タシケントから飛行機で1時間40分、ウズベキスタンの一番西側にあるカラカルパクスタンは、ウズベキスタンの州のひとつではなく、自治共和国です。
アムダリヤ川の最下流に位置し、アラル海を擁する緑豊かな土地でしたが、近代になって農業用水の過剰摂取などによりアラル海は年々縮小 (アムダリヤ川の水もアラル海に到達せず)。一転、塩害や砂嵐に悩まされる厳しい土地になってしまいました。
首都ヌクスから少し郊外に出ると、もう道路脇のそこかしこに塩害の片鱗が見て取れます。もう少し村落部に入るとさらに顕著。小麦畑もまだら模様に塩が浮き出ています。
こうした塩害に取られている対策は、種まきの前しばらくの間、畑に水を張っておくというもの (ウォッシング)。すると表層の塩分が地中に沈降していき、地表では作物が育てられるというわけです。
しかし容易に想像できるとおり、次のシーズンにはまた塩が浮き出てきます (水の蒸発の作用、水は蒸発し塩分は地表に残る)。しかも、前シーズンで使った水の分だけ、また少し塩分濃度が上がって。
ウズベキスタンの中でもとくに塩害がひどいカラカルパクスタンでは、小麦が芽吹いてもしばらく (1ヶ月くらいと聞きました) 畑に水を張ったままにしておく農法もあるそうです。水に余裕がある年はこうしたことも行われるそう (今年は水が豊富だそうです)。
灌漑をしている畑だけが塩害に悩まされているわけではなく、普通の空き地も塩だらけです。そんな中でも育つ植物はあり、こうした草木を利用して荒廃地に植林する活動も進められています。
ちなみにヌクスの地下水は塩分濃度が0.5~0.8ppmくらいで、敏感な人は少ししょっぱいと感じるそうです。自分はよくわからなかったですが (歯磨きしただけなので)、同じホテルに泊まったウズベキスタン人はしょっぱかったよと言っていました。