A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

見た目でゲンナリ?美味しそうには見えない・・・かな

料理や食材の見た目、とくに色味によってぜんぜん食欲がわかないものってありますよね。一般的には、暖色系は食欲をそそり、寒色系はその反対と言われています。

青 BLUE

まず、青。昨日の投稿 (⇒カラフルご飯) にも載せましたが、青い色のご飯は、これを見て食欲がそそられる人なんて、なかなかいないと思います。

タイのアンチャン (バタフライピー) で青く色付けされたご飯で、アンチャンそのものはほぼ無味無臭なため、何かクセありのご飯に仕上がるわけではありません。

ご飯の場合は気にせず口に入れてしまえばいたって普通。逆にアンチャンは冷たい飲み物に使われると清涼さが際立ち、むしろどんどん飲みたくなります。

ライムなど酸を絞り入れると青から紫に変わり、この変化も楽しみのひとつ。見栄えも良く、タイの夏の飲み物の代表格になりました。

もっとも、透明なサイダー系なら青くてもいいのですが、ミルクに入れるのはまたちょっと違うような気も。見た目的には涼し気ですけれど。

タイティーに青いミルクフォームを載せてみたり、アイスミルクのタピオカまで青くしてみたり、こう見るとやはり青の使い所は難しそうです。

ナンヨウブダイも色が青すぎて美味しそうな魚には見えませんよね。実際は淡泊な白身でとても美味しいお魚です。

緑 GREEN

続いて、緑。サラダはもちろん香草を練り込んだパスタやほうれん草のカレー (パラクパニール)、茶そばなどは美味しそうに見えますから、緑そのものは問題なし。

写真はウズベキスタンの香草ディルを練り込んだ緑色の麺「シビットオシュ」、その下がインドネシアとタイの中華系のお店で食べた、青菜を練り込んだ翡翠麺 (Jade Noodle)、そして茶そば。どれも美味しかったです。

問題はこちらの緑。これは3年前、新東名駿河湾沼津SA (上り) でいただいた「富士山やきそば」。ベースは「富士宮やきそば」なので味は良かったですが、やはり見た目がちょっと。おそらく人工着色料でしょう、どうにも不自然だし違和感がありました。

マレーシアの屋台で見かけた色とりどりのシュウマイ。この緑 (黄緑) もかなり違和感がありました。色が鮮やかすぎるのは、きっと人工着色料に違いない。

インドネシアの黄緑色の蒸し饅頭は別に何とも思わなかったな。人工着色料の可能性も否定できませんが、東南アジアにはもともとパンダンリーフで色付けする伝統があるので。

日本には抹茶を使った緑色のスイーツがたくさんありますから、タイのバイトゥーイ (パンダンリーフ) を使った鮮やかな色のお菓子も特に違和感はありませんでした。

赤 RED

赤の補足。暖色系は美味しそうとは言いながら、やはり真っ赤はちと厳しいかもです。赤飯も紅白饅頭も、実際のところほんのりピンクだからいいのであって。

写真は昨日も載せた赤い炒飯。食べれば美味しいですが、最初のひと口は少し勇気がいりました。

インドネシアのスラウェシ島マナドの真っ赤なお饅頭もちょっと赤すぎる。初めに手に取りたくなるのはやはり草餅っぽい緑の方ですね。

いやでも焼き立てピザの真っ赤なトマトソースは、この世でもっともよだれを誘う食べ物のひとつですからね (個人調べ)。従来のイメージの問題なんでしょうか。

黒 BLACK

そして、黒。イカスミパスタや竹炭クッキーなんかが世の中に浸透しましたから、「黒=まずそう」という感覚はあまりないかもしれません。むしろお洒落と思われそう。いや、そんなにお洒落でもないか。写真はインドネシアのイカスミのナシゴレン。

まあでも、麺自体が真っ黒だったのは「うーん・・・」て感じでした (インドネシアのミーゴレン、タイのスパゲティ)。まだ自分、麺そのものが黒いのには慣れていないかも。

ウズベキスタンのマンティも皮が黒いやつは「Plov Lounge」にしかないと思いますが、ウズベキスタン人にはウケないだろうなあと思いつついただきました (味は良い)。

タイのバーガーキングには BLACKPINK とコラボした黒バーガーとピンクバーガーがありました。リサ (Lalisa) がタイ人なので BALCKPINK の人気はすごかったです。黒いバンズもなかなかですが、ピンクのバンズもけっこうキテますね。クールなイメージだけれど、美味しそうとは思わなかったかも。食べたら普通でした。

紫 VIOLET

紫は、紫米や紫芋がすでに市民権を得ていますから、ことさらその色で食欲が減退するということはないでしょう。

ただ、フィジーのヤムイモはなかなかのインパクトでした。本当に鮮やかな紫色。もう1種と合わせ二色のとろろ丼にしましたが、紫の方はきっと誰もがひと口目は躊躇するでしょうね。味は普通のヤムイモと変わりません。

灰色 GRAY

最後は、灰色。これもあまり食欲をそそるような色ではないですよね。日本人は蕎麦の色や煮干ラーメンのセメント系スープで慣れていますけれど。

海外に目を向けると、エチオピア人の主食インジェラが、まさに灰色でした (実際には白っぽいのから灰色まで)。

一見クレープのようなパンですが食べると酸っぱくて、けっして万人に好まれる味ではありません。プツプツと細かい気泡が浮いたビジュアルも、ダメな人は全然ダメ。

中には「ボロ雑巾」なんて悪態をつく人もいましたが、自分は職場のランチで毎日のように食べているうち (他に選択肢がなかった)、好きになりました。

テフという穀物を粉にして水で溶くと自然発酵します (乳酸菌発酵)。1日、2日、3日と発酵が進むほど灰色かつ酸っぱくなるのだそう。これを薄くひいて焼くとインジェラの出来上がり。

白っぽいインジェラはだいぶ食べやすいです。自分もインジェラ好きとは言いながら、灰色よりは白い方が好きでした。

地方に行くとだいたい濃いめの灰色しかなかったですが、エチオピア人はこちらの方が好きみたいです (下2枚目)。

インジェラで言えば、真ん中にシュロワット (豆のシチュー) をちょっとだけ盛ってくれた時は、そのビジュアルになんだかゲンナリしてしまいました。料理の見た目って大切ですね。実際に食べてみれば美味しかったですが。

エンセーテ (ニセバナナ) のデンプンから作るコチョはエチオピア南部でよく食べられていました。これも見た目は灰色。蒸したてはプルンとしてなかなか美味しいのですが (下1枚目)、冷えてしまうと見た目も不味そうだし食べてもイマイチでした (下2枚目)。

なお、アフリカ13ヶ国からアジスアベバに人を呼んで短期研修コースを実施した際は、毎日ビュッフェスタイルで食事を提供したものの、インジェラを食べる人はほとんどいませんでした。「ウガリはないのか」「シマの方が美味しい」などとみんな口々に不満を言っていたのはほろ苦い思い出。

写真はザンビアで食べたシマ (Nshima)。真っ白でフワフワ、手でちぎってニギニギしたらモチモチの団子状になって、確かにこれは美味しいかもと思いました。自分は今でもインジェラの方が美味しいと信じていますけれど。