A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

メッカ巡礼の費用@ウズベキスタン

イスラム教徒にとって一生に一度は行いたい、メッカ巡礼 (ハッジ) のシーズンが今年もやってきました。ウズベキスタンからは5月13日、第一陣が飛行機で旅立ったそうです。

ウズベキスタンには毎年約15,000人分のハッジビザが供給されます。これはそう多くはない数字。なのでハッジに申し込んでから順番がまわってくるまで、数年待つのは当たり前なのだそう。

ハッジは正規のツアー会社に申し込んで行かなくてはなりません。現地には世界中から200万人以上のムスリムが集まりますから、現地滞在日程は綿密かつ厳正にアレンジされなくてはならないからです。

新型コロナ禍が明けて以降は、ハッジのツアー代金がかなり高騰しているそうです。ウズベキスタンもそれは同じで、現地メディアによれば、2019年に3,330万スム (約40万円) だった料金が、次のように値上がりしているそうです。

・2019年:3,330万スム (約40万円)
・2022年:6,290万スム (約75万円)
・2023年:6,876万スム (約82万円)
・2024年:7,397万スム (約88万円)
・2025年:7,867万スム (約94万円)

ツアー代金には次のものが含まれます。全部で1ヶ月近い行程ですし、たしかにこれだけのことをやってくれるなら、それなりの価格になってしまうのかもしれません。

・ハッジビザ
・飛行機代 (ウズベキスタン~サウジアラビア)
・指定ホテルの宿泊代
・サウジアラビア国内移動 (メディナ~メッカ~ジェッダ)
・巡礼者用医療保険
・食事 (1日3食)
・聖地巡礼案内
・24時間医療サービス (緊急移送含む)
・神に捧げる犠牲 (クルバーニー)
・ザムザムウォーター5リットル
・ウズベキスタン国内の送迎
・ハッジトラベルキット (ベストとバッグ含む)
・ハッジガイドブック

数日前のローカルニュースで、ウズベキスタン人の平均月収が、2024年は530万スム (63,600円) を超えたとのことでした。前年比17.4%増だそうです。ただしタシケントの平均は910万スム (109,200円) で、全国平均を大きく上回っています。

多くのウズベキスタン人にとっては、ハッジ1回のツアー代金は年収よりも高いことになります。日本人の平均月収を36万円 (=年収432万円) として、日本からのハッジツアー代金が200万円~と言われているので、ウズベキスタン人にとっては、より金銭的負荷が大きいことになります (身内・親戚も援助してくれるそうですが)。

それでもやはり、誰もが一度は行きたいと切望するのがハッジなんですよね。なお、巡礼月以外にメッカに行くのはウムラといって、ハッジとはまた別の扱いです。ウムラの方がまだ料金は安いので、あえて (あるいはやむなく) ウムラに行く人もたくさんいます。

※参考過去記事:酷暑のメッカ大巡礼2024