凄惨なシーンの連続なのに、主人公の心情に思わず胸が締めつけられる、タイの伝説的スプラッタームービー「人肉ラーメン」が、デジタルリマスター版で10月11日 (金) から東京シネマート新宿ほかで公開されるそうです。
あまりの残酷さに国内ラーメン業界からクレームが入り、タイでは10分以上カットした短縮版で2009年に公開された本作。自分はバンコク滞在中に観ました。
感想はコチラに書きましたが (ネタバレあり)、つねに愛を求めて生きてきた孤独な女性の、哀感漂うセンチメンタルスプラッターホラーです。必ず記憶に残る1本になるはず。
ただし全編血まみれ肉まみれ、グロ描写はかなりのものなので、スプラッター映画に慣れていない人は要注意です。
感想記事には主人公の境遇を箇条書きしましたが、全部合っているかはわかりません、記憶力と想像力で書いたところもあるので。自分もちゃんと日本語字幕で観たいなあ。
ちなみにポスター下部の血まみれ少女は、若き日の Pimchanok Luevisadpaibul (Baifern)。ホラー映画はタイでも若手スターの登竜門なのかもしれません (本作ではチョイ役ですが)。
(※下のトレーラーは当時のものです)
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ホラー映画にも "感動・泣ける・切ない" ストーリーがないわけではありません。どちらかというと "心霊もの" にそうした作品が多いでしょうか。「エクソシスト」や「死霊館シリーズ」も、自己犠牲の心であったり、過去の因縁があまりにも悲しかったり。
さすがにスプラッターで泣ける作品て、なかなかないのかもしれません。ストーリーよりも惨殺シーンをどう見せるかで勝負していますし。なので本作「人肉ラーメン」は、本当に貴重な一作です。
これだけゴリゴリのスプラッターなのに、あれだけ狂った殺人鬼なのに、いつの間にか主人公に感情移入していますから。そして最後は涙を禁じ得ないという。あらためて、タイ映画のレベルの高さを知った作品でした。
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おすすめタイ映画のページであげた個人的に好きな10本にも、人肉ラーメンを選んでいました。タイ映画はラブコメとホラーがおもしろい。(結局どれもおもしろいけど)
・ラブコメ:フレンドゾーン (主演女優バイフォーンの魅力)
・ラブコメ:One Day/一日だけの恋人 (最後は泣きました)
・青春:Where We Belong/わたしたちの居場所 (青春残酷物語)
・学園:May Who? (バカバカしくも最高に熱い青春コメディ)
・初恋:First Love (主演2人のみずみずしさ、ベストカップル)
・LGBT:Love of Siam/ミウの歌 (ジャンルを超えた永遠の名作)
・人生:すれ違いのダイアリーズ (タイ映画にハマったきっかけ)
・ホラー:人肉ラーメン (極悪スプラッターなのに哀愁漂う名作)
・ホラー:Buppah Rahtree (ホラーなのに笑えて泣けるカルト作)
・コメディ:Citizen Dog (オフビートで不条理、もはやアート系)