前日にインドネシアの屋台飯 (自分が食べたもの) を紹介したのに続いて (⇒コチラ)、こんどはタイの屋台飯を。
少なくともバンコクの屋台 (移動式屋台) は、インドネシアのそれよりは衛生的にも大丈夫そうな気はしました。
ただ、そうはいっても外食は毎回屋台ということはなく、本当に人気の屋台か、タイ人スタッフに教えてもらった所くらい。まあその数がそもそも多いのですが。
あとは普通のお店ばかり行っていましたが、普通といってもオープンタイプのお店も多く、半分屋台みたいなものでしたが。
ということで、バンコク滞在中に訪れた屋台をご紹介します。これらも一部で、思っていたよりずっとたくさん屋台を利用していたことに、いま気がつきました。
■カオマンガイ
BTSプロンポン駅の高架下にはいくつも屋台が出ますが、「ヘンヘン」はかなりの人気店で、毎日夕方、仕事帰りのタイ人が行列を作っていました。こちらはスープ付きで当時45バーツ (当時のレートで150円)。肉はふんわり上質、皮がないのでさっぱりした美味しさでした。
■バミー
バンコク中華街 (ヤワラート) には人気店がたくさんありますが、その中でも行列ができる度合いはトップクラスの「リムラオゴウ (Lim Lao Ngow 林老五)」。
屋台は夕方5時半開店ですが、5時40分に行ったらすでに満席、そして5組くらいがばらばらに立って待っていました。
店員は何人もいますが、とにかく忙しそうに動き回っていて、どこに並んでいればテーブルに案内してもらえるのかがわからず焦りましたが、15分ほどで空いたテーブルに無事着席できました。
メニュー表はなさそうだったので、注文はひと言「バミー・ナーム (汁麺)」(40バーツ/135円/当時)。たぶんフィッシュボールの数を増やすとか麺の大盛りとか、本当はいろいろ注文できそうですが、自分にはハードルが高すぎました。
さてこのラーメン、まずスープがいい。魚の出汁が効いた旨味たっぷりのスープ。フィッシュボールヌードルなんだからスープも魚介系でまとまっているのは大正解だと思いました。
麺もぷりぷり。練り物はどれも自然な美味しさでしたが、とくに良かったのがフィッシュワンタン。中身が単純な白い豚ミンチではなく、茶色い何かでした。何だかよくわからなかったけれど、とにかく美味しかったです。
ソンワート通りの「ナイヨン」も数々のブロガーからおすすめされている人気屋台のひとつでした。もちろん緑の丼マーク (シェルチュアンチム)。
味はひと言で言うとシンプル。どぎつい化調の味などはせず、突出した個性はないかもしれませんが、丁寧に作られた一品なんだろうなと感じました。派手さはないけれど、普通に美味しかったです。60バーツ/210円 (当時)。
BTSエカマイ駅とプラカノン駅の中間、スクンビットSoi65にあるバミーの屋台「ワールドチャンピオンヌードル」で美味しいバミーをいただきました。バミー屋台は他にも多数行っていましたが、とりあえずバミー屋台の紹介はここまでに。
クリアに澄んだ塩系スープは最初から甘め。日本の塩ラーメンが砂糖で甘かったら愕然としますが、タイラーメンだと不思議と違和感がありません。卓上調味料セットにもしっかり砂糖が置いてありますから、さらに追加で入れる人も多いのでしょう。
■パッタイ
職場のスタッフが一番好きなパッタイだと言っていた、中華街 (ヤワラート) の屋台「OKパッタイ」でようやくパッタイをいただきました。
もともとあまり夕方出歩かないのですが、ここは夕方からしか営業しないので意を決してその時間に行っても、順番待ちの人だかりを見て諦めたことが何度かありました。
パッタイは一番シンプルなものをオーダー。目玉焼きを乗せて50バーツ/175円 (当時)。味というか塩気はわりとあっさりめですが、油がけっこうきついので、美味しかったけれど食べ終わった後しばらく胸焼けしてしまいました。B級グルメとしては王道な感じ。
■サイクローク・イーサーン
バンコクの街角には星の数ほど屋台がありますが、サイクロークイーサーン (東北タイのソーセージ) もよく見かけ、人気の品のひとつになっています。
BTSプロンポン駅の高架下に並ぶ屋台の中にこれを見つけ、普段あまり屋台のご飯は食べないのですが、あまりにいい匂いを放っていたので買ってみました。
酸っぱいのと酸っぱくないのをひとつずつ。1本 (お団子状のが1串2個) 10バーツ/35円 (当時)。生キャベツと一緒に食べるのが定番だそう。
