前日にウズベキスタンとインドネシアの白ご飯事情を投稿し (⇒コチラ)、自分はインドネシアではよくお米を食べていたと書きました。
東南アジアの国ならどこもそうかもしれませんが、タイもインドネシアに負けず劣らず、お米をよく食べる国です。
「カオ・○○」(カオ=ご飯) という料理がたくさんあって、それらはインドネシア料理よりも多彩かつ洗練されているのかなと思ったり。
以下、自分がタイで食べていたご飯物の料理です。カオパット (パット=炒める) は具材を変えれば無数のバリエーションがあるので、いくつか代表的なものを。
■カオパット (炒飯)
食堂や屋台で1皿40バーツ (当時140円) くらいから食べることができました。あまりにも普通すぎて、自分はそれほど食べていたわけではありませんが、「路上の屋台に名店あり」なんてことも言われていて、確かに今から思えばどこも美味しかったなと。もともとタイ米は軽い食感で香りも香ばしいですからね、炒飯にはうってつけ。
■カオパット・プー (カニ炒飯)
カオパットのポピュラーな具材、プー (カニ)。レストランのメニューもデフォルトでカニだったり。タイ時代はもしかしたら人生で一番カニを食べていたかも。
■カオパット・タレー (魚介炒飯)
カオパット・クン (またはグーン/エビ) もいいですが、せっかくならいろいろ入ったタレー (シーフード) がおすすめ。
■カオパット・ナムリアップ (中国オリーブ炒飯)
タイで最後に食べた料理がこれでした。中国オリーブ (橄欖/カンラン) のひとクセあるようなないような、やや通好みな味わいが大好きでした。
■カオパット・その他いろいろ
アメリカン、黒醤油 (祖母のカオパットという名前でした)、レッドポーク (叉焼)、クンチアン (ねっとり甘い中国ソーセージ)。
■カオオップ・サッパロット (パイナップル炒飯)
見た目がにぎやかで、カレーパウダーの香りは南国チック。でも中華ソーセージ、パイナップル、それにムーヨン (豚でんぶみたいなの) がそれぞれ甘いんですよね。タイの甘い (&辛い) カレーは大好きですが、甘い炒飯はいまいちピンと来ませんでした。食べたのは2回だけかな。これもカニが載っていました (なので値段は高かった)。
■カオマンガイ (タイ風海南チキンライス)
個人的にはタイで食べたご飯物トップスリーです。カオカームー、ガパオライス、そしてカオマンガイ。見た目はシンプルの極みですが、お店によって味わいが意外と異なるため、食べ歩いて自分の好きなお店を探す楽しみがありました。(写真1枚目:ピンクのカオマンガイ)
■カオカームー (豚足ご飯)
大鍋でトロトロになるまで煮込んだ甘辛の豚足をたっぷりご飯にかけたカオカームーは、うだるような暑さのバンコクで食べてこそ美味しい。若かりし頃、旅行中に食べて衝撃を受けたその味をずっと忘れられずにいましたが、後年ついにタイに住むことになり、ようやく飽きるほど食べることができたのでした。
■カオパットガパオ (ガパオライス)
タイ赴任当初は食わず嫌いでぜんぜん食べなかったのですが、後半でその美味しさに目覚めてからは、頻繁に食べるようになりました。新型コロナ禍だったので、テイクアウトやコンビニ弁当が多かったです。何度食べても食べ飽きない、奥の深い料理でした。お肉は豚・牛・鶏・鴨・ハムなどいろいろ。主役はガパオ (ホーリーバジル)。
■カオムーデーン (叉焼ご飯)
ムーデーン (レッドポーク=叉焼) を載せたご飯。赤くて甘ったるいタレのお店も多いのですが、もっと茶色くて深い味わいのタレを売りにしているお店も。ヤワラート (バンコク中華街) にあったそんなお店のものが好きでした。
■カオモックガイ (タイ風チキンビリヤニ)
ターメリックライスにチキンを "隠した" 料理 (モック=隠す、ガイ=チキン)。言わばタイのチキンビリヤニです。辛くはなく、カレースパイスの香りが大いに食欲をそそります。味付け・盛り付けはお店によっていろいろ。本当はチキンを隠しておかなければならないので、写真1枚目のお店「アハマド・ロッディー」が正統派。
■カオナーガイ (チキングレイビーご飯)
サイコロカットのチキンをグレイビーソースで煮込み、ご飯にたっぷりかけた料理。見た目は味が濃そうですが、実際はとても優しい味わいで、しみじみ美味しかったです。胃が疲れている時にうってつけの料理。お店はバンコク旧市街にちらほら。
■カオナーペッ (ローストダックご飯)
アヒル (ペッ) の煮込みまたはローストをご飯に載せ、お店秘伝のタレをかけていただく料理。自分は甘辛ダレのローストダック派。これも好きなタイ料理のひとつでした。というかタイ中華ですね。これがメニューにあるかどうかは、店頭にアヒル (焼き or 茹で) を吊るしてあるのですぐわかります。
■カオナーヌアトゥン (煮込みビーフご飯)
ご飯に煮込んだビーフ (ヌアトゥン) を載せた (添えた) 料理。ガオラオヌア (モツも含めた牛肉の煮込み) のお店にはだいたいあるのかな。東北タイの人は牛肉を食べないそうです。牛は農耕のための貴重な資産であり、食べる対象ではないと。
■カオゲーン (スープ/カレー掛けご飯)
タラート (市場) のフードコートによくある、いわゆるぶっかけ飯。ゲーンはカレーを含むスープ料理。タイではカレーもスープも同じカテゴリーのようです (パネーンはもっととろみがあってカレー寄り)。たくさん並べられたおかずの中から指差しでオーダーします。2種類載せても50~60バーツほど。写真はオートーコー市場。
■カオヤム (ライスサラダ)
直訳は「混ぜご飯」。ライスサラダとも言われます。具材を細かく刻む伝統的なレシピのものも美味しいですが、なんといっても「オーカジュ」の新鮮野菜たっぷりのカオヤムが最高に好きでした。これを食べるためにいつかまたタイに行きたい。ご飯がわかりやすい別のお店の写真も載せておきます。
■カオクルックガピ (エビ風味炒飯)
小エビの発酵調味料「ガピ」で味付けされたご飯は、小エビの旨味と香ばしい匂いが食欲をそそります。ご飯を取り囲むのは豚肉の甘辛煮、揚げ干しエビ、薄焼き卵、青マンゴー、キュウリ、紫タマネギ、チリなど。
■カオプララームロンソン (タイの伝統料理)
「王様の沐浴」という名の伝統的タイ料理だそうですが、オフィスの若いタイ人スタッフに聞いたら、彼らはまったく知りませんでした。普段食べるタイ料理と違って、ピーナッツソースが新鮮で美味しかったです。
■カオニャオマムアン (マンゴースティッキーライス)
もち米とマンゴーのデザート。近年は日本でもよく知られるようになりました。ご飯の後に食べるデザートとしては少し重たいですが、甘酸っぱいマンゴーとココナッツミルクの風味にそそられて、ついつい食べてしまうんですよね。バンコクは各所に名店・人気店がありました。
下の写真1枚目はジャックフルーツ (カヌン) と組み合わせたもの、2枚目はドリアンと。食べくらべると、やはりマンゴーが一番かな。
■カオトム (雑炊) & ジョーク (お粥)
ドロドロのお粥「ジョーク」に対して、カオトムはサラサラした雑炊といった料理。とくに魚介類との相性がいいです。写真はヤワラートのお店「祥記魚湯」。牡蠣が新鮮プリプリで美味しかった。
こちらがジョーク。見るからにドロドロ。でもこれがまた美味しいんです。専門店は早朝から開いていますが、ミートボールやピータンなんかが入っていて旨味が強め、朝から食べるには少々ヘビーでした。
■カオホーバイブア & バチャーン (タイ風ちまき)
バイブア (蓮の葉) で包んだタイ風ちまき。醤油系の味付けご飯に鶏肉、カイケム (塩卵) の黄身、中華ソーセージ、干し椎茸、干し海老、豆類、蓮の実、栗、ナツメ (かな?) など具材がたっぷり。これは普通米でした。
もうひとつのちまき、バイトゥーイ (パンダナスの葉) で包んだバチャーン。お米は普通米ともち米どちらも。自分はもち米の方が好きでした。
■カオジー (タイ風焼きおにぎり)
タイ東北の焼きおにぎり (写真の丸くて平たいやつ)。ほのかに甘しょっぱくて素朴な美味しさです。露店で焼き鳥・串焼きと一緒に売っているので、そちらと合わせて買うのが吉。写真はBTSプロンポン駅高架下の屋台。
■カオチェー (タイ風水茶漬け)
見た目にも涼し気な、タイ風水茶漬けのカオチェー。一度食べたかったのですが、季節限定のところ (ソンクランの一番暑い頃)、タイミングを逃してしまい最後まで食べることができませんでした。タイはこれだけが心残り。写真はレストランのHPから。
■白ご飯
おかずと一緒に頼んだ白ご飯の写真を。普通米がカオスワイ、もち米がカオニャオ。もち米が多かったですかね、自分がよくタイ東北料理のお店に行っていたからかもしれませんが。たまに紫米も。
インドネシア料理とくらべて、なんだかやけに写真がきれいだなと、あらためて思いました。みんなカラフルです。野菜も自然とたっぷり食べられたし。いいなあ、タイ料理。。