激辛パスタ@エチオピア
1930年代半ば、イタリアはエチオピアに植民地戦争を仕掛けました。しかし、広大な国土のすべてを支配下に置くことはできず、わずか数年で撤退していきました。そんな歴史があるためか、エチオピアでは主食のインジェラに加え、パンやパスタもレストランではおなじみメニューです。
スパゲティミートソースやカルボナーラもあるのですが、それ以上に多いのが、唐辛子たっぷりの激辛パスタ。一度、隣のテーブルに出されたナポリタンと思しきスパゲティを指差しで注文したら、赤いのはケチャップではなく真っ赤な唐辛子パウダーでした。もちろん辛すぎて食べきれず。。
トマトソースパスタ (+ご飯やおかずの盛り合わせ) と思ったら、やっぱり激辛チリソースだったことも。ご丁寧に青唐辛子までブスッとさしてありました (写真↓)。インジェラばかり食べていると、たまには無性にパスタが食べたくなるのですが、なかなかいい塩梅のものには出会えなかったですね。
地方に行くと唐辛子を天日干しする光景をよく見ます。乾燥後の処理はみんな素手。指先がもう慣れているのかな。見ているこちらはなんだか手や目までむずむずしてくるようでした。
スパゲティサンバル@インドネシア
ジャカルタのグランドインドネシアにある小洒落たカフェ「Olivier」。ここに、ちょっと変わったスパゲティがありました。なんと名前に「サンバル」という単語が。
サンバルとはインドネシアやマレー料理の調味料で、大雑把に言えばチリソースですが、辛くないものもあったり、そのバリエーションはとても多く、地域の数だけ種類があるとも言われています。調味料というよりむしろ漬物やふりかけ、薬味に近い存在です。
■Spaghetti Sambal Terasi
Sambal Terasi (サンバルトゥラシ) はエビの発酵調味料を使ったチリソース。一見普通のトマトソーススパゲティですが、甘いトマトをたっぷり使ったソースは、このサンバルのおかげでピリッと辛く、濃厚なエビの風味と発酵調味料独特のコクが相まって、イタリアンから一気にインドネシアンテイストに様変わりしています。これはきっとイタリア人も食べたことがない味でしょう。もちろん自分も初めて。これは美味しかったです。シーフードも新鮮プリプリでした。
■Spaghetti Sambal Matah
Sambal Matah (サンバルマタ) はバリ島のサンバルで、チリ、赤玉ねぎ、レモングラス、ライム、油などからできています。火は通さず、生です。これも独特の味でした。基本、塩と油の味で、いわばペペロンチーノ。これだけだと飽きてしまいますが、そこにレモングラスの爽やかな風味、そしてチリがアクセントに加わることによって、最後まで美味しく食べることができました。これこそインドネシアの味ですね。まあ美味しいというか、摩訶不思議というか。イタリア人はこれを美味しいと思うかな。思ってほしいな。
ご当地パスタ@タイ
■スパゲティキーマオ
タイにはパットキーマオ (酔っぱらい炒め) という料理があり、あまりにも辛いため、一口食べれば酔っ払いもたちまち酔いが覚めるというのが名前の由来だそう。スパゲティキーマオはその名を冠したスパゲティです。
BTSアソーク駅真横の「The Real Pizza」でいただいたスパゲティキーマオ (280バーツ/950円) は醤油ベースの味付けで、大量の唐辛子とにんにく、生胡椒、そしてバジルが入っていて、パンチ力はかなり強め。とても美味しかったです。とくに生胡椒が大好きな自分には最高の一品でした。しかし、やはり相当辛かったです。お店を出た後もしばらく唇がジンジンしびれていました。
■トムヤムクンスパゲティ
トムヤムクンの味つけにすれば、どんな外国料理でも一気にタイ風になりますが、スパゲティも相性抜群でした (@The Real Pizza)。やはりこれも辛かったですが。
つけナポリタン@吉原/日本
「つけナポリタン」とは、静岡県富士市にある吉原商店街の喫茶店や飲食店を中心に販売されているご当地グルメです。写真は、昭和の香り漂う吉原商店街の喫茶店「アドニス」の一皿。
麺がもちもちの生パスタで、ピリッと酸味のあるトマトソースとは相性抜群。箸で食べるのが正式らしく、故に麺をすするとき激しくソースが飛び散ります。紙エプロン必須 (お店でくれます)。
スパゲティナポリタンにもっとソースがビタビタにかかっていたらなあ、と一度でも考えたことのある人にとっては、ベストな料理かと。粉チーズをたっぷりかけて頬ばりたい一品。アドニスではしめにスープ割りもできます。
おまけ①:クスクス
「世界最小のパスタ」としておなじみのクスクス。写真は、サウジアラビアの首都リヤドにあるモロッコ料理店「マラケシュ」でいただいたもの。上にかけるおかずはラム、チキン、野菜など何種類かありましたが、好物のラムを選択。
正直、ラムはもうちょっと塩気がほしいと思いましたが、逆に茹で野菜 (キャベツ、ニンジン、ズッキーニ、カブ、カボチャ) は野菜そのものの甘味が感じられて美味しかったです。
ただ、クスクスはボソボソしがちで口の中の水分を持っていかれる食べ物なので、おかずの方はもっとジューシーなものがいいです (なのでこの時はもう1品シチューを頼みました)。
おまけ②:シュペッツレ
ジャカルタのクマン地区にあるドイツ料理店「Die Stube」でいただいたソーセージの盛り合わせについてきた「シュペッツレ」。たぶんパスタの一種ですよね。もちもちしていて美味しかったですが、ソーセージのこってりですでにお腹はけっこうふくれていたので、これまたバターたっぷりのシュペッツレはなかなかきつかったです。
※10月25日は「世界パスタデー」ということで、今まで食べてきた少し変わり種のパスタ料理をご紹介しました。