まぜそば系、焼きそば系、海外のスープヌードル、日本のスープヌードルに続いて、いよいよラスト、パスタ系です。
ごくありふれたものしか食べていないのですが、まずは日本で食べたものをいくつか。わずか4種類ですが、どれも世界ランキング入り間違いなしの強力メンバーです。
続いて変わり種というか各国のご当地パスタ、最後にサウジアラビアやトンガなどで食べたパスタを、各国パスタ事情 (私見) も交えてご紹介します。
日本で食べたパスタ
■トマトソース (ポモドーロ)
■ミートソース (ボロネーゼ)
■カルボナーラ
■シーフード (ペスカトーレ)
ご当地パスタ
■コシャリ@エジプト
お米、マカロニ、スパゲティ、ヒヨコ豆、レンズ豆をミックスし、揚げタマネギとトマトソースをたっぷりかけていただく、エジプト庶民の味。炭水化物大好き人間にはたまらない一品。ただしエジプトで食べるコシャリは美味しくないです。写真はサウジアラビアのエジプトレストランで食べたもの。コシャリってこんなに美味しかったのかと、目からウロコでした。バンコクのアラブ人街でもコシャリを食べましたが、やはり美味しかったです。
■激辛スパゲティ@エチオピア
戦時中のイタリア軍による支配 (しかし数年で撤退) の影響から、エチオピアはインジェラ以外にもパスタがよく食べられています。スパゲティミートソースやカルボナーラもあるのですが、それ以上に多いのが、唐辛子たっぷりの激辛パスタ。地方出張の際、隣のテーブルに出されたナポリタンと思しきスパゲティを指差しで注文したら、赤いのはケチャップではなく唐辛子パウダーでした。もちろん辛すぎて食べきれず。写真のパスタはトマトソースだと思ってこれも指差しで頼んだのですが、ただの激辛チリソースでした。
■スパゲティ・サンバル・トゥラシ@インドネシア
Sambal Terasi はエビの発酵調味料を使ったインドネシアのチリソース。写真は一見普通のトマトソーススパゲティですが、甘いトマトをたっぷり使ったソースは、サンバルのおかげでピリッと辛く引き締まり、濃厚なエビの風味と発酵調味料独特のコクが相まって、イタリアンから一気にインドネシアンテイストに様変わりしていました。
■スパゲティ・サンバル・マタ@インドネシア
Sambal Matah はバリ島のサンバルで、チリ、赤タマネギ、レモングラス、ライム、油などからできています。火は通さず、生。これも独特の味でした。基本、塩と油の味で、いわばペペロンチーノ。すぐ味に飽きてしまいそうですが、ここにレモングラスの爽やかな風味、そしてチリがアクセントに加わることによって、最後まで美味しくいただくことができました。まあ美味しいというか、摩訶不思議な味。
■スパゲティ・キーマオ@タイ
タイにはパッキーマオ (酔っぱらい炒め) という料理があり、あまりにも辛いため、一口食べれば酔っ払いもたちまち酔いが覚めるというのが名前の由来だそう。スパゲティキーマオはその名を冠したスパゲティです。写真の一皿は醤油ベースの味付けで、大量の唐辛子とにんにく、生胡椒、そしてバジルが入っていて、パンチ力はかなり強め。噂通り相当な激辛でしたが、なんとか美味しくいただきました。
■トムヤムクンスパゲティ@タイ
トムヤムクンの味つけにすれば、どんな外国料理でも一気にタイ風になりますが、スパゲティも相性抜群でした。辛かったけれど美味しかった。バンコクには他にもトムヤムクンピザ、トムヤムクンうどん、トムヤムクンラーメンなどいろいろありました。
■クスクス@モロッコ
世界最小のパスタとして知られるクスクス。写真はサウジアラビアの首都リヤドにあるモロッコ料理店でいただいたもの。上にかけるおかずはラムと茹で野菜。塩分・水分ともに少なめでした。ただでさえクスクスはボソボソしがちで口の中の水分を持っていかれるので、おかずはもっとジューシーなものがいいです。この時はもう1品シチューを頼みました。
■シュペッツレ@ドイツ
写真はジャカルタのドイツ料理店でいただいたソーセージの盛り合わせについてきたシュペッツレ。たぶんパスタの一種ですよね。もちもちしていて美味しかったですが、ソーセージのこってり感ですでにお腹はふくれていたので、これまたバターたっぷりのシュペッツレまで食べきるのはなかなかきつかったです。付け合せはさっぱりめのものをとかいう発想は、ドイツ人にはないのかと。
■ナポリタン@日本
ご存知パンチョのナポリタン。どこか昭和を思い出す味。イタリア人がなんと言おうと、自分はこれが美味しいと思います。内容もこれ以上豪勢になってはダメ。
■つけナポリタン@富士市
麺がかなりモチモチしていて、箸で食べるスタイルを含め、ここまで来るとかなり和のテイストに。さすがにつけナポリタンをイタリア人にゴリ押しする気はありませんが、でも先入観なしに食べたら、イタリア人だってきっと美味しいと言ってくれるハズ。
■シビットオシュ@ウズベキスタン
ホラズム地方の名物料理で、香草デイルが練り込まれた緑色の麺が特徴。まぜそばとも迷いましたが、シビットオシュは見た目的にイタリアンぽいので、こちらにしました。デイルの香りがさわやかで、とても美味しいです。
■ベシュバルマク@ウズベキスタン
ラザニアというかワンタンの皮のようなパスタに茹でた羊肉、ニンジン、ジャガイモなどが載った料理。スープに浸っているパターンもあります。柔らかくプルプルした食感で、ほどよい塩気とヒツジの脂の旨味がからみついて美味。
■ホヌム@ウズベキスタン
薄いパスタで千切りポテトを包み蒸し上げ、トマトソースをたっぷりかけたホヌム (Xonim)。専門店もあります。写真はチョルスーバザールで売られているもの。文句なしに美味しいです。完全にローカル料理ですが、気分はとってもイタリアン。
各国パスタ事情
■サウジアラビア
リッチな石油王国にはアジアの出稼ぎ労働者だけでなく欧米のビジネスマンも集まります。イタリアン、フレンチ、アメリカンなど、欧米各国のレストランがいくつもありました。お酒と豚肉はありませんが、イタリアンパスタは普通に美味しかったです。とくにエビ・イカ・サーモン・ムール貝など魚介のパスタがおすすめ。
■トンガ
大洋州の小さな島国トンガ。イタリアンレストランは掘っ立て小屋のようなお店を含めて当時5軒しかありませんでしたが、どこも美味しいパスタを提供してくれました。あんなにたくさんパスタを食べたのは、後にも先にもトンガだけ。
■フィジー
大洋州の中心地フィジー。島の大きさも人口も経済力もトンガを遥かに凌駕しています。当然レストランの数も桁違い。けれども食事はどれもイマイチでした。とくにパスタ系はソースの塩気がかなり控えめ。味のないパスタを食べたのは一度や二度ではありません。写真の料理も、美味しそうな見た目に反してやはり塩気がなく残念な味でした。ビスクも塩気ゼロ。外国人が行くような船上レストランなんですけどね。こうなると「塩はお客がふるもの」という不文律があるのかもしれません。
普段よく炒飯を食べていたお店で、たまには違うものをと思いラザニアを注文しテイクアウト。家に帰ってパックを開けて、その残念な形状にまずがっかり。さらに、ひと口食べたら甘酸っぱかったので二度がっかり。これは、ラザニアと名付けられた酢豚でした。チーズがのった酢豚として食べればまあまあ美味しかった。
中東・アフリカ・大洋州、どこでも売っていたスパゲティの缶詰。フィジーで久しぶりに食べました。昔は「ナンダコレ」と思いながらただお腹を満たすためだけに食べていましたが、フィジーの麺事情、とくにパスタ事情を考えると、缶詰もけっして悪くはないなと思った記憶が。
ビチレブ島西部のナンディエリアは世界的に有名な観光地ですから食事は問題ありませんでしたが、自分が住んでいた東部の首都スバは、本当に残念な料理ばかりでした。あれから10年、今はスバの食事情も良くなっていることを願います。
■インドネシア
大都会ジャカルタには巨大なショッピングモールがいくつもあって、そこに入るレストランもローカルなものから高級レストランまで多種多様。イタリアンもたくさんあって、自分もよく行っていました。見た目も美味しさももう普通ですね、日本と変わりません。
■タイ
食の街、バンコク。レストランの数とクオリティーは東京に勝るとも劣らないのではないかと思うほど。イタリアンもチェーン店から一軒家レストラン、そしてホテルの高級レストランまで多種多様ですが、自分はタイ料理を食べるのに手一杯で、あとは新型コロナで外食が制限された期間も長いので、バンコクに4年住んで、パスタは5回くらいしか食べませんでした。そのうち2回は上で紹介したご当地パスタです。1枚だけ普通のパスタを食べた時の写真が残っていたのでそちらを。知人とトリュフピザを食べに行った時、一緒に頼んだ海老パスタです。もちろん美味しかったですよ。
パスタは以上です。さて、ようやく出揃いました。ここから麺料理のランキングを決めていきたいわけですが、その前にこのパスタ系では、どれがトップなのか。
ロブスターパスタとかずるいですよね。あれは美味しすぎます。トップ候補は間違いないでしょう。でもそれって、ロブスターの力が9割くらいかも。
純粋にパスタだけ (+ソース) の美味しさを考えてみよう。あえてコシャリをあげたりするのがいいのかな。いやさすがにそれは奇をてらいすぎか。
シビットオシュはいいですね。これはまさにパスタが美味しい。見た目も美しいし。トマトソース好きな自分はホヌムも大好き。自分の舌にはドンピシャです。
しかしまあ、なんだか自分でもよくわからなくなってきました。すべての麺料理の中から一番を選ぶって、かなり無謀なことなのかも。
似たような者同士でトーナメント戦をしていけばいずれ見えてくるのかな。例えばコブルマラグマン vs. ナポリタン。これは接戦ですがコブルマラグマンに軍配。
ラグマン (羊) vs. ボロネーゼ (牛)。ああもうダメだ、悩む。。勝ち負けの基準をまず考えよう。
自分は何を求めているのか、そして世界は何を求めているのか (←たぶん何も求めていない)。
しばらく頭を冷やして、後日全体をまとめたいと考えています。ふぅ、疲れた。。
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■麺料理の一番はどれ?シリーズ
・拌麺・まぜそば・油そば
・炒麺・焼麺・揚麺
・海外のスープヌードル
・日本のスープヌードル