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~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

世界遺産都市ヒヴァ(2)イチャン・カラ①

ヒヴァの旧市街「イチャン・カラ (=内城)」は1990年にウズベキスタン国内で初めてユネスコの世界遺産に登録されました。中央アジアと西アジアの各都市に存在する内城のうち、無傷の状態で保たれているのはヒヴァのイチャン・カラのみであり、当時のイスラム的都市国家を知る上で貴重な資料となっています。

イチャン・カラは東西約450m、南北約650mに広がり、4ヶ所に門 (ダルボザ) があります。城壁の高さは7~8m、基部の厚さは5~6m、壁の全周は2.2km、面積は26ヘクタールに及びます。

イチャン・カラの建築物は城郭、メドレセ (マドラサ)、モスク、霊廟に大別されます。20のモスクと20のメドレセ、6基のミナレットなど、50以上の歴史的建造物と250以上の古い住居が残っています。

ヒヴァは1世紀にはすでに町の基礎ができていたことが判明しています。712年のアラブの征服以降はイスラム化し、17世紀前半にアムダリヤの河道が変化してウルゲンチ・ハン国の首都クフナ・ウルゲンチが衰退すると、 ヒヴァがウルゲンチ・ハン国の新都に選定され、ハン国の名前は首都の名前を冠したヒヴァ・ハン国と呼ばれるようになりました。

イチャン・カラは見どころが満載で、まず何を見て回れば良いのかすらわからなかったため、一日入場券 (実際には二日目も使えました) を買っていた時、売り場で声をかけてくれたガイドに頼み、主だった場所を案内してもらうことになりました (所要2時間)。

カルタ・ミノル
ムハンマド・アミン・ハン・メドレセの隣に建つ未完のミナレット。ムハンマド・アミン・ハンの命により1852年に着工されたものの、1855年にハンが亡くなり工事は中断、未完成のままとなりました。基底部の直径14.2m、高さ23m。ハンの要望は高さ109mだったそうです。青のモザイクで覆われた、非常に美しい、ヒヴァのシンボル的存在。

クフナ・アルク
1838年、アラクリ・ハンの命により建てられた宮殿 (執務のための公邸、モスク、ハーレム、兵器庫など)。ガイドは「クニャ・アルク」と呼んでいました。西側の見張り台は上に上ることができ (一日券とは別に入場料10万スム/1300円)、夕日の時間帯にイチャン・カラを見渡すのに最適。

タシュ・ハウリ宮殿
東門近くにある宮殿 (ヒヴァ・ハン国君主の邸宅) で1830年建造。2つのゾーンがあり入口が異なります。南側は儀式が行われた建物で、高い柱のテラス天井 (接見の間) が印象的。建物内部の部屋と部屋は迷路のようにわざと入り組んで作られており、意識しないと自分がどこにいるのかわからなくなってしまいそう。

北側は広い中庭を囲むように造られた2階建てハーレム。4人の正妻と40人の側室 (ガイドは奴隷と言っていました) が住んでいたそうです。

どの建物もそうですが、博物館・美術館が設置されています、ここには衣装博物館が。

ジュマ・モスク
西門から東に延びるメインストリートの中程にある、高さ42mのミナレットを持つモスク。ジュマ (Juma)=金曜日、つまり金曜礼拝が行われる街で一番立派なモスクです。最初に造られたのは10世紀頃と言われ、その後は火事などもあり何度も修復を重ね、18世紀末に現在の姿となりました。内部は55✕46mの広さの礼拝所となっており、約3m間隔で213本もの木の柱が並んでいます。柱には精緻な彫刻が施されており、最も古い柱4本は10~11世紀のものだそう。

パフラヴァン・マフムード廟
ヒヴァの守護聖人パフラヴァン・マフムードの亡骸が眠る場所。1664年建立、1810年にレンガ造りに改築。内部見学は一日券とは別に有料だったのと歩き回って疲れていたため、中は見ませんでした。

イスララム・ホジャ・メドレセ
ヒヴァ最後のハンであるイスラム・ホジャにより1910年に建てられました。現在は応用美術館として使用されていますが、見どころは脇に立つミナレット。基底部の直径9.5m、高さ45mの大ミナレットです。118段のらせん階段が内部に作られており、上って頂上から街を見渡すことができます (一日券とは別に入場料10万スム/1300円)。

各建物では写真以外にももっと詳細に説明を受け、またガイドに連れられて歩きながら、他にも目につく建物の説明をあれやこれや受けていると、あっという間に2時間たっていました。チップを渡し、ガイドとは分かれて昼食休憩。食後はイスラム・ホジャのミナレットに挑戦しました。

ミナレットのらせん階段はかなり急で、つかまる綱なども張られていないため、上り下りは慎重を要します。自分、上った後は完全に膝が笑っていました。しかしそれだけの苦労をする価値はありましたよ。

オリエントスターホテル@ムハンマド・アミン・ハン・メドレセ。ここに泊まっているのだと考えると、感慨もひとしお。ヒヴァに来てよかった。

イチャン・カラは目に入るものすべてが画になる光景ばかりで、夢中でカメラのシャッターを押していたら、写真は1000枚以上撮っていました。きりがないので一旦区切って、次回はさらにイチャン・カラの風景・夜景・遠景などを。