A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

イフタールセットでラマダン気分

3月1日 (正確には2月28日の日没) からラマダン入りしたウズベキスタン。職場の食堂も閉鎖され、自然とお昼抜きになっている今週。まあこっそり水は飲んでいますが。

仕事終わりにローカルのファストフード店に寄って「イフタールセット」を買って帰るのが、ここ数日間のささやかな楽しみです。

EVOS: イフタールセット

Oqtepa Lavash: ラマダンボックス

このふたつ、普段のセットメニューと何が違うかというと、デーツとザムザムウォーターがついているんです。

一日の断食を終え、最初に口にする食事「イフタール」は、いきなりがっつかず、まず胃に優しいデーツと水を摂りなさいというわけです。ありがたや。

「ザムザムってなに?」と思われた方に、過去記事から抜粋してご紹介。

ザムザム

サウジアラビアのメッカにある聖なる泉「ザムザム」をご存じでしょうか。イスラム教徒の説話によれば、アブラハムが妻ハガル、息子イシュマエルとともにこの地に来たとき、神はのどが渇いて泣き叫ぶイシュマエルを憐れみ、彼が砂を掘ったところにこの泉をわき出させたのだそうです。

現代でも、メッカへの巡礼者はこの泉の水を飲み、また故郷に持ち帰るなどします。巡礼シーズンには、サウジアラビアの他の都市でも「Zam Zam Water」というペットボトル水が売り出されます。

健康に良いと言われ1度買って飲んだことがありますが、「普通の水だなぁ」と罰当たりなことしか思いつきませんでした。ただ、おそらく2000年以上も砂漠地域でわき続けている泉なので、逆に普通の水であることは驚嘆に値することかもしれません。

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2002年の夏、ヨルダンの現地紙に「イランのザムザムコーラ、メッカ巡礼者ののどを潤す」という記事が載りました。ザムザム社は以前、アメリカのペプシコーラ社と提携関係にあり、イラン革命によって関係が途絶えた後も、独自にザムザムコーラを製造・販売していました。

2001年の9.11米国同時多発テロを発端に、アラビア湾岸諸国ではアメリカ製品不買などかつてない反米運動が起こりました。その一環で、サウジアラビアではコカコーラとペプシコーラの不買 (ボイコット) が決められました。

もともとコカコーラ社はユダヤ資本ということで、アラビア半島の市場に入ったのは1994年にGCC (湾岸協力会議) が対イスラエル経済ボイコットを停止して以降ですが、その分ペプシコーラが国民飲料と言って良いくらい普及していました。

お酒がない分、食卓やパーティーでのペプシの登場回数は圧倒的に多かったと思います。そういったわけで、すっかりコーラの味が根付いたアラビア半島で、ザムザムコーラは千載一遇のチャンスを得たわけです。

現在では中東諸国だけでなく、ヨーロッパにもザムザムコーラが輸出されているそうです。ザムザムグループのホームページもありますよ (⇒コチラ)。

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ちなみにウズベキスタンにも国産の「ミッリーコーラ (National Cola)」がありますよ (⇒コチラ)。お酒を飲まない国ではコーラが定番飲料ですね。

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【追記】
Maxway:イフタールセット

マックスウェイのイフタールセットは期間限定特別メニューというだけで、デーツとお水はついてきませんでした。残念。でもドネルケバブはファストフード店とは思えないほど美味しかったです。