スフィンクス (Sphinx) は、エジプト神話やギリシア神話、メソポタミア神話などに登場する、ライオンの身体と人間の顔を持った神聖な存在あるいは怪物です。
エジプトのスフィンクスは王家のシンボルでもあり、もっとも大きな像は、ギザのピラミッドを護るように設置され、王の偉大さを現す神聖な存在となっています。

古代エジプトにおける本来の名前は不明ですが、ギリシア語名は古代エジプト語「シェセプ・アンク (シェセプ=姿・形、 アンク=再生・復活の神/アンク神) に由来するのではないかとする説があります。
メソポタミア神話 (バビロニア神話) におけるスフィンクスは、エジプトとは異なり、ライオンの身体、人間の女性の顔、鷲の翼を持つ怪物です。死を見守る存在とする考え方は、メソポタミアで生まれたとされます。

■スフィンクスの謎掛け
ギリシア神話におけるスフィンクス (スピンクス) は、ライオンの身体、美しい人間の女性の顔と乳房のある胸、鷲の翼を持つ怪物として描かれます。
当初は子供をさらう怪物であり、また戦いにおいての死を見守る存在で、高い知性を持っており、謎解きを好むとされました。
オイディプス神話によれば、スフィンクスは女神ヘラによってピーキオン山に座し、テーバイの住人を苦しめていました。
旅人を捕らえては、「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か」という謎を出し、解けない者を殺して食べていました。今となってはよく知られた謎掛けですね。
謎掛けされたオイディプスは、「それは人間だ。人間は赤ん坊の時には四足で這い回り、成長すると二足で歩き、老年になると杖をついて三足になる」と答えました。
この答えに面目を失ったスフィンクスは、岩の台座から飛び降り、谷底へ身を投げて死んだとされます。

古代世界の謎掛け
さて、スフィンクスの謎掛け (リドル) は紀元前15世紀頃に創出されたものとされますが、その他にもいろいろあった、古代世界の謎掛けをいくつかご紹介します。
■古代メソポタミア (紀元前18世紀頃)
(1) 家に入ると目が見えなくなる。これは何か?
(2) 音を立てずに入ってくる泥棒、彼は衣服も宝も奪う。誰か?
■古代エジプト (紀元前15世紀頃)
(3) 二人の姉妹、一人は次を生み、次が一人目を生む。二人は誰か?
(4) 誰も私を見たことがなく、これからも見ることはないが、すべての者が私の存在を信じる。私は何か?
■古代ユダヤ (紀元前10世紀頃)
(5) 食べる者の中から食べ物が出、強い者の中から甘いものが出た。何か?
■古代ギリシア (紀元前6世紀頃)
(6) 母が子を生み、子が母を生む。何か?
(7) ひとつの母から12人の子が生まれ、各々に30人の子がいて、昼も夜も消えず続く。これは何か?
■古代ローマ (4世紀頃)
(8) 昼は見えず、夜に輝く。だが太陽の子だ。何だ?
(9) 私は生まれるとすぐに泣き、死ぬときには口を閉じて黙る。
■中世アラブ (11世紀頃)
(10) 私は生きている時は口を閉じ、死んでから語り始める。
(答えは下に)
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■答え
(1) 洞窟または闇
(2) 睡眠または夜
(3) 昼と夜
(4) 明日
(5) ライオンの死骸の中にできた蜂蜜
(6) 海と波 (海は波を生み、波がまた海をつくる)
(7) 1年 (12か月、30日)
(8) 星
(9) ロウソク
(10) 手紙 (紙)
いかがでしたか。簡単なものもあれば、なるほどなと膝を打つもの、またはキョトンとしてしまったものなど、いろいろだったかと思います。
ぜんぜんピンとこなかった答えも、きっと古代世界においてはある程度常識だったり、あるいはそれが粋な考え方だったりしたのでしょう。
例えば (5) の答えは、旧約聖書にあるサムソンの逸話 (ライオンの死体にハチが巣を作る) にのっとったものです。

※参考過去記事:狛犬東西