A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ノンを食べて、ふとインジェラを思い出す

日本から来た出張者とともに、ウズベキスタン人からお昼に招かれました。向かった先はプロフのお店「カモロン (Kamolon Osh)」。プロフ4種盛りの大皿をみんなでシェアしていただきました。

トイオシュ、ジギルオシュ、デブジラオシュ (チュンガラオシュ)、チャイハナオシュ✕2。往々にして羊のクセが強すぎるチャイハナオシュですが、ここのはピリッと辛味が効いていてしつこさを感じさせず、とても美味しくいたただきました。

ウズベキスタン人はプロフでも何でも食事の際は、必ずノン (パン) も一緒に頼みます。ノンをちぎってみんなで分け合いながら食べることは友愛の印であり、ウズベキスタン人が最も大切にする文化だからです (⇒過去記事)。

プロフももちろん美味しかったですが、なんだかやけにノンが美味しく感じました。バターたっぷりでモチッとした食感で。普段ノンの当たり・外れとかあまり意識しませんが、この日は大当たりだったような気がします。

自分はお米も麺もパンも好きですが、なんだかあらためて、パンて美味しいなと思いました。そうしたらふとインジェラを思い出し、急にまた食べたくなってしまいました。インジェラはテフという世界最小の穀物を発酵させて焼いたクレープのようなパンで、エチオピア人の主食です。写真は収穫期のテフ畑とインジェラを焼くところ。

日本でもだいぶ知られるようになったと思いますが、このインジェラ、酸っぱい味とプツプツした見た目から、日本人ははっきり好き嫌いが分かれると言われています。大皿に広げたインジェラにワット (シチュー) をかけ、手でちぎって食べるのも不評の一因。

自分はアジスアベバ時代、お昼ご飯は職場の食堂でインジェラを食べるしか選択肢がなく、食べ続けているうちにだんだん好きになりました。ただし、電話などで中座し、席に戻って再び食べかけのインジェラを目にすると、そのボロ雑巾のような見た目で一気に食欲が失せたことも何度かありました。

まあでも、基本ワットはどれも美味しく (中には激辛のがあるので注意)、あまり灰色ではない、白っぽいインジェラなら、それほど酸味もなく食感はフワッとしているので、誰でも美味しくいただけるのではないかと思います。

みんなでシェアして食べるのが基本なので、大きく焼かれたインジェラにたくさんおかずが載っています。ワットの中でもドロワット (鶏肉のワット) がもっとも辛くもっとも美味しいと言われていて (写真中央の赤いもの)、おもてなしとしても最上級の料理だそうです。

エチオピアはイースターの前に長いツォム (断食=肉・卵・乳製品を食べない) 期間がありますが、普段も水曜日と金曜日はツォムの日となっています。そんな時はベジタリアンの盛り合わせ「ベイアイネット」をいただきますが、こちらもお肉と遜色ない美味しさでした。

お一人様メニューだと、小ぶりのインジェラの上におかずのお皿が直接置かれていました。これ、どこのお店でもそう。お皿の底は一応きれいだということなのでしょうが、なんだかなあといつもちょっとだけ首を傾げていました。写真はミザンタファリでいただいたドロファンタ (ドロ=鶏の代わりに山羊を使ったワット)。

こちらは南部州アルバミンチでいただいた魚のワット、というかトマトとの炒めものかな (炒め煮)。トマトの酸味が効いていて美味しかったですが、インジェラも酸っぱかったので酸味ダブルでした。

一度だけこんな形でいただきました。インジェラで山羊すね肉の煮込みを包む珍しいパターン。

ヤバグトゥブス (山羊のコンロ焼き) はコンロで出され、控えめな量のインジェラがついてきました。普通のダボ (パン) も。

エチオピア人の一番のご馳走「生肉」ももちろんインジェラと一緒に。そう言えばこれをおしぼりと間違えて、一瞬手を拭こうとした出張者がいました。

インジェラを豆の煮込みと和えた料理もありました。唐辛子入りの赤いやつは「カイ」で激辛、黄色いのは「アリチャ」で辛くなく、味は酸っぱくて美味しかったです。

ちぎったインジェラにワットをつけて、人に食べさせる (口に押し込む) 「グルシャ」という食事作法もありました。男女問わず親愛の情を示す、エチオピアならではの文化です。ウズベキスタンはちぎったノンをそれぞれが口にするだけですが、グルシャの場合、手についた雑菌があっという間に伝染する危険性が。

【過去記事から抜粋】
エチオピアでは、複数で食事をする場合、みんなでひとつのインジェラを囲みます。大皿にインジェラ (直径50~60cm) が敷かれ、さらに人数に応じておしぼり状に丸められたインジェラがポンポンと置かれます。真ん中におかず (シチュー的なもの) が盛られるので、めいめいインジェラをちぎってはおかずをくるみ、口に放り込んでいきます。

このやり方だと、他人の手についた雑菌が自分の口にも入る可能性が極めて高くなります。おかずだけでなくインジェラ自体もしっとり湿っていますし。しかも、親愛の情の表現として、自分の手から相手に食べさせる「グルシャ」という習慣もあり、これはなかなか断りづらいです。

エチオピア人5人と1週間の地方出張に行った時も、まず1人がお腹をこわしたなと思っていたら、翌日から次々とみんな下痢になっていきました。さもありなんです。公衆衛生の住民教育をする前に、食事習慣を変えてもらわないと感染症の広がりは防ぎようがありません。

インド人やアラブ人と違って、左手 (お尻を洗う手) も普通に使っているし、地方に行ったらそもそも手を洗う水なんてないし・・・。ちなみにこの時自分が6人中4番目にお腹をこわしたのには微妙に納得いっていません。エチオピア人よりもっとデリケートだと思っていたのに (いの一番にお腹を壊すと思っていました)。