ウズベキスタン法務省の発表によれば、2023年はウズベキスタンで968,140人の赤ちゃんが誕生しました。そのうち501,577人が男の子、466,563人が女の子です。
そして2023年に最も多く登録された名前は、ムハンマダリ (男の子) とソリハ (女の子) でした。ムハマダリは27,431人、ソリハは24,365人。
(※Muhammadaliをアラビア語っぽく発音するとムハンマド・アリーです、ウズベキスタンではどうなのかな、調査不足です)
以下、男女それぞれのトップテンです。
■男の子
1. Muhammadali – 27,431人
2. Mustafo – 22,880
3. Abdulloh – 18,116
4. Muhammad – 17,025
5. Muhammadyusuf – 13,774
6. Muhammadmin – 12,450
7. Nurmuhammed – 9,017
8. Muhammadjon – 8,843
9. Imronbek – 8,591
10. Muhammadziyo – 8,135
■女の子
1. Soliha – 24,365人
2. Muslima – 15,918
3. Yasmina – 19,911
4. Hadicha – 10,759
5. Imona – 10,310
6. Shukrona – 9,330
7. Sumayya – 9,279
8. Ifora – 7,586
9. Sa’diya – 6,639
10. Mubina – 6,585
中東では「石を投げればムハンマドに当たる」と言われるほど、男の子の名前はムハンマドが多いです。ご存知、預言者の名前ですね。(参考過去記事:アラビア語から考えるアラブ文化⇒ヨルダン人の名前)
ウズベキスタンでは微妙に変化しているものの、ベースがムハンマドの名前がこれほど多いとは思いませんでした。ムスタファーとアブドゥッラーもアラブそのままの名前。
女の子もアラブっぽい名前が多いですね。ソリハは男性名サーレフ (Saleh=正義) の女性形サーレハ (サレハ⇒ソリハ) かな。ムスリマなんてそのまま「女性イスラム教徒」です。
ヤスミナ (ヤスミーン=アラビア語でジャスミン)、ハディチャ (ハディージャ=預言者の最初の妻) 、シュクロナ (シュクラン=アラビア語でありがとう) などなど。
語尾をア行にして女性名詞にするのがまたアラビア語っぽいです。ウズベク語にもきっとそういう法則があるのかもしれません。
ウズベキスタンはこの10年ほどで、国の雰囲気がとても明るくなったそうです。前大統領の時代は道を歩く時もキョロキョロせず、うつむいて黙々と歩くことを求められたのだとか。
こうした開放的な雰囲気だと、普通は国民の意識もどんどん宗教から離れていくものかと思いますが、ウズベキスタンはむしろ女性のスカーフ着用率が増えているそう。
赤ちゃんの名前も、もっと西洋的な名前、ロシア的な名前が多いのかと思ったら、保守的な名前ばかり。保守的というか、宗教的 (イスラム的) ということなのかな。
キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒それぞれ、名前を見ればどの宗教かわかると言いますからね。(参考過去記事:ピーターも本を正せば)
下手をするとテロに遭遇した時、名前が生死の分かれ目になるかもしれません。名前が信仰の体現になる世界、これが現実なのかなとあらためて思いました。