からの輸入品なので値は張りましたが、季節になると小分けされたパックを買い冷凍保存して、ちびちびと楽しんでいた自分でした。

デーツ満喫@ウズベキスタン

ラマダン中はイフタール (日没後の食事) の際まずデーツを食べるとお腹に良いとされており、イスラム諸国ではデーツの消費量が大幅に増えます。

デーツの販売が活発になり、ウズベキスタンでもスーパーマーケットにデーツが山積みにされていました。それを見て久しぶりにデーツを大量買い。

あ、自分は断食していたわけではありません。単純にデーツが美味しいと思うだけです。中東時代にすっかりデーツが好きになりました。

スーパーの量り売りは1キロ500円くらいのデーツが多いですが、2000円の高級品もありました。その高級品とはずばり、アジュワ!こんなところで再会できるとは。ラッキー。

量り売りだけでなく、箱詰めされた製品もいくつか売られていました (1箱450~500グラム)。その中から自分はイラン産の「ザヘディ (Zahedi)」を購入。

水分量12%以下の乾燥デーツで、堅めの羊羹くらいの堅さです。ドライタイプは甘さがマイルドなので、何個でもパクパクいけます。指先もベトベトしないのでありがたい。

イフタールセット@ウズベキスタン

国民の大多数がイスラム教徒のウズベキスタンでは、ラマダン期間中は職場の食堂も閉鎖され、自然とお昼抜きに。まあ自分はこっそり水だけは飲んでいましたが。

普段より早めに仕事を終えると、ローカルのファストフード店に寄って「イフタールセット」を買って帰るのが、ラマダン中のささやかな楽しみでした。

どこもデーツと水のおまけ付き。水はもちろん、ザムザムウォーター (ラベルは)。ザムザムはサウジアラビアのメッカにある聖なる泉です (⇒ザムザム/Wiki)。