家に持ち帰ってさっそくいただいてみると、酸っぱくないのはもちろん、酸っぱい方もそこまでクセのある感じではなく、普通に美味しかったです。
この値段なのであまり期待はしていませんでしたが、思っていたよりお肉感があり、発酵したお米 (酸味のもと) が入っているせいか、相応にこってりしつつも、あっさりパクッといけました。その後は定期的に買うように。
■菜食週間/ギンジェー
菜食週間のヤワラー通りはジェー (ベジタリアンフード) の屋台がずらりと並びました。とうもろこしの天ぷらなどあれこれ買っていただきました。
■コラート風焼きそば
バンコクでは珍しい、コラート (東北タイ) の特別な麺を使った焼きそばの屋台が、職場の近くにあるということを聞きつけ、仕事帰りに寄ってみました (オープンは夕方から)。
コラートは東北タイの入り口とも呼ばれるナコーンラーチャシーマー県の通称で、コラート独特の麺 "センコラート (コラート麺)" を使うのがパットミーコラートの特徴だそう。
当然それを期待して行ったのですが、しかしこの時はセンレック (中細ビーフン) とウンセン (春雨) しか選択肢がありませんでした (各45バーツ)。そこは残念でしたが、気を取り直してウンセンをオーダー。
味付けはコラートのレシピなんでしょうか、甘酸っぱくてパッタイに似ていますが、シーイウダム (黒醤油) を使うので麺も茶色いし、より醤油系の味と香りが。またピリ辛で、とても美味しかったです。
屋台でひとつ食べて美味しかったので、夜食用にもうひとつテイクアウトして帰りました。テイクアウトすると生のニラとバナナのつぼみ (正確には蕾を包むように葉が変形した苞という部分) がついてきます。
このつぼみをタイ語で「フアプリー」と言いますが、シャクシャクした食感でややほろ苦く、油っこくなった口の中をさっぱりさせてくれます。パッタイにもついてくるおなじみのタイ野菜です。
■腸粉
MRTワット・マンコン駅を降りてジャルンクルン通りを少しフアランポーンの方に戻ると、お寺 (Canton Shrine) があります。その前の辺りで午後3時から営業を始める屋台「ジェーエン (Jay Eng)」で "腸粉" をいただきました。オーダーはメニュー写真を指差しでOK。
見た目は幅広ライスヌードル "センヤイ" のようですが、大きな蒸し器で蒸し上げた麺はもちもち感が段違いに強く、これはまさに飲茶でいただく腸粉の食感。
35バーツ/120円 (当時) でボリュームたっぷり。もやし、ニラ、ネギ、豆腐、さつま揚げ、天かす (脂かす?)、そして小海老と、お皿の上はかなりにぎやか。
味付けはシーイウダム (黒醤油)。黒醤油は甘口でカラメルのようなコクがあって、日本にはない味。卓上の粉唐辛子をぱらりと振りかけていただきました。小海老の香ばしいアクセントも相まって、本当に美味しかったです。
■トムヤムヌードル
バンコク中華街 (ヤワラート) にはいろいろ人気の屋台がありますが、トムヤムヌードルといえばここ、「ヒアピン (Hia Ping)」がかなり有名。
なんといってもトッピングが10種類も載っていて、麺7種類✕スープ4種類、すべて50バーツ/170円 (当時) です。
初回は定番のトムヤムスープとバミー (中華麺) の組み合わせをいただき、後日また違う組み合わせでいろいろ楽しませいもらいました。
スープはMSG未使用で自然な美味しさですが、旨味感もやや控えめなので、ヤワラートのいろんなお店にくらべたら、味自体はちょっと地味な印象があります。でも麺も多めだし、とにかく50バーツでこのボリューム感、見た目のにぎやかさは特筆モノ。
ベースのスープは少し甘めですが、その分トムヤムペーストがかなりパンチが効いています。唐辛子の香りがすごくいいんですよね。辛味もかなりのもの。少しずつ溶かしながら、味の変化を楽しみつついただきました。
■トムルアッドムー
トムルアッドムーは、豚 (ムー) の血 (ルアッド) を固めたゼリーと、豚肉・豚モツがたっぷり入ったスープです。タイでは定番の朝食のひとつとして親しまれているそうですが、朝からこのガッツリ感はどうなんだろうと思いつつ、今回初めていただきました。
土曜の朝、向かったのはBTSサナームパオ駅。電車を降りたら少し南下して、Soi Phahon Yothin 1 を西に入っていくとほどなく左手に屋台が見えてきます。お店の名前は「トゥイおばさんのトムルアッドムー・ソイルアチャー」。
テーブルはどこか座れそうでしたが、前の日の晩に降った大雨のせいで蒸し暑い朝だったので、この日はテイクアウトにしました。いつもながら、熱々スープをビニール袋に入れるスタイルには驚かされます。家に持ち帰ってもスープはまだ熱く、温め直しせずにいただくことができました。
スープはポークの旨味に軽く醤油で味つけした、万人が食べやすい味。豚の血はさほどクセもなく、パクパクいける感じ。豚モツは臭みがなく、豚肉団子は混ぜもの少なめで自然な食感と美味しさでした。これは人気店なのも納得。ま、朝食には少々ヘビーでしたが。
■ラープ (ラープペッ・ヤソートーン)
アヒル肉とハツを荒く刻んだもの。ラープにしては肉片が大きめなので歯ごたえがよく、お肉の旨味がしっかり味わえる、素晴らしい一皿でした。これは本当に美味しかったです。ヤソートーンはイサーンの県のひとつ。値段80バーツ (当時)。最寄りBTSチョンノンシー駅。
ここではタムスアもいただきました。ソムタムにカノムジーン (お米を発酵させて作ったタイ風の素麺) を入れた料理です。
ソムタムタイは「ナンプラー」とニンニク、トマト、ライム、ココナツシュガー、干し海老などで味付けした、わりとシンプルに甘酸っぱい味ですが、タムスアは基本、ナンプラーの代わりに「プラーラー」を使っていて、甘酸っぱさ控えめ、ナンプラーとはまた違った独特の味と香りがあります。
プラーラーは魚を塩漬けし醗酵させたもので、タイ東北部イサーン料理では一般的な調味料です。ナンプラーは上澄み液を、プラーラーは上澄み液とともに発酵した魚の身も使うそうです。
ナンプラーはきれいな薄茶色 (透明) ですが、プラーラーは濁っているというか塩辛のようなドロドロの見た目。その分ナンプラーよりも旨味と臭みが強く味に奥行きがあり、食べれば食べるほど好きになる (はず)。
■カノムクロック
カノムクロックは、小麦粉と米粉にココナッツミルクと砂糖を混ぜて作ったゆるい生地を、たこ焼き器のような鉄板で片面だけ焼いて作るタイの焼き菓子です。
フライパン接地面はカリカリ、上側部分はトロトロ。焼き立ては熱々なので、あわてて食べると口の中を火傷しそうになります。
そのままでもいただきますが、トッピングとしてコーンや万能ねぎを乗せるのもまた定番。お菓子と軽食の中間のような食べ物です。
屋台ではよく、ふたつを重ねて平たいボールのようにして売られています。カノムクロックはもともと、「愛し合う二人のお菓子」という意味の「カノムコンラックカン」が短くなった呼び方なんだそうです。
■カオパット
バンコク中華街のヤワラー通りをだいぶ西の方に進んだところ (オーンアン運河よりは手前) にある小さな屋台「ウーン (Weng) カオパットプー」。夕方から営業を始める小さな屋台ですが、40年以上続く、カオパットプー (カニ炒飯) の名店です。
土曜の夕方6時過ぎ、この日は雨が降った後だったのでとても蒸し暑く、この場で食べる気にならなかったため、テイクアウトすることに。オーダーは当然、カニ炒飯。
屋台の横に立ってできあがるのを待っていましたが、とにかくご主人がひたすら炒飯を作っています。
調理は1回1人前。丁寧に、そして真剣に、一振入魂で炒飯を作っていきます。期待が高まるとともに、これは時間がかかるなと。
しかし待った甲斐はありました。40分ほどかけて帰宅したのでほんのり温かいくらいまで冷めていましたが、口に入れた瞬間、炒飯の香ばしい匂いと濃厚なカニの匂いがブワッと鼻に抜けました。
塩味もちょうどよい。いやあ、これは素直に美味しいです。100バーツ (当時) にしてはカニもちゃんと入っているし、わざわざ出かけた価値はあったなと。うん、大満足。
■串焼き屋台
「ムーピン」は甘辛く味付けされた豚肉を串に刺し炭火で焼いた、屋台料理を代表するタイの大衆料理。自宅最寄りのBTS駅では毎日のように屋台が出ていたので、よく買って帰っていました。
「カオジー」は、もち米をギュッと平たく固め、醤油 (ナンプラー) などで味つけした溶き卵を表面に塗って炭火で焼いた、タイ風焼きおにぎりです。
タイ東北部 (イサーン) の名物だそう。露店で焼き鳥・串焼きと一緒に売っているので、ご飯とおかず合わせて買うのが吉。数あるタイの地方料理の中でも、東北料理はとくに好きでした。
焼き卵 (卵の串焼き) はよくお腹を壊すと聞いていたので、結局最後までトライしませんでした。実はちょっと心残り。