【朝ラーメン】*Wikipediaより
朝ラーメン (あさラーメン) とは静岡県旧志太郡 (藤枝市、焼津市、島田市) や福島県喜多方市で見られる朝からラーメンを食べる習慣をいう。朝ラーと略される場合もある。
静岡県旧志太郡周辺は「茶どころ」であり、新茶シーズンとなる4月からは、農家や問屋が日の出前や早朝から仕事をしている。こういった茶業者が早朝の仕事を終えてから朝食としてラーメンを食べていた。藤枝市の「マルナカ」(1919年創業) が、早朝営業と朝ラーメンの発祥と言われている。
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藤枝の朝ラーを知ったのはもう10年以上前のこと。以来、日本に帰国するたび、1年に一度くらいは通っています。
そして今回も行ってきました、マルナカに。藤枝では他の朝ラーのお店にも行ったことはありますが、結局マルナカに戻った感じ。
少なくとも静岡で言うところの朝ラーは、朝イチでも食べられる油/脂の少ないさっぱりしたラーメンのことだと思います。
そういう意味では、やはり元祖のマルナカが出すものが、朝ラーメンの典型と言えるでしょう。温かいラーメンはマイルドなさっぱり醤油味。本当に油気なし。
麺も食べやすく、量はそこそこありますが、1杯はペロリです。多くのお客さんが冷たいラーメンも一緒に頼んでいるのも納得 (もちろん自分も)。
こちらが冷たいラーメン。スープは少し甘みのある醤油味で、こちらもマイルドでスルスルと胃袋に収まります。添えられたワサビがなんとも静岡的。
中華そば、冷やしラーメンともに、味の構成はシンプルの極みだと思います。変な言い方ですが、美味しすぎないのが逆に良い。何度食べても食べ飽きません。
今回も大変美味しくいただきました。10年で少しずつ値段も上がりましたが、未だに中華そば650円、冷やしラーメン750円は企業努力の賜物だと思います。ありがたや。
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さて、打って変わってこちらは全国チェーンの山岡家。24時間営業の店舗では朝ラーメンを販売していると聞いてはいましたが、今回ついに食べてきました。店舗は富士店。
こちらが山岡家の朝ラーメン (朝5時から11時まで)。スープはちゃんと朝ラーメン用に、さっぱり目の豚骨スープに仕上げているそう。お値段なんと550円。
たしかに油/脂は少なめだったし、豚骨スープもクセ少なめ。添えられた練り梅もいい感じ。ただし、塩気が強すぎました。朝からこのしょっぱさは少々辛かったです。
ちなみにこちら (↓) が山岡家の塩豚骨。油/脂はガッツリ、でもむしろこちらの方が、塩気控えめで背脂の甘味もあって、スープをスルスル飲めてしまう感じでした。
山岡家も悪くはなかったですが、やはりそもそも朝ラーメンとはなんぞやと思い返しました。
朝ラーメンとは、朝から営業しているラーメン屋 (で食べられるラーメン) のことではありません。
あくまで朝から食べられる、胃にもたれないさっぱりしたラーメンのことです。ここは大事。
山岡家は朝専用のラーメンを作っていて、しかも塩・醤油系ではなく豚骨スープですから、そのチャレンジ精神は大いに評価したいです。
ただ、自分が朝ラーとして豚骨ラーメンを食べたいかと言われたら、やはりなんとも。そして結局マルナカに戻るわけです。100年来の老舗の味は揺るぎない。