A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

50年先は未来のはずだった

ウズベキスタンを終えて帰国後、今は実家があるド田舎で過ごしています。今年はたまたま、10年に一度まわってくる「組長」の当番で、しばらく日本にいるならお前がやれと。。。

毎月の定例会で会う各組長は、自分よりだいぶ上の世代で、自分の年齢でもまだまだ若手扱い。農村の高齢化、若年層の田舎離れという、日本の厳しい現実を実感しています。

そんなこんなで否応なく地域の行事に参加しているわけですが、フェスタ (秋祭り・運動会) で数十年ぶりに訪れた中学校 (今は地域の統合小中学校) の校舎は、記憶よりもずいぶん小さく見えました。

子供の頃は、自分が大人になったらそれはもう未来の世界だと信じていました。しかし実際は、まったくそんなことはありません。むしろ地元は過疎化が進み、昔にくらべて発展どころか、完全に衰退の気配。

ひとつだけ発展要素としては、写真の高架道路が通りました。でも出入り口がないためここから乗り降りできず、地域住民はただ指を加えて見ているだけです (そのうちスマートICができるのだとか)。

なぜこんなにも、発展・変化を感じることができないのか。50年あれば人類などずいぶん進歩するものではないのでしょうか。

そんな思いから、この50年と前の50年、さらにその前の50年の日本の発展状況を、AIにたずねてみました。結果は次のとおりです。納得な部分が多々。

1875~1925 (明治・大正)

変化の方向:西洋の模倣・近代化
キーワード:追いつけ追い越せ

社会
身分制廃止、近代法制度整備、義務教育制度開始、都市への人口集中が始まる、国家主義、軍事化の萌芽

経済
産業革命 (製糸・製鉄・鉄道)、貨幣経済、銀行制度確立、財閥形成 (三井・三菱など)、輸出工業化の初期段階

文化
和洋折衷文化、言文一致運動、新聞雑誌普及、西洋芸術・思想導入 (夏目漱石・森鴎外)

技術
鉄道、電信、蒸気船、電灯、電話、印刷、活字文化の拡大

1925~1975年 (昭和前期・高度経済成長)

変化の方向:経済・生活の向上
キーワード:豊かさ・成長

社会
戦争と敗戦、占領改革、民主化、女性参政権、農地改革、地方自治の確立、核家族化の進行

経済
戦後復興、高度経済成長、輸出産業化 (自動車・家電)、中流社会の形成、オイルショックで成長鈍化

文化
大衆文化の隆盛 (映画・テレビ・歌謡曲)、教育の大衆化、豊かさ重視の消費文化

技術
電気、自動車、家電技術、新幹線 (1964年)、原発、大量生産技術、電子工業

1975~2025年 (平成・令和)

変化の方向:内面の成熟と多様化
キーワード:選択・個性・持続

社会
少子高齢化、人口減少、多様な働き方、家族形態、地方衰退と都市集中、個人主義、多様性の拡大

経済
経済成熟、バブル崩壊、構造改革、グローバル化、産業空洞化、デフレ長期化、観光・サービス経済へ転換

文化
アニメ、ゲーム、サブカル国際化、ジェンダー平等、個人尊重意識、伝統文化の再評価 (和食・工芸)

技術
インターネット、スマホ、AI、ロボット、再生可能エネルギー、情報社会化、リモートワーク

* * *

つまり、この50年の進歩は、固定電話が携帯電話になり、そしてスマホに変わったことに象徴されます。手で持って使う通信スタイルは変わらないものの、手のひらで得ることができる、あるいは発信することができる情報が、何百万倍にもなりました。

これは確実にイノベーションであり、50年前に夢見た未来です。ただ、見た目の変化は乏しいです。また、新技術も当たり前になってしまうと、感謝の念や驚きは持続しないのが人の常。そしてそのサイクルはどんどん短くなっています。

それにしても、今はリモートワークでだいたいの事が片付くので、交通移動は最小限で大丈夫とは思いつつも、ここまで地方のインフラが変わらないとは、子供の頃にはまったく想像できませんでした。

今頃は、車が空を飛んでいたはずなんだけどなあ。。。