日本ではあれも食べたいこれも食べたいといろいろ妄想しながら帰国しましたが、やはりなんだかんだ豚肉をたくさん食べました。ウズベキスタンに戻ったらなかなか食べられませんからね。
トンテキもそのうちのひとつ。お店秘伝のタレとニンニクが効いたトンテキを食べながら、やっぱり豚肉って美味しいなと感動しつつ、以前タイにいた時に書いた過去記事を思い出しました。ということで、再録。
トンテキと逆シャアとラーメンの思い出
日曜の昼下がり、プロンポンの "神戸トンテキ" へ。前々から美味しいとは聞いていたのですが、今回初めての訪問。
オーダーは看板メニューのトンテキ (大トンテキ定食:300g=300バーツ/1050円)。ワクワクしながら待つこと数分。すでに店内は満席です。
しかしご飯とお味噌汁に続いて運ばれてきたそれは、明らかにトンカツでした。自分がオーダーを間違えた可能性を疑い、トンカツを前に固まること数秒。
気を取り直し店員を呼んで、「これトンテキ?」と聞くと、周りの店員と顔を見合わせ何やらザワザワ。結局、トンカツは隣のお客さんのオーダーでした。
もともと自分は間違ったものが来ても、それはそれでOKと考える方。根本には間違いを間違いと指摘できない気の弱さがあるものの、思いがけないものの出現は楽しみでもあります。
でも、さすがに日本食屋でそれをやらなくて良かった。自分はトンカツでも良かったけれど、それを待っていたお客さんがいたわけですから。
トンテキはとっても美味しかったです。
* * *
少し前、アソークのターミナル21に「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」を観に行った時のこと。チケットを買って入場すると、シアターの入り口にはなぜか同時期公開の「ガンダムOO (ダブルオー)」の看板が。
本編の上映が始まると、かつて観た逆シャアとは明らかに違いました。ああこれはきっとOOだなとは思いましたが、OOは未見なので、これはこれでOKと思った自分。
しかしすぐに回りの観客数人 (たぶん日本人) が立ち上がりあわてて外に出ていきました。ほどなく上映が止まり、館内に明かりがつきました。
スタッフの説明によれば、システムトラブルのため逆シャアは上映不可。でも、最初から逆シャアとOOを間違えていたんじゃないかと疑ってしまいます。
そのままOOを観ても良いようなことを言っていたと思いますが、他の観客 (たぶんほとんど日本人) がこぞって出ていったのに流されて、自分も席を立ちチケットを払い戻してもらったのでした。
本当はOOを観ても良かったんだけどな。こういうのを貫けないのも自分の気の弱さの一面なのかも。周りに合わせてしまうという。
あの時は、タイ人のゆるい仕事ぶりに日本人としてクレームをつけるべき、とそう周りに強要されているように思ってしまいました。まあ考え過ぎですけど。
* * *
時はだいぶ遡って、学生時代。三鷹のラーメン店に行った時のこと。「へい、お待ち」の声とともにカウンター越しにラーメンが着丼。
しかしいつものラーメン (豚骨醤油) とは見た目がちょっと違います。まあなんでもいいかと思い食べ始めてみると、やはり違う。たぶん味噌 (豚骨味噌)。
ああでも味噌も美味しいなと、脳天気なことを考えつつラーメンを食べる自分。しかしこの後悲劇が。「へい、お待ち」とまたもラーメンを差し出されてしまったのです。
「あ・・・」
自分、今ラーメンを出した店員(①)、さっき出した店員 (②)、味噌のお客さん。四者からそれぞれ小さな声があがりました。各人の心の声は次のとおり (想像含む)。
自分 「あ・・・(ダヨネ)」
店員①「あ・・・(ナンデ)」
店員②「あ・・・(ヤバイ)」
味噌客「あ・・・(クソガ)」
その後、味噌の客はちゃんと味噌を作ってもらい (醤油は拒否)、自分は味噌に加えて出された醤油も食べ、そして支払いは醤油1杯分だったと記憶しています。
だったら自分が一番お得だったじゃんと思われるかもしれませんが、少し日をおいてまた食べに行った時、自分だけ「はい、醤油ですね」と確認されラーメンを出されたのがショックで、もう二度とそのラーメン屋には行けなくなってしまったのでした。
店員に悪意 (嫌味) はなかったかもしれませんが、要注意客として店員に顔をおぼえられてしまったと思い込んだ自分は、それがもう恥ずかしくて。。
そんな昔日のことを思うと、今は言うべき時にはちゃんと言う (少なくとも日本食屋ではちゃんとした日本人としてふるまう) ことができている自分、成長したなと。