先月、ウズベキスタンの古都ヒヴァを訪れた際 (⇒コチラ)、建ち並ぶお土産ショップの中に毛皮の帽子が売られているのをよく見かけました。
ヒヴァの冬はそんなに寒さが厳しいのかと、初日に案内してもらったガイドさんに尋ねたところ、もちろん冬にも使うが夏にも欠かせないとのこと。
長くふわふわした羊の毛並みが、強烈な夏の日差しを遮ってくれるからです。そしてこの帽子は、ホラズム地方では親から子に伝えられる大事なアイテムなのだそうです。
名を「チュグルマ (Chugurma/Cho'girma)」と言い、長毛・短毛・カールなど形態によってトガラク (To'galak)、シェロジ (Sherozi)、シルクマ (Silkma) に区別されます。
とくに年配の人々にとってチュグルマは誇りの象徴であり、安易に貸し借りしたり、ましてや交換するような代物ではありません。
代々、息子が父親からチュグルマを継承しますが、多くのヒヴァ人の家庭には祖先から受け継いだチュグルマが大切に保管されているのだそうです。
値段は最初の言い値が30~50ドルでした。がんばって値切ればもっと安くなりそうですが、まあでも本皮 (本毛皮) なので、そこまでがんばらなくてもですね。
今、かつてないほど強烈な日本の夏の日差しに辟易としながら、この帽子のことを思い出しています。やはりひとつ買ってくればよかったかなと、少しだけ後悔しています。