A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

SLR(タイ映画)

SLR」(副題:クローン・ティッ・ターイ=死のカメラ) は2022年のタイのホラー映画です。カメラ好きなら「SLR=一眼レフ (Single-Lens Reflex)」とすぐにわかりますが、今は「写真=スマホ」という時代ですから、若い人にはピンとこないかも。逆にタイトルにいい感じのレトロ感が加わっていますね。

映画館で予告編を何度か観て、カメラで撮影された人が死んでしまう話ということはわかっていました。なので、タイの名作ホラー映画「心霊写真」をなんとなく想像して観に行きました。心霊写真のレビューは以前次のように書いています。

『この映画、日本では1996年の「女優霊」に始まり、「リング」「呪怨」と発展していく "Jホラー" に共通する怖さがあります。オカルト (悪魔) やスプラッターなどとはまったく違う、人間の怨念がテーマ。結局一番怖いのは人間だという。』

そう、自分、ホラーなら結局 "Jホラー (=心霊もの)" の系統が好きなんですね。そして本作 SLR、端的に言うと、ホラーはホラーでも、オカルト (悪魔) とかスーパーナチュラルのジャンルでした。

例えば映画「イット」もそうですが (⇒レビュー)、自分はちょっと苦手というか、怖がりたくて観たのになかなか怖がれないというか。本作も前半はホラー強めの心霊ミステリーといったテイストで、後半はモダンホラーかスーパーナチュラル、あるいはダークファンタジーに近いのかもしれないと思いました。あらすじは次のとおり。

* * *

写真専攻の学生であるダンは、エイム教授のもとで学んできましたが、ダンの写真作品に対する教授の評価は厳しく、まだ卒業が見えません。

同級生のナム (ダンの彼女) と友人ゲート (Greatのタイ読み、ナムに好意) は卒業が決まり、さらに二人そろってニューヨークへの写真留学が決まっていました。 

卒業をあせるダンに、エイム教授は古い一眼レフカメラを渡して、14日以内に7人のポートレートを撮るよう指示しました。いい写真が撮れたら卒業とニューヨーク留学を認めるとのこと。

ダンはまず車いすのアスリートを撮影します。写真を現像しエイム教授に見せると、教授はとても満足し、残りもがんばるようダンに伝えました。しかしその後、足の不自由なアスリートは天井のファンに紐をかけ、首をつって自殺してしまいました。

続いて写真を撮ったパッタイ屋の夫婦が不可解な死を遂げると、次第に状況がわかってきて、恐怖に震えるダン。こうしてダンは、恐怖心とともに邪悪な心を持って、次々と写真撮影をこなしていくのでした。

様子がおかしいダンのことを心配し、ナムとゲートは奔走します。ナムはカメラの素性を知り、次第に教授の企みにも勘づきますが、平常心を失ったダンは聞く耳を持ちません。一方で、死んだ亡霊たちがダンに襲いかかり、日に日に憔悴していくダン。

最後の7人目として教授自身を写真に撮り、教授の悪魔的な計画を阻止しようと3人は立ち上がります。貧しい家庭に育ち、少し卑屈な心を持っていたダンでしたが、教授との戦いを通じて、自らを犠牲にする精神を発揮しました。

後半は怒涛の展開。襲い来る亡霊たち、魂を吸い取る護符、悪霊を退けるブレスレット、ネズミのモンスター、異空間の戦い。最後に勝利したのは誰か。息を引き取ったかに見えたダンの結末は。そしてタイトルロール後に映し出される驚愕のラストシーン。

* * *

主演俳優はBNK48のチャープランなどヤングスターを起用し、物語もいろいろな展開があって、美術も凝っているし、力作だったなということは感じました。ちょっとストーリーが追えていないところはありますが (教授の正体とそもそも何が目的だったのか)、見応えはある作品でした。

ダン:Korapat Kirdpan (ナノン)
ナム:Cherprang Areekul (チャープラン)
ゲート:Sadanont Durongkavarojana (ノン)

まあでも、ホラーかどうか、怖がれるかどうかでいうと、前半はかなりいい感じでしたが、後半のスーパーナチュラル展開は、これはもう個人の好みによるなと。とにかくアイテムが最強すぎるのが・・・。アイテム入手にもう少しひねりを加えていたら、説得力が増したのに。

ラストシーンもいい意味で胸糞で、悪くはなかったですが、逆にもっとその後の経緯を説明してしまった方がスッキリはしたかなと。