一昨日のブログで、イスラム圏にはポークソーセージがなくてとブツブツ言いましたが、よく知られた豚肉やアルコールの他にも、イスラム教徒にはあれこれ食べられないものがあります。
食べられるお肉の基本は鶏・牛・羊。ただしアッラーの名を唱えて屠殺されたもの以外はハラームなので、日本で暮らすイスラム教徒は本当に大変だなと思います。
それを承知で来日したとはいえ (知らなかったとしたらよく調べない方が悪いですが)、まさかここまで食べられるものがないとは、なかなか想像できないでしょうね。
調味料も日本の醤油は醸造過程でアルコールが発生するし、みりんもアルコールですからハラーム。カレールーも「原材料:動物性油脂」は豚脂 (ラード) の可能性あり。
海外ではムスリム用のキッコーマン醤油やカレールーが売られていますが、日本ではほとんど手に入らないでしょう。
ハラールフードの認証マークが付いたものということまでこだわったら、本当に何も食べられません。
親子丼もすき焼きも、そば・うどんもだめ。醤油がだめなのはもう致命的です。お寿司はマグロや青魚を塩で食べればたぶん大丈夫 (イカ・タコ・ウナギなどはだめ)。
日本人がイスラム圏に行って、豚肉が食べたくても食べられない、というのとはまるで状況が違いますね。
自分もこちらの生活でたまに豚肉が食べたくなりますが、それは単に嗜好の問題だし、他に食べるものが山ほどあるので、何も困ってはいません。
また、ウズベキスタンはイスラム教徒が国民の大多数を占めますが、ロシア文化の影響があるせいか、豚肉や豚ハムも買おうと思えば買えます (写真はアライバザール)。
こうなったら、日本のどこかに "イスラム特区" のような地域を作って、食事場所からモスク、さらには墓地まで、すべてそろえてあげてもいいのかなと思ったり。
ただそれは、体のいい隔離でもあるので、異文化共生とか多様性とは真逆の進み方です。難しいですね、多様性って。
お互い歩み寄らない (宗教的に歩み寄れない) 場合はとくに。国際結婚だって宗教によっては結婚できる相手が限定されます (たいていは女性が改宗)。
ある程度ルールがあった方が人間は生きやすいし社会もまとまりやすいのかなと思いますが、グループによってルールが異なる場合、それはもう混乱しかもたらしません。
コーランに書かれている様々なルールも、神様の言葉であり絶対的なものですから、時代に合わせて改訂などできるわけもありません。
ただしコーランには、「飢えに迫られた者は (何を食べても) いい」と書かれていますから、そのあたりは柔軟に解釈していってほしいですけどね。
でもそうした柔軟な解釈に反発して、イスラム原理主義が生まれたりもしたわけですから、人の宗教心というのは本当にややこしい。
「郷に入っては郷に従え」「When in Rome, do as the Romans do.」 これを国連で世界統一ルールに採択してくれないかなあ。