以前、富士市の「赤い炒飯」を食べに行きました。見た目のインパクトに反して、味はいい意味で普通、大変美味しくいただきました。(天津/MAP)

その後、富士市には「黒い炒飯」もあることを知り、最近ようやくお店に行って食べることができました。(井出/MAP)

まあでも、本当に黒いかと言われたら、どちらかと言えばこげ茶色ですね。食べ物ならば、これで黒いと言って差し支えはないと思いますが。
味は良かったです。焦がし醤油っぽい香ばしさと、強い火力で炒めたお米の風味、見た目は味が濃そうですが、噛むほどにじんわり旨味がやってくる絶妙な塩梅。
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世界でも時々、黒い食べ物が流行りますよね。もともとあるイカスミはもとより、竹炭などを使いデトックス (=ヘルシー志向) の文脈で語られたりもします。
自分がインドネシアにいた頃、ちょうどジャカルタでもブラックフードブームが来ていました。キーワードは "makanan berwarna hitam pekat" (濃い黒色の食べ物)。
ブームの火付け役はショッピングモールのパサールサンタ (Pasar Santa/Map) にあったホットドッグ屋「DOG」。(※写真は当時のもの、今は壁が青✕黄で塗り直されています)


黒ゴマを練り込んだ真っ黒なパンでソーセージを挟んだ「ブラックドッグ」が、連日行列ができる人気の品に。自分はハムを追加してしまい、写真ではパンがあまりよく見えませんが。

こうなると多くの追従・類似・模倣品を生むのがビジネスの常。"makanan berwarna hitam pekat" で検索したら、当時のブームに関するサイトが多数出てきました。



こういった黒い食べ物のうち、実際に自分がインドネシアで食べたことがあるのは、黒いホットドッグ以外にナシゴレン、ミーゴレン、チョコパンの3つ。どれもうまし。



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パサールサンタといえば、個人的な思い出は毎年4月頃に行われた「レコード・ストア・デイ」。
怪しい雰囲気が漂う各フロアの店舗や廊下に、ピストルズと一緒に並べられたインドネシアのパンクバンド (たぶん) のレコードは、ずいぶん気になりました。
実はインドネシアのロックシーンて、昔から熱いんです。この時期にファンになったローカルバンド "Stereomantic" については、写真の後に過去記事を。
■Record Store Day@パサールサンタ









Stereomantic ① インドネシア音楽事情
パサールサンタでインドネシアのバンド演奏を聴いて、それがなかなか良かったものですから、夜、YouTubeで自分の好みのバンドはいないか探してみました。
そのうちヒットしたのが、Stereomantic (ステレオマンティック) というバンド。ジャンルはインディーポップ (ギターポップ、ネオアコ、エレクトロポップ) で、自分的にかなりのツボ。
ピチカート・ファイヴのポップな部分や、フリッパーズ・ギターのような軽快さとお洒落さを感じさせる極上のインディーポップに聴こえました。いわゆるワールドミュージック的な泥臭さは皆無。
レベルが高いなあと思いバンドのことをいろいろ調べてみたら、聴いた楽曲はすでに10年も前のファーストアルバム (Stereomantic) のものでした。これまで出したアルバムは2枚。
そしてなんと、パサールサンタにも来ていた!前日の土曜日でしたが。実はそこで次のアルバムのカセットを限定100本、売っていたのだそうです。くそー、逃したー。
すぐにCDを買おうと、祝日の今日、町中をあちこち探してみたのですが、ジャカルタ (インドネシア) って音楽CDがまるで売られていません。
洋楽こそ少し見つかりましたが、インドネシアのものは結局ぜんぜん見つかりませんでした。後で聞くと、海賊版と違法ダウンロードが横行しているので、正規のCDなんてほとんど誰も買わないのだそうです。
意気消沈して Stereomantic の Facebook を見てみたら、そこには、随時メッセージ受付中と書かれていました。しかも、10分以内で返信しますとも。
少し迷ったあと思い切って、「CDがほしいのですがどこで買えますか」と送ったところ、「WhatsApp のこの番号に連絡されたし」とすぐに返事がありました。
そうして、アルバムCD購入についてひととおりメッセージ交換をすると、残念ながらファーストアルバムはCD 5000枚、カセット5000本ともに完売、在庫はセカンドアルバム (Cyber Superstar) のみ、来月発売のサードアルバム (Golden Sun & Silver Moon) はちょうど今晩から予約できますとのことでした。
セカンドアルバム購入の意思を伝えたあと、さらに思い切って、「実はファーストアルバムが本当に大好きで、中古で良いからどこかにないでしょうか」と聞いてみました。
すると、サードアルバム発売イベントで、ファーストのカセットテープ、ストック最後の1本 (未開封) をオークションにかける予定があると教えてくれました。さらに、中古でよければCDを探してあげるとも言われました。優しい!嬉しい!
こういう人たちがその作品で適正な収入を得てほしいとつくづく思います。海賊版や違法ダウンロードが横行しているインドネシアの音楽事情、なんとかならないものか。

Stereomantic ② インスタライブ
インドネシアのエレクトロポップバンド Stereomantic のファンになり、あれこれSNSをチェックしていたら、夜9時からラジオ Kis FM (95.1) に出演するとの告知が。ちょっと調べたらネットでストリーミングが聴けるとわかりました。
しばらくラジオを聴いていたら、こんどは Instagram からライブ動画配信の通知が。インスタを立ち上げると、狭いラジオ局のブースの中でスタンバイするメンバーの姿が。もうすぐサードアルバム発売なので、そのCDをかけるんだとばかり思っていましたが、生歌なんですね。
音の条件は悪そうでしたが、これは貴重と思いしっかりイヤホンで聴きました。でも、ファーストとセカンドアルバムの曲が2つ続いたのはなぜ?リミックスとしてサードに入っているのかな?まあ Insomnia とか名曲だから何度聴いてもいいんですけどね。
あっという間の1時間でした。楽しかった。

Stereomantic ③ ご本人登場
いろいろあって、インドネシアのロックバンド "Stereomantic" と連絡を取るようになって1ヶ月ほど。セカンドアルバム "Cyber Superstar" が手元に届いてから毎日聴いていましたが、ついに先週金曜日の夕方、ファーストアルバム (中古CD) が見つかったという連絡が入りました。
サマリンダ (ボルネオ島の東カリマンタン州の州都) から送ってもらうと送料もかかるけどいい?と聞かれましたが、もちろんノープロブレムと返し、どうやって受け取ろうかと聞いてみると、なんと、日曜日にスタジオに来ないかとのお誘いが。
来月20日にサード・アルバム "Golden Sun & Silver Moon" の発売記念ライブがあるため、日曜日はそのリハーサルを行うとのこと。
そして本日、日曜の昼12時、ドキドキしながらクマン地区のスタジオを訪ねました。フロントマンのAroelとMariaが少し遅れてやって来るまで、ベースマンのナイスガイからいろんな話を聞きました。
インドネシアでは海賊版がはびこっていてCD販売は期待できないこと。でもそこから好きになってくれてiTunesなどから楽曲をダウンロードしてくれたらいいなと考えていること。
ジャカルタとバンドンは若者の音楽的嗜好が似ていてバンドンでは自分たちの音楽がウケること。逆にスラバヤはヘビメタが盛んでなかなか受け入れてもらえないこと。
ここ数年、イスラム保守層からエンターテイメントに対するネガキャンがあってますます音楽ビジネスは厳しくなっていること、等々。
日本のバンドならラルクとかDEPAPEPEが好きなんだそうです。ピチカート・ファイヴ、渋谷系の名前も出てきました。iPhoneに入っているサカナクションやくるりを聴いてもらうと、かなり気に入った様子でした。嬉しい。
日本で誰かに Stereomantic の曲を聴かせたら、たぶんこれがインドネシアのバンドだとは思わないのではないかと思います。音楽に国境はないと言いますが、良質な音楽は国籍に関係なく、心に響くものですよね。
Aroelは昨年サマーソニックを見に日本に行ったそうです。いつか演者として出られたらいいなと言っていました。マグロックならなんとかならないだろうか・・・。
CDにサインしてもらい、最後は一緒に写真を撮ってもらいました。その後もしばらく手が震えていました、緊張と感動で。帰宅してからちょっと熱が出ましたよ。
