最近お店で餃子を頬張りながら、海外の餃子とは味わいが違うなあと、あらためてその差を感じました。
こちらが富士宮の「みさ (Map)」でいただいた餃子。パリッと香ばしく焼き上がった薄めの皮、野菜多めで甘みのある味わいに、ニンニクがガツンと効いていました。
直近滞在の2ヶ国、タイとウズベキスタン、どちらも中国料理店はたくさんあり、餃子もよくいただきました。タイの餃子はほぼそのまま中国餃子と言えるかなと思います。
タイは食材に制約がなく、どのお店も豚肉と牛肉があり、野菜は白菜またはニラを選べることが多かったです。水餃子がデフォルトでしたが、焼き餃子もたいていのお店でありました。
ウズベキスタンは新疆ウイグル由来の清真料理 (イスラム教徒向けハラール中華) なので豚肉はなく、羊肉か牛肉。野菜は白菜かニラ、所によりセロリ。水餃子ばかりで焼き餃子はありませんでした。
タイ、ウズベキスタン、日本の餃子の特徴をあげてみます。自分が食べてきた経験からなので、もちろんこれら以外にもバリエーションはあるでしょう。
■具材 (肉)
・タイ:豚・牛
・ウズ:羊・牛
・日本:豚
■具材 (野菜)
・タイ:白菜 or ニラ (ニンニクなし)
・ウズ:白菜 or ニラ or セロリ (ニンニクなし)
・日本:キャベツ+ニラ (ニンニクあり)
■具材 (肉と野菜の比率)
・タイ:肉やや多め
・ウズ:肉多め
・日本:野菜多め
■皮の厚さ
・タイ:厚め (水餃子に最適、モチモチ)
・ウズ:厚め (水餃子に最適、モチモチ)
・日本:薄め (焼き餃子に最適、パリパリ)
■包み方
・タイ:半月・三日月型他、ひだ少なめ
・ウズ:半月・小丸型、上部真ん中ひだ
・日本:半月型、ひだ付きが多い
■調理法
・タイ:水餃子・焼き餃子
・ウズ:水餃子
・日本:焼き餃子
■食べる場面
・タイ:主食 (1皿で食事完結)
・ウズ:主食 (1皿で食事完結)
・日本:ご飯のおかず、おつまみ
■タレ (典型的なもの)
・タイ:黒酢 or ラー油 or 醤油
・ウズ:ラー油 or 黒酢
・日本:醤油+酢+ラー油
では、タイ、ウズベキスタン、日本の餃子の写真をいくつか。
■タイ
お店によって形は様々。味わいはどこも及第点以上。1皿10~12個、具がしっかり詰まっていて皮も厚めなので、1皿で満足感あり。それでも自分は牛肉麺とかチャーハンとか、もう1品一緒に頼んでいましたから、いつもお腹がパンパンでした。
なお、バンコクは日系レストランもたくさんあって、日本風の焼き餃子も普通に食べることができましたが、自分はどちらかというと中国餃子の方が好きでした。ニンニクが使われていないこと、水餃子であること、お肉感があることなどが、個人的にはかなりヒット。
■ウズベキスタン
普通の半月型もありましたが、中にはマンティのように上の真ん中で細かくひだを作る丸型のものもあって、中央アジアっぽさを感じました。そもそも豚肉餃子ではないですしね。セロリ餃子も初めてでした。
タレはラー油が多かったです。見た目ほど辛くなく香りの良いラー油なので、いつもたっぷりつけていただきました。お肉が豚よりはクセがあるので、ラー油の刺激と香ばしさで中和しつつ。
上の写真 (↑) のお店は冷凍餃子をテイクアウトできました (↓)。家で焼いて食べたら美味しかった!
■日本
次の写真は上から浜松餃子、宇都宮餃子 (焼き・水)。どちらも野菜の甘みが特徴的で、食べ心地は軽やか、最後までパクパク一気食いでした (宇都宮餃子は2皿一度に)。餃子をパクリとひと口噛むと、中国餃子は「肉団子」のような弾力のある食感であるのに対し、日本の餃子はあくまで「餃子の餡」。野菜多めだし柔らかめだし、なんならニュルッとした食感。それがまた美味しいんですけどね。
* * *
浜松餃子は餃子だけ食べたい人が多いので1皿10個くらいからですが、町中華などでは1皿5~6個が基準です。チャーハンやラーメンのセットだと餃子は3個ということもよくあり、食べ心地の軽さも相まって、写真のようなセットメニューが成立するわけです。
トップにあげた「みさ」でも、当然のようにラーメンと一緒に注文、どちらも美味しくいただきました。日本のよくある外食のひとコマですね。
自分、他にもあちこちでやっていました、餃子セットあるいは餃子追加。もう餃子はこういう食べ方が日本ではデフォルトでしょうか。
同じことをウズベキスタンでやると、どう見ても2人前を1人で食べることになり、餃子の皮も厚いしお肉感も日本よりずっと強いので、これらを平らげるのはなかなか大変でした。注文時に店員からよく「本当に?」という顔をされたものです。
以上です。まとめとしては、中国餃子は食べ応えのある肉っぽい料理で主食、日本の餃子はヘルシーな野菜っぽい料理でおかず・おつまみ、なのかなと。どちらにも良さがある、としておきましょう。