A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

何が出るかな@コブルマラグマン

このブログでも時々、ウズベキスタン料理はどのお店で食べてもほとんど同じということを書いています。

レシピが完成し固定化されきっちり普及しているので、どこで食べても一様に美味しく、ハズレはあまりありません。

一方で、極端に不味くもなければ群を抜いて美味しいお店があるわけでもない、という捉え方もできたりします。

ここに不満を言うのは贅沢かもしれませんが、どこで食べても新鮮な驚きはないため、そのうち味に飽きてしまうというわけです。

例えばラグマン (スープラグマン)。下の写真の12店、具材と盛り付け、そして味、どこも似通っています。みんな美味しいですが、逆にここが一番とは言いにくいかも。

何度も言いますが、間違いなく良いことなんですけどね。ただ、もうワクワク感はありません。「こういう味だろう」と予想した、そのとおりの味なんです。

Anor・Tarnovboshi・Sardoba・Gulja

Lagman House・Bodomzor・Anjir・Qorasaroy

Caravan・Shoxona・Lagmonxona・Hoshang

さて、そんなウズベキスタン料理にあって、自分が知る限りひとつだけ、お店によってだいぶ違いが感じられるものがあります。

それが、コブルマラグマン (フライドラグマン)。 おそらく一番ベーシックなレシピは、大きなウズベク料理店の店頭でよく見る、大鍋に作り置きされたアレ。

トマトベースでオレンジ色、ソースは少なく、麺は短めに切られています。具材はシンプルにお肉 (+タマネギ)。盛り付けはたいてい卵焼きがトッピングされています。

油っぽいですが、食べ心地はボソボソであまり旨味は感じられません。個人的にはナポリタン系と呼んでいますが、もちろん日本のナポリタンとは似て非なるもの。

昔食べた、粉末ソースのママーのナポリタンを思い出すような味で、あまり美味しくないのが逆に郷愁をそそる感じ。おすすめはしませんが、個人的には嫌いではないです。

Anor

Tarnovboshi

Lagmonxona

Hoshang

続いて、ナポリタン系の油・トマト増量版。お皿にべったり油が残るほどたっぷり油を使い、トマト (カットトマト、原型を留める) も量が多め。

油とトマトのジューシーさで麺がスルスル喉を通ります。見た目は油ギトギトですが、不思議とこれが美味しく感じられるウズベキスタン料理の妙。

Qorasaroy Lagmon

Sardoba

Dunyo Kafe

さらに、ナポリタン系にカット野菜 (トマト・ピーマン・白菜・他) が入っているもの。スープラグマンの味に近く、食べ心地はジューシー。

こうなるともう「汁なしラグマン」とも言えますが、麺に焦げ目がついているので (度合いはお店による)、小麦の香ばしさが増して美味しさアップ。

Soy

Bogi Zilol

Lagman House

Anjir

コブルマラグマン第二の主流レシピは、トマト系ではなくお醤油を感じさせる味付けです。中華料理寄りで、個人的には焼きうどん系と呼んでいます。

お店の看板に「Uyghur Milliy Taomlar (ウイグル郷土料理)」と書かれているとこちらの味付けが多いように思います。

単に「Milliy Taomlar (郷土料理)」は純ウズベク料理のお店で、ナポリタン系。(※自分の経験からです、例外はあると思います)。

Bodomzor

Gulja

Diyar

いかがでしょうか。これほど一定しないウズベキスタン料理はとても珍しく、ナポリタン・ボソボソ系を除けば、どれもお店ごとの味わいを楽しむことができます。

そもそもナポリタン系と焼きうどん系と、二系統あるのが他の料理にはない特徴で、「このお店は何が出てくるのだろう」と注文後にドキドキする感覚がたまりません。

ラグマンとコブルマラグマン、最初は圧倒的にラグマン派でしたが、いつの間にかコブルマラグマンの方が気になるようになっていました。

今のところナポリタン系ではQorasaroy、焼きうどん系ではGuljaが個人的には一番好きです。両者の頂上決戦は甲乙つけがたし、まるで別物なので。

コブルマラグマンの場合、もっと美味しいお店があるのではないかと、そう期待させてくれることが嬉しいです。さて、次はどのお店に行って食べようか。