A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

きゅうり嫌いは遺伝子のせい

自分はド田舎の生まれです。裏の畑で育てた野菜が、四季折々、食卓に上がっていたような家庭でした。それなのに、昔から大の野菜嫌い。

大人になって多少はマシになりましたが、それでも野菜は好きで食べるというよりも、栄養源として食べなければいけないものという感覚。

中には好んで食べる野菜もありますが、とくにきゅうりは昔からなかなか苦手意識が強く、未だに心の底から美味しいと思ったことはありません。

それでも冷やし中華とかウズベキスタン料理のオクローシカなどは、多少なら入っていても許せるようになりました。別に入っていなくても問題ないですけどね。

きゅうりが嫌いな人は一定数いるものだと信じていますが、嫌いな理由にあげられるのが、苦味と臭い。そしてその原因は、その人の持つ遺伝子なのだそう。

遺伝子のタイプによって、きゅうりに含まれるククルビタシンという苦味成分や、キュウリアルデヒドという香り成分を強く感じるため、きゅうりが苦くて臭いと感じるわけです。

自分の場合、まさにこれ。苦味もそうですが、臭いはもう本当に苦手で、子供の頃に親が台所できゅうりを切り始めると、離れた部屋にいてもすぐわかりました。

あとは食感もなんだかゼリーのようにグニュグニュしているし、さらに栄養もほとんどないときたら、味と臭いを克服してまで食べる理由がまったく見当たりません。

もちろん少量なら何度も口にしたことはありますが、丸々1本とか、いや半分でも、そんな膨大な量を一気に食べたことは、一度たりともありません。

そんな自分ですが、時々、意図せずきゅうりがたっぷり入った料理を注文してしまうことがあります。

そんな時は涙目できゅうりをより分け、きゅうり臭いのを我慢しつつ、勢いで料理をかき込むことになります。きゅうりの臭いって世間が思っている以上に強いんです。

フライドヌードル@トンガ
フライドヌードルにこんなにきゅうりが入っていることってあります? しかもこんな大きさで。注文時はまったく予想していませんでした。青天の霹靂。

炸醤麺@インドネシア
あんを掘ってみたら緑の地獄が広がっていました。せめてあんの上に乗せてよ・・・。麺にしっかり臭いがしみついて、もうどうしようもありませんでした。

日本のポテトサラダもなぜきゅうりが入っているのだろう。あの臭いと食感と水っぽさは存在感強すぎです。同じように絶望している人は少なくないと思うのだけれど。

回転寿司に行くとたまにはイクラ (軍艦巻き) を食べたくなるのですが、なぜか必ず刺さっているきゅうりの薄切り。本当に恨めしいです。だから臭いがうつるんだって。。

実は何年かに一度、「もしかして今なら美味しく食べられるかも」と思うことがあります。それは「そろそろ大人にならなければ」という挑戦にも似た気持ち。

ジャカルタでミーアチェを食べに行ったお店のもうひとつの人気メニューが、アチェ名物きゅうりジュースでした。炎天下を歩いてきたので、喉はカラカラ。

今日こそは克服できるかもと果敢にオーダー。ひと口グビリ。うーん、きゅうりがキョーレツ (味は甘いけど)。想像以上にきゅうりが入っていて、あえなく撃沈。

タイ料理の中でいつかまたもう一度食べたいものの筆頭が「オーカジュ」というお店の「カオヤム (ライスサラダ)」。トータルでは素晴らしく美味しいのですが、きゅうりだけはいつもできるだけ噛まずに飲みこんでいました。

そんなこんなで未だにきゅうりの美味しさはわからないままですが、全般的に野菜が美味しいここウズベキスタンは、トマトサラダなんかにも少しずつきゅうりが入っています。

その他の料理もきゅうりと遭遇する率は高めで、少しずつ食べればそこまでは気にならないかなと、最近はそう思うようにもなってきました。

蘭州ラーメンのお店「シーベイ」の炸醤麺はソースが濃い目で美味しく、きゅうりまで完食できました。臭いはパクチーで相殺。パクチーの香りは好きなんですよね。

中国東北料理のお店「ハルビン」の油泼面 (炸醤麺を注文したら間違えて出されたみたい)。きゅうりの量が多くしかもかたかったので、半分以上残してしまいました。

ヤポンスキーサラダ (日本風サラダ) のきゅうりのゴロッと感は恐怖すら覚えました。濃いめのごま醤油味で味は悪くなかったですが、さすがに全部は無理でした。

きゅうりを美味しく食べる方法って何かあるんですかね。漬物はさらに苦手なのでぜったいに無理です。

ちなみに大根も苦手です。大人になってやっとおでんの大根だけは食べられるようになりましたが、それでも味と言うより健康のために食べる感じ。たくあんなんて一生無理。

福神漬はドギツイ真っ赤なやつならカレーライスに添えて食べますが、ココイチなんかの茶色いオーガニックっぽいのは大根の風味が少し感じられるのでやや苦手。

こんな自分ですが、パセリとピーマンは昔から好きなんですよね。ゴーヤを食べたのは大人になってからですが、あの苦味がいい。好き嫌いなんて思い込みなのかな。

あらゆる食材を美味しく食べることができるって、それはすでに才能、人生の勝ち組ですよね。日々の幸福感も自分なんかよりずっと高いのだろうと、羨ましさを感じます。

近々また、大々的にきゅうりに挑戦してみようかな。だったら何を頼もうか。