ウズベキスタンの首都タシケントには「ナヴォイ劇場」という日本とも縁のある国立劇場があり、バレエやオペラなどを安価に楽しむことができます。
自分はここで初めてバレエを鑑賞しましたが、その時観た「千夜一夜物語」には素直に感動しました (その時の様子はコチラ)。
演じたのはアゼルバイジャンのバレエチームでしたが、ウズベキスタン含め中央アジアの旧ソ連諸国はロシアの芸術文化が根付いているんですね。

その後「白鳥の湖」も観ました (⇒コチラ)。バレエはとっつきにくい芸術 (アート) と思っていましたが、実際には誰が観ても楽しめる、芸能 (エンタメ) なんだなあと。
ただ、舞台上は完全に別世界でしたね。演者と観客は交わりようがありません。間に楽団 (半地下) もいるし。バレエが総合芸術と呼ばれるのも納得でしたが、その分やはり敷居が高かったです。
参考までに、千夜一夜物語で踊るウズベキスタン人ダンサー、レナータ・シャキロワ (マリインスキー・バレエ) の動画を。
ウズベキスタンには地方ごとに伝統舞踊がありますが、それらをちゃんと観る機会はありませんでした。YouTubeにたくさん動画があるので、興味がある方はぜひ探してみてください。ひとつ、参考までに。
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他にこれまで芸術・芸能鑑賞的なことをしていたかなとふり返ってみたところ、その昔、マドリードの「Cafe de Chinitas」で観たフラメンコを思い出しました。
マドリードに旅行した際、ガイドブックに小さく載っていた紹介記事を頼りに行きましたが、その情熱的な舞姿には、ただただ圧倒されました。

フラメンコについては特に予備知識もなく、見るポイントのようなものもわからなかったのですが、実際にショーが始まってみると、その迫力にあっという間に引き込まれました。
ギターと、踊り子の歌とステップが一体となって、たたみかけるように何かを訴えかけてきます。歌の詳細はわからずとも、そのニュアンスというかパッションはひしひしと伝わってきました。
舞台は一段高かったものの、観客の目と鼻の先でしたからそれはもう迫力十分、ダンサーの荒い息遣いまで聞こえるようでした。演者と観客合わせて、場の一体感を感じましたね。この時はフラメンコを習いたくなりましたよ。(お店の様子↓)
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もともと民族音楽が好きで、インドネシアのガムラン、バリ島のケチャなんかはCDを何枚も持っていました。後年、インドネシアに住むようになり、バリ島でケチャの実演を観た時は本当に感動しました (⇒バリ島旅行記)。

ケチャはインドネシアのバリ島で伝わる伝統的な舞踊劇で、男性が円陣を組んで「チャッ!チャッ!チャッ!」と合唱しリズムを刻みつつ進行します。楽器を使わず、人の声だけで奏でるのが特徴。
2017年当時、もっとも観光客を集めていたウルワツ寺院のケチャを観ました。「観客が多すぎる」「観光地化している」といったコメントもありましたが、それでもなおそのパフォーマンスは圧巻、素直に感動しました。
ただ、ケチャには土着の呪術的なものを色濃く感じ、演者と観客の物理的な距離は近いものの、両者の間には明確な一線があったように思います。そこにはバリの宗教世界が広がっており、こちらは異世界の物語を覗き見しているような感覚でした。
インドネシアからもうひとつ、こちらはイスラム教、といってもイスラム神秘主義「スーフィー」の、延々とクルクル回り続ける特殊な舞です。写真はジャカルタでラマダン期間中に観たもの。

動画がこちら。インドネシアでもイスラム神秘主義 (のダンス) がだんだんポピュラーになってきたのだとか。
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タイも伝統舞踊・民族舞踊の宝庫ですが、バンコクに4年間住んでいた割に、一度もちゃんとした観劇はしませんでした。そのうち観に行こうと思っていたのですが、滞在期間の後半2年は新型コロナ禍になってしまったこともあり。街角や寺院、とくにエラワンの奉納の舞はよく目にしましたけれど (⇒参考:バンコクお手軽パワースポット)。

動画はネットでいくらでも観ることができますが、個人撮影者による投稿がほとんどで、あまり良い素材は見つかりませんでした。なのでユネスコの動画をひとつ。
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以上、これまでいろいろな国で、芸術的なものから伝統芸能、宗教儀礼まで、様々なダンスを観てきました。そんな数々の強豪ラインナップの中で、意外と今でも「あれは良かったなあ」としみじみ思い出すのが、トンガの「タウオルンガ」です (⇒トンガの伝統芸能)。

トンガにもいろいろなダンスがありますが、女性が優雅に舞うタウオルンガは、おだやかなトンガの国民性を表しているような、優美な手の動き中心のダンス。結婚式や祝日・記念日のセレモニーで踊られます。
踊り手は若い未婚の女性。基本はソロダンスですが、複数人で踊っているのもよく見ました。踊っているとそのうちあらゆる年代の女性がステージに乱入して、お札を貼り付けたり一緒に踊ったり。このゆるやかでにぎやかな雰囲気がまた良かったです。