A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

海外床屋事情

ちょっと髪が伸びていたので、久しぶりに日本の床屋で髪を切りました。これまで住んだ国ではもちろん現地の床屋に行っていましたが、散髪代は1000円以下のお店が多かったので、日本で1回5000円とか払うとさすがにビビりますね。

現在、ウズベキスタン。実は今までで一番散髪代が高く、1回20万スム/2400円です。日本人に紹介してもらったお店なので、たぶんかなり良い床屋のはず。もっとローカルなお店 (=安いお店) で十分なのですが、自宅のすぐ近くということもあり (写真)。

これまでの国の散髪代、タイは1回300バーツ/1050円 (当時)、インドネシアは700円くらい、フィジーは200円、トンガはずっとバリカンで自前散髪。さらに前の中東・エチオピア時代はどこも400~500円だった記憶が。

インドネシア (ジャカルタ) 時代、同じ事務所の日本人スタッフによっては、日本人がいる床屋 (美容院) に行って、1回5000円で散髪している人もいました。高いですがその分、明らかに仕上げは良かったですね。

700円の自分はいつも何をどう注文しても、北の指導者のような髪型にしかなりませんでした。誰かに見てもらおうというものでもなかったので、自分は全く気にしませんでしたが、周りの日本人からは「もう少しなんとかしたら?」と言われたことも。

ちなみに、トンガ時代になぜ丸刈りだったかというと、ちゃんとした床屋がなかったというのもそうですが、その前のサウジアラビアで図らずもそうなってしまい、意外に快適だなと、実は気に入っていたからです。

サウジアラビアのその時の様子はあまりにもネタ感満載だったので、過去に投稿しています。そちらを再録してみたいなと。

中学生以来の坊主@サウジアラビア

床屋に行きました。リヤドはこの頃寒くなっていっそう静電気がひどくなり、ここ1、2週間、服を脱ぐたびバチバチッと髪の毛が逆立ちうっとうしくて仕方ありませんでした。もうひとつ、明日は誕生日なので、「とりあえずサッパリしとくか」みたいな気分もありました。

店に入って散髪イスに座ると、インド人の床屋に「ベリーショート、トップで2センチ」と簡単に伝えました。もともと細くて柔らかい髪質なので、これくらい短くしないと静電気の不快感がなくならないと思ったからです。

すると床屋は、「4センチと1センチのアタッチメントがある」と言いながらバリカンを指さしました。実はメガネをはずすとほとんど見えないので (視力0.1)、「(4センチかぁ、ちょっと長いけど、まぁいいや) じゃ、トップ4センチ、サイドとバック1センチで切ってくれ」と伝えました。

床屋はまずサイドとバックを簡単に刈ってから、アタッチメントを取り替え、おもむろにトップに刃を入れました。すると、バサバサッと意外なほど大量の髪の束がエプロンに落ちてきました。

「ちょっと待って!」 床屋の動きを制止し鏡を凝視しましたが、日没近い店内は薄暗く、自分の視力では顔がまったく見えません。あわてて右手を伸ばし頭をさわると、どう考えても4センチの長さはありませんでした。

「これ4ミリでしょ? 4センチって言ったのに!」 思わず声を荒げると、床屋はちょっと困った顔で、「4センチ (のアタッチメント) はないよ、4ミリだよ」と言います。「あなたは4センチと1センチがあるって言ったんだよ、センチとミリ、違うでしょ!?」 こちらの剣幕に圧倒されたのか、床屋はただ困った顔をするばかりでした。

それからひとしきり床屋に文句を言いましたが、もう彼の思考回路は完全に停止していました。「4センチはないよ、4ミリしかないんだよ・・・」 床屋は泣きそうな声でつぶやき続けました。

別の客が入ってきたのでもう声を出すのは止め、イスにどかりと腰を下ろし、「さて、どうしたものか」と考えました。もちろん、結論は1秒で出ました。もうどうしようもありません、あとは4ミリの丸坊主になるだけです。

「いいよ、もう全部4ミリにしてよ」 ぶっきらぼうに伝えると、ようやく床屋はほっとした表情になりました。出稼ぎ労働者は普段からサウジアラビア人の高圧的な言動に怯えています。自分がインド人をいじめているように見られるのは嫌でした。

というわけで、中学生以来の坊主です。せめて1センチだったらまだなんとか・・・、いや、最初に1センチと言っていたら、きっと1ミリの坊主になっていたな。ちょうど巡礼シーズンで、お客はみんな坊主を注文していたし。。