カブ系のヘッドライトは暗いです。長年乗ったエイプ100も暗かったので、当時ひとつ明るい電球に交換しましたが、それでも十分明るいとは言えませんでした。
クロスカブ110 (JA60) はLEDのくっきりした光なので、エイプよりはまだましですが、それでもまだまだ。もう少し明るければとずっと考えていました。
ひとつ決定的だったのは、夜走っていた時、道路脇の草むらから、突然シカが飛び出てきたこと。あやうくぶつかりそうになりました。全然見えなかったです。
ということで、カブカスタムの定番、フォグランプの設置を決意。まず二択として、オールインワンのキットを買うか (2~3万円)、汎用品 (2~3千円) にするか。
汎用品は電線の取り回しや取り付けステー、スイッチなど、自分で考え部品を揃える必要があります。あとは電源をどうするか。
キーをオンにした時に電気が流れる既存ラインに割り込ませるか、キーをオンにした時に電気が流れるアクセサリー (ACC) 電源から取り出すか、あるいは市販電源キットか (リレーを使う方法はわからなすぎて選択肢から排除)。
フォグランプの光はそのままだと対向車が眩しいので、カットライン (照射光の上部をカットする) 機能があるものが望ましい。
結果、以下のものを買い揃えました。
・汎用フォグランプ (イカリング付き)
・デイトナDユニットWR (電源キット)
・デイトナ電源取出しハーネス (フロント用)
・ハンドルバースイッチ (ON/OFF)
・その他:ステー&ボルト類、ギボシ端子

■デイトナDユニットWR
一括電源管理を行うDユニットシリーズのうち、防水タイプを選択。ひとつ大きな違いは、他のモデルは物理ヒューズが内蔵されていますが、WRはありません。
代わりに、PTCサーミスタが搭載されています。回路に過大な電流が流れると、PTCサーミスタが発熱し、一定の温度を超えると抵抗値が急激に増加して電流を制御、回路を保護してくれる装置です。
ヒューズは切れてしまうと交換が必要ですが、PTCサーミスタは過電流が解消され素子の温度が下がると、抵抗値は元の低い値に戻り、回路は動作を再開します。
デメリットとしては、回路が保護された状態 (=高温状態) が続くと、本体外装が熱で溶けて破損する可能性があること。なのですぐに問題の電装機器を切り離す必要があるそう。

トラブル時の熱対策として、付け焼き刃かもしれませんが、熱がこもるセンターカバーの内側 (バッテリー付近) ではなく、フロント側 (ヘッドライトの後ろ側) に本体を置くようにしました。
装備したい電装機器もフロント側ばかりだったので (フォグランプ、USB電源、たぶん冬場にグリップヒーター)、自分的には最適な位置かなと。ACC電源もメーター下から (ヒューズボックスから取り出すのはやめました)。
ちなみに、クロスカブのカスタムにおける最難関は、サイドカバーの取り外しだと言われています。今後電装品を追加する際、フロントカバーを開けるだけでDユニットにアクセスできるようにしました。

と言っても、実は自分の車体は左右のサイドカバーがそこまでガチガチには嵌まっていなくて、意外とすんなり外せたんですけどね (今回二度目)。コツはいりますが。
■フォグランプとスイッチの配線
フォグランプ設置を決めてから3日間、ブログやYouTube動画で、先人たちの実例を勉強しました。その結果、上記の部品購入に至り、配線もイメージできました。
フォグランプはいわゆるイカリング付きをチョイス。スイッチはON/OFFのみにして、キーオンでイカリング点灯 (常時点灯)、スイッチオンでフォグランプ点灯に。
スイッチや配線次第でイカリングもスイッチオンで点灯にできますが、対向車からの視認性も上がるし、イカリングは常時点灯にしました。
ヒューズはつけていません。DユニットWRに過電流保護機能のPTCサーミスタがあるので、一応そこは信用して。保護機能が作動したら (電流が遮断されたら)、スイッチをオフにすればいいのかなと。

配線でふたつ問題が。デイトナ製品はホンダ車に合わせてギボシ端子が細いCA/CB103規格、対して手持ちのギボシ端子セットや分配線は太いCA/CB104規格です。
Dユニットから出ている電線のギボシ端子は103のため、標準的でより広く使われている104だと、少し太くてはまりません (あるいはユルユル)。
そのため、デイトナの103規格のギボシ端子を新たに購入し(104規格より割高)、配線時は接続を考えギボシ端子を選んでつけました (写真参照)。
また、フォグランプの電線があまりに細くて (細いとは聞いていましたがマジで細すぎ・・・)、1本ずつギボシ端子をつけるのは無理とあきらめ、左右の2本をまとめて1端子にしました。

■フォグランプ設置(USB電源も)
ここまで来れば、あとはステーを取り付けラインの取り回しに気をつけながら設置するだけです。フォグランプはDユニットの7.5Aのラインへ (5A✕1、7.5A✕2の計3つ出力ラインあり)。

「だけ」と書きましたが、まあ素人がやることですからなかなか上手くはいきません。ネジポロリもよくあったし。それでも最後はなんとかいい感じで仕上がったと思います。

ヘッドライトの後ろ側にDユニットWR本体を格納。両面テープで上の金属面に貼り付け、結束バンドで固定しました。本体は防水仕様ですが、配線周りは水がかかりにくい位置を考慮。

ギボシ端子の接続がたくさんありますから、ひとまとめにしてビニールで包み、フロントカバーの裏に収めました。これで多少の雨なら大丈夫でしょう。今回はDユニットWRの3つの出力のうち、2つ使いました (フォグランプとUSB電源/後述)。

あ、前の晩にフォグランプの隙間にバスボンドを塗って防水処理を施しました。思っていたよりはしっかり防水できているように見えましたが、念のため。
USB電源は1ヶ月ほど前に装着していましたが、これはデイトナのキットで、フロントブレーキのラインに割り込ませて電源を取るもの。回路にヒューズもついていました。

せっかくなので、DユニットWRに付け替えました。フロントブレーキのラインから電線を取り外し、Dユニットへ (5Aのライン使用、ギボシ端子はCA/CB103なのでそのまま挿すだけ)。
ヒューズはあえて取り外すこともないかなと思い、そのままにしました。フォグランプはスイッチオフで回路を遮断できますが、USB電源ケーブルはどうなんだろうというのもあって (充電している機器を外せば回路的にはオフだろうと思いますが)。



完成しました。キーオフ (消灯)、キーオン (イカリング点灯)、スイッチオン (フォグランプ点灯)。なお、ヘッドライトはキーオンでポジションランプが点灯しています。あまりよく見えませんが (エンジンをかけるとヘッドライト点灯)。

フォグランプの光はカットラインがしっかり出ているため、上から見るとまったく眩しくありませんが、目線を水平に落とすとかなり眩しいです。片側20Wだそう。

夜道を照らしてみました。ヘッドライトのみと、フォグランプ点灯との違い。スマホがAI補正してしまいなかなかちゃんと写りませんでしたが、実際の見た目に近くなるよう調整しました。相当明るくなり、大満足です。



* * *
さて、クロスカブで近所をトコトコ走っていた時のこと、道路の脇の草むらに、モゾモゾと動く小動物の姿を発見しました。
その時はチラ見でしたが、体毛がまばらな子供のタヌキということが、一瞬で見て取れました。
田舎道なので、シカ、サル、ウサギ、イノシシ、ヘビ、そしてタヌキも時々見かけます。しかし弱々しい姿だったなと、ちょっと気にしつつ帰宅。
その2日後、また同じ場所で同じタヌキを発見。一度は通り過ぎましたが、気になって急遽停止、Uターンして確認に戻りました。
そこにいたのが写真のタヌキ。逃げたくても動けない様子。まだ子供で、体毛がだいぶ抜けていました。これは病気のようです。
親とはぐれたか、あるいは親に捨てられたのか、いずれにしろこのままでは長くなさそうでした。
何かしてあげるべきか、このまま素通りすべきなのか、しばし悩みましたが、とりあえず帰宅して、ネットで情報収集。
結論としては、やはり自然の摂理には安易に介入すべきではない、ということで気持ちを落ち着かせました。ふうー。。。
その後は二度と姿を見ていません。どうなったのかな。その場所を通る時はいつも気になって、未だにキョロキョロしてしまいます。
