A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

RAP AGAINST DICTATORSHIP

タイのラッパーグループ「RAP AGAINST DICTATORSHIP」が2018年10月22日にYouTubeで公開した「プラテートクーミー (My Country has)」は、タイの軍事政権 (や富裕層が優遇される不平等社会) を辛辣な言葉で非難する過激な内容で、1週間足らずで2000万回再生される大ヒットとなりました。

2020年から、在留外国人である自分の目にもはっきり顕在化してきた、継続的かつ大規模な反政府・王室改革デモの勢いもあったせいか、その後も再生回数はどんどん伸びて、今はなんと1億回に達しています。

バンコク滞在中、自分もYouTubeでこの動画を観ていましたが、これをそのまま放置しておくタイ政府に対し、「今まで住んでいた国よりだいぶリベラルだな、さすがタイ」などとぼんやり考えていました。中東やアフリカなら、即刻公開停止かまたは逮捕でしょうから。

今年7月、同グループの別の楽曲「パティループ (Reform)」が、タイ政府からの申し立てにより裁判を受けた結果、首相と国王を暗示しているような歌詞があり、わいせつな表現も多いことから、「社会に有益な創作物ではない」との判決が下され、YouTubeを始めとしたすべての音楽プラットフォームから削除されることになりました。

「プラテートクーミー」は未だ公開されているので、これはOKということなんでしょう。政府批判まではOK、王様批判になったらダメ、ということなのかな。それにしても、命を削るような創作活動ですね。

下の写真は2020年10月19日夕方、自分の職場の真横の交差点であった反政府デモの様子 (現地ニュースから)。デモの場所は予告されるので、巻き込まれないよう自分はこの日早めに帰りました (電車の駅が閉鎖されるので)。