A Dog's World 

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環境破壊との戦い@アラル海

ウズベキスタン現地紙によれば、高塩分土壌であるアラル海の乾燥湖底で現在、高い耐塩性をもった植物の栽培実験が行われているそうです。

これはウズベキスタン生態・環境保護・気候変動省によるプロジェクトで、干上がったアラル海の生態系回復に有望な植物種を探る科学実験です。

現地調査の結果、高い生存能力を示した最も有望な植物のひとつは、アルンド・ドナックス (ダンチク) でした。

実験区域の地下水位は約 2 メートルの深さにあることが判明し、アルンド・ドナックスの根は 1 年目にしてすでにこの深さまで達していることが観察されました。

これにより、植物は持続的に成長することができます。この植物は本来湿気を好みますが、塩分を多く含む環境にも適応を見せました。

このプロジェクトは、アラル海地域の生態学的状況の改善、砂嵐の抑制、そして生物学的回復による地域の生態系の安定化に向けた、重要な科学的根拠を生み出しています。

今後は、この結果をもとに大規模な造園工事を実施していく予定だそうです。一日も早く実現してほしいですね。

乾燥湖底で植物が育てば砂嵐の発生も軽減されるでしょうから、塩分を含んだ砂嵐による健康被害も抑えることができるでしょう。

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ウズベキスタンのプロジェクトでアシスタントを募集した際、書類選考のあと何人か面接しましたが、ひとりは子供の頃カラカルパクスタンからタシケントに移住した方でした。

アラル海の環境破壊による漁業の衰退やその後の砂嵐による健康被害など、ご両親はその方 (子供) の将来を案じ、カラカルパクスタンを離れることを決断したそうです。

カラカルパクスタンでは、環境が厳しく生活も楽ではないが、現地を離れる選択はしたくないという声をたくさん聞きました。

こういう人たちが将来に希望を持てるようなプロジェクトがたくさん実施されていくことを期待します。

※参考過去記事:4回目のカラカルパクスタン (1) 風景