11月2日は「いい (11) もじ (02)」の語呂合わせにちなんで、日本習字教育財団が「書道の日・習字の日」に制定しているそうです。ということで、アラビア語の習字について紹介します。
アラビア語の習字
アラビア語は漢字やひらがなと並んで、習字のできる文字として知られています。アラブ世界では昔から多くの書家が生まれ、下のライオンやコウノトリなどが書かれてきました。主にコーランの語句が使用されます。
ライオンの造形は第4代カリフのアリー (在位656〜661) に結びつけて用いられました。コウノトリは「ビスミッラーヒ・アッラフマーニ・アッラヒーム (慈悲深く慈愛あまねくアッラーの名において)」という、何かにつけ物事を開始する際に唱えられる定型句です。


自分もアラビア語を学んでいた学生時代に、授業でアラビア語の習字に少しだけ触れました。習字用のペンは、細い木 (竹の割り箸) の先を平たく削って使いました。本場では昔から葦のペンが用いられるそうです (写真はWikiから)。

伝統的にいろいろな書体があり、また文字の大小や文字をつなぐ線の長さなど自由度が高いため、定型句をクネクネといろいろな形に書き表すことができるのがアラビア語の習字の特徴であり美しさです。



タシケントのハズラティ・イマーム・モスクの内壁に飾られたレリーフ。「ラー・イラーハ・イッラッラー (アッラーの他に神はなし)」、「ムハンマド・ラスールッラー (ムハンマドは神の預言者なり)」など。

イスラムは偶像崇拝の禁止により肖像画が描けないので (アッラーはもちろんムハンマドの肖像画も描かない)、代わりに書道による装飾やアラベスク模様が発展しました。写真はブハラのマスジド。例外的に太陽が擬人化されて描かれています。

動物の名前でその動物を描くというオシャレ&カワイイ表現もアラビア語ならでは。
