一昨日くらいから日本を含む各国のメディアが報じているところによれば、サウジアラビアにあるイスラム教の聖地メッカ (マッカ) への大巡礼「ハッジ (Hajj)」(※注1) 中の死者が数百名に上っているそうです。
※注1:イスラム暦第12月 (巡礼月) に行われるものがハッジ (大巡礼)、それ以外の期間に行われるものがウムラ (小巡礼)。ツアーパッケージ価格も倍くらい違います。ウズベキスタンからだとウムラが1500ドル、ハッジが3000ドルといったところ。
6月17日は気温 (直射日光ではなく日陰の気温) が51.8℃に達し、死因のほとんどが熱中症によるものとされています。19日のニュースでは死者550名、うちエジプト人が323名というニュースが、ウズベキスタンのメディアにも取り上げられました。
20日のニュースでは、死者が900名を超えたとのこと (エジプト人死者は600名に)。今後、この数字はさらに増えていくかもしれません。今年のハッジには約180万人の巡礼者が参加しています。
* * *
職場の同じ部屋にいるスタッフのご両親が現在ハッジに行っているそうで (現地には1ヶ月滞在)、かなり心配していました。
ウズベキスタンからは今年15,000人以上がハッジに参加しています。巡礼者の各国割当人数は基本、イスラム教徒1,000人に対し1人 (0.1%) です。
ウズベキスタンは人口3,250万人のうちイスラム教徒が96%とされ、すると3,120万人のうちの15,000人ですから、0.05% (2,000人に1人) となり、相場の約半分。
このあたりは二国間関係で変動があるとも言われていますが、いずれにしろ、なかなかの狭き門です。
イスラム教徒にとっては一生に一度の大イベントで、職場スタッフのご両親はハッジを申し込んで9年目にようやく順番が回ってきたそうです。
9年目ということは、実際に申し込んだのは10年前。イスラム暦は太陰暦で1年が354日ですから、毎年11日ずつ、ハッジ期間も早くなります。
10年前に申し込んだ時はハッジも10月だったのに、今年のハッジは6月ですから、なんとも暑い時期に当たってしまったことになります。(7月~9月も十分暑いですが・・・)
高齢者にはかなり厳しいかもしれませんが、その分サウジアラビア政府のケアもきめ細かくなっています。それができるのも石油による財力があるからでしょう。
スタッフを通じてご両親の土産話を聞くのが今から楽しみです。