A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ご飯をおかずにパンを食べる@ウズベキスタン

ウズベキスタンのパン「ノン 」は単に主食のひとつというだけでなく、ウズベキスタン文化、ウズベキスタン人の精神性の象徴でもあります (⇒過去記事:パンをちぎる)。

食事の際にノンをちぎり、みんなで分かち合うことに大きな意味があります。家族や友人、同胞だけでなく、時には見知らぬ異邦人とですら、寛大な心でノンを分かち合う。

もしかしたらウズベキスタン人も、普段はそんな仰々しいことは考えておらず、とにかく食事にノンは欠かせないという一心かもしれません。だって美味しいんですから。

レストランで食事をすると、何を頼むにしてもほとんどの場合、「ノンは?」と聞かれます。自分はシャシリクなら当然イエス、フライ料理でもほしくなりますね。

でもこれがお米料理であるプロフだと、かなり勝手が違ってきます。なにしろダブル炭水化物になってしまいますからね。

プロフ店でも「ノンは?」と聞かれることがほとんどですが、時には何も聞かれぬままノンが一緒に運ばれてくることもあり、当初はかなり戸惑いました。どう食べればいいんだよと。

プロフとジザフサムサ (手のひら大のサムサ) を頼んだ際、問答無用でノンがついてきた時は、さすがに驚きました。やはり彼らにとっては、食事でノンを食べないなんて考えられないのでしょう。

そんな自分も近頃では、「ノンは?」と聞かれたら勢いでイエスと返し、プロフにノンを合わせてみたりしています。少しはウズベキスタン人の気持ちがわかるかなと思って。

ただし、食べた方がよくわかっているわけではありません。なんとなく、プロフを口にしてすぐにノンをひとかけ口に放り込んではいますが。

周りのウズベキスタン人を横目で見てみると、そうやって同時に食べている人もいれば、ノンは最初だけとか口直しとか、単体で食べているような気がしないでもありません。

いずれにしてもわかったことは、ご飯 (プロフ) をおかずにパン (ノン) を食べる、これって意外といけるものなんですね。

まあでもウズベキスタンのノンだからだろうな。ノン自体がまず美味しいですから。逆に美味しすぎるせいで、ディップ料理が発達しなかったのではないかと思うほど。

アラブ料理はホンモス (ひよこ豆) やムタッバル (なす) など、ホブズ (パン) につけて食べるディップは美味しいものがそろっていました。

何を食べても美味しいウズベキスタン料理ですが、ディップがないこととカレーがないことだけは、ほんのちょっと不満かも。