世界では普通に食べられているのに、日本食ではあまりなじみがないという食材はたくさんあります。骨髄もそんなもののひとつでしょう。
ウズベキスタン料理はスープの種類も豊富ですが、大ぶりの骨付き肉が入った「カイナトゥマ・ショルバ」は、見た目も食べごたえも大満足な一品です。
ウズベキスタンに来た当初からよく行っているレストラン「サルドバ」のカイナトゥマ・ショルバ (↓)、38,000スム/456円。
お肉たっぷりであいかわらず美味しいなと、スープを存分に堪能した後、ついでにこの大きめの骨も写真に撮っておこうと、シャッターを切っていました。
別のある日、去年の後半から訪れるようになったレストラン「チュプチマ」で、ラムのカイナトゥマ・ショルバをいただきました (33,000スム/396円)。ここは牛もあります。
骨からお肉を外し、骨はお皿の上に出してから、おもむろにスープを平らげました。ああ美味しかったと満足していたところ、ここで店員さんが話しかけてきました。
どうやら骨を手に取りお皿に叩きつけろとジェスチャー混じりに言っています。こちらもしばらく考え込んでから、ようやくはたと気がつきました。
そう、骨髄を取り出して食べろと言われていたのです。ふむふむ、そう言えば骨髄って食べられるんだよなと、あらためて思い当たり、いざ決行。
しかし悲しいかな、カチャカチャ軽く叩きつけても骨髄はまったく出てこず。店内に音が響くし、こちらも遠慮がちでした。
結局スプーンの柄でかき出し、パンにつけていただきました。トロリと濃厚で美味しかったです。珍味の部類かな。でも確かに美味しかった。
今までカイナトゥマ・ショルバを何度かいただきましたが、骨髄を味わったのは初めてでした。これは随分もったいないことをしたなと。知ることができて良かった。
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その日の夜、スープ⇒骨⇒骨髄、と考えていたら、あるものを思い出しました。インドネシアの骨髄スープ、ソプ・スムスム (Sop Sumsum) です。
スムスムはインドネシア語で骨髄。スープよりも骨がメインで、器に盛られた見た目はほぼ骨、申し訳程度にスープも入っていますといった料理です。
牛の骨は太く骨髄もたっぷり。それを吸い出すための金属のストローも必ずついてきます。味わいは濃厚で、インドネシア料理の奥深さをあらためて感じた一品でした。