日本にもどってから毎日のようにコーヒーを楽しんでいます。いろんなお店でコーヒー豆を買ってきて、家で豆を挽いてから自分で淹れるコーヒーは、まさに至福。
自分の行動範囲は清水・静岡・富士といったところ。トクナガコーヒー (清水)、カルディコーヒー (清水ドリプラ店)、くれあーる (静岡)、コーヒー乃川島 (静岡)、アラビカコーヒー (富士) などで焙煎豆を買ってきました。
これらの中では、くれあーるの豆がもっとも香り高く美味しいと感じました。とくに最初に買ったエルサルバドルとエチオピアの豆が素晴らしかったです。
自分の中ではくれあーるが一番かなと思い始めた頃、三保の少し奥まったところにある増田珈琲というお店を知りました。
小さいお店、というか一軒家で、ちょっと入りづらいなと思ったりもしましたが、いざ入ってみれば店主さんはとても丁寧に接客してくれました。
買った豆はエルサルバドルとエチオピア。家で豆 (エルサルバドル) を挽いたところ、部屋中を満たすほどの香りにまず驚かされました。これまでにない強い香りに、期待は高まります。
そして淹れたコーヒーも、口の中でジュワッとコクが広がる、とてもリッチな味わいでした。なんというか、感動レベル。エチオピアの豆も同じく、土地の特徴がよく出た、強い香りと余韻が残る印象的な味わいでした。
豆が良く、そして焙煎も上手いんでしょうね。とにかくここまで美味しいコーヒーに出会ったのは初めてでした。以下、豆の特徴、お店のリストから。
■エルサルバドル:シベリア農園
エルサルバドル屈指の優良農園「シベリア農園」。シルキーな舌触りで非常にクリーン。華やかな酸と、後味の甘みが秀逸。大粒の豆ですが、繊細で上品な香味。パカマラ。
■エチオピア:イルガチェフェ
イルガチェフェ地域、ゲデブ地区にあるウォルカウォッシングステーションで精製された、ウレインチニーチャ集落の豆。華やかさと、明るい柑橘系の酸を感じ、甘酸っぱい香味。控えめに紅茶の風味。在来品種。
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昔、エチオピアに住んでいた頃、南部州のイルガチェフェで買ったコーヒーの生豆をアジスアベバで自家焙煎したことを書いた過去記事を参考までに (⇒元記事:エチオピアのグルメ)。
コーヒー自家焙煎
エチオピア南部の農園地帯、イルガチェフェは、小さな町ですがコーヒーで有名です。ここを出張で訪れたとき、有名だとは聞いていたものの、1級品はどうせ輸出用にまわされているだろうと思って、あえて自分からコーヒーを買いたいとは言い出しませんでした。
しかし、同行した南部州出身のスタッフが「是非買ってみてくれ」と熱弁してきたので、道ばたの雑貨屋で1kg (19ブル/250円) 買うことにしました。袋に入れられた緑色の生豆を見ると、粒の大きさがまちまちで、全体的に小粒です。「こんなもんなのかな」と思っていたら、粒は小さい方が良いのだと言われました。ふむ、どうなんでしょう。
アジスアベバに戻った後、早速自宅で豆を煎ってみました。手元にあった「暮らしの手帖」にちょうどコーヒーの特集があって、記事によると5分くらい直火で煎れば中深煎りになると書いてあります。
中華鍋を炭火の上に置き、豆を入れてシャモジでかき回し始めました。しかし、5分たっても10分たってもあまり豆の色が変化しません。後でよくよく考えてみると、日本に輸出されたコーヒー豆はすでに十分乾燥していて、あっという間に煎ることができるのではないか、しかしこの豆は産地直送の超フレッシュ豆なので、水分がかなり多く、煎るのに時間がかかったのではないかと思い当たりました。結局1時間ほど煎っていましたが、こういう作業は嫌いではないので、十分楽しめました。
自分で煎ったコーヒー豆を見ると、なんだかほれぼれしてしまいます。素人がやることなので、すべての豆が均一な焦げ茶色になっているわけではありませんが、色の良いやつを拾い上げミルで挽いてみると、コーヒーの良い香りが一気に部屋中に広がりました。町で売っているコーヒー豆はかなり深煎りでどれもヘビーです。こうして浅めに煎ったコーヒーは、軽やかでまた格別の味わいでした。