A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ルーシー@エチオピア

アジスアベバ大学のすぐ近くに、エチオピア国立博物館があります。自分がいた当時、土日もオープンしていたので、週末には外国人の来館者がたくさん見られました。

国立博物館にしては規模が小さいのですが、とにかくここを有名にしているのは、最初期の人類の仲間の化石、通称「ルーシー」です。

ルーシーは、1974年にエチオピア北東部のアファール地方で発見されたアウストラロピテクス・アファレンシス (アファール猿人) の化石のニックネームで、当時のヒット曲 "Lucy in the sky with diamonds" (by ビートルズ) にちなんでつけられました。

ルーシーは約320万年前の、25~30歳くらいの女性だそうです。チンパンジーにくらべ骨盤が短く幅広いこと、そして膝に向かって傾斜する大腿骨を持っていることから、二足歩行に適応していたと考えられています。

博物館にはルーシー以外にも、1994年にアワシュ川中流域のアラミスで発見されたラミダス猿人 (アルディピテクス・ラミダス、440万年前) や、2001年にミドルアワシュで発見されたラミダス猿人亜種 (580万年前) の化石など、超がつくほどの貴重品があるのですが、陳列棚にひっそりと置かれているため、あまりすごさが伝わってきません。もっと宣伝したらいいのにといつも思っていました。

なお、ルーシーが生存していた320万年前の地層から、別系統の化石がケニアでも発見されました (ケニアントロプス・プラティオプス)。現在も、どちらの猿人が現世人類の直接の祖先なのかはわかっていないようです。ただ、いずれにしろ人類の起源はきっとアフリカなんですね。(※注:アファール猿人が現代人の直接的な先祖ではないことを示唆している研究結果もあるそうです)

エチオピア滞在中、2005年は愛・地球博の年でした。この間、エチオピア政府もいろいろな物を出展していて、目玉としてルーシーも日本に運ばれました。しかしルーシーの本物は国宝であり、当然門外不出。通常は国立博物館でさえ、精巧なレプリカを陳列しているのだそうです。

そんなこともあって、日本に持っていったのは実レプリカの方で、その代わりに、アジスの博物館では半年間、本物を飾っていたのだという噂を後日聞きました。この時自分が博物館で見たものは、もしかして本物だったのかも。だとしたら超ラッキー (違いはよくわかりませんが・・・)

※11月30日はルーシーが発見された日という情報があったので過去記事からピックアップしましたが、実は発見日は1974年11月24日だったみたいですね。でもまあせっかくなので